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第5章

353話 最新ステータス ユヅキ

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 俺たちはエルカの町へ向けて歩みを進めている。

「大地よ震えろ! 【アースクエイク】!」

 ユヅキが土魔法を発動すると同時に、地面が激しく揺れ始める。
 フォレストゴブリンは体勢を崩すが、すぐに立て直そうとする。
 その隙を逃さず俺とシルヴィで畳み掛け、無事に討伐した。

「ふう。これで全部かな」

「はい。大丈夫だと思います」

 俺の言葉に、シルヴィが答える。

「しかし、ユヅキのその魔法はすごいな」

「うん。まさか地震を引き起こす魔法を使えるようになるなんて思わなかったよ」

 ユヅキがそう答える。
 エルカ迷宮の5階層では、地震のギミックにみんなビビっていた。
 それが、今では自分の力で発動することができるようになったのだ。
 ここで、彼女の最新ステータスを確認しておこう。


ユヅキ
種族:茶犬族
称号:エルカ迷宮踏破者
ファーストジョブ:聖獣剣士レベル28
セカンドジョブ:土魔導士レベル27
サードジョブ:聖獣闘士レベル17
控えジョブ:獣剣士レベル30、獣闘士レベル30、土魔法使いレベル30、水魔法使いレベル16、料理人レベル5
HP:B(06/30)
MP:B(15/30)
闘気:B(04/30)
腕力:B(04/30)
脚力:B(07/30)
器用:B(22/30)

アクティブスキル:
『聖獣剣士』ビーストラッシュ、ダブルビーストラッシュ、スーパービーストラッシュ、ソードオブジャッジメント、ハイパービーストラッシュ、霊獣憑依
『土魔導士』クリエイトブロック、ロックウォール、ストーンキャノン、ロックアーマー、アースクエイク
『聖獣闘士』裂空脚、砲撃連拳、獣化、瞬脚、乱れ蹴り

パッシブスキル:
『聖獣剣士』パーティメンバー会心率向上(大)、腕力強化、腕力強化
『土魔導士』MP強化、詠唱時間短縮、MP強化
『聖獣闘士』脚力強化、アクティブスキル発動時間短縮
『エルカ迷宮踏破者』全能力値上昇(小)、閉所耐性上昇


 ユヅキのファーストジョブは『聖獣剣士』だ。
 そしてセカンドジョブが『土魔導師』である。
 ちなみにシルヴィのファーストジョブは『氷魔導師』で、セカンドジョブは『聖獣戦士』だ。

 近接ジョブと魔法系ジョブの2つをバランスよく育てているという点で、似ているところがある。
 『悠久の風』に加入してからの付き合いはシルヴィに次いで長い上、元々冒険者として活動していたという経歴を持っている。
 彼女がいることで、俺たちのパーティの安定性は大きく向上していることは間違いない。

「ユヅキ。いつもありがとう」

 俺は素直に感謝を口にした。

「えっ? 急にどうしたの?」

「いや、なんだか伝えたくなってな」

「そっか。でも、僕の方こそありがとうだよ。コウタに会えてよかった」

 ユヅキが照れくさそうに笑う。

「何か不満とかはないか?」

「え? うーん……。コウタの女遊びが激しすぎる点は、どうせ治らないだろうし……」

 ユヅキが苦笑いを浮かべる。

「おいこら! 女遊びなんかしていないだろ!」

「またそんなことを言って。迷宮でもセリアさんに手を出したじゃない」

「あ、あれはだなあ……。その、ゴニョゴニョ……」

 シルヴィから痛いところを突かれ、思わず口籠ってしまう。
 確かにあの時は、シルヴィやユヅキの気持ちを知っていながら、セリアに手を出してしまった。
 彼女たちには悪いと思っている。
 ただ、どうしても美少女を見ると手が勝手に動いてしまうのだ。

「ふふっ。別に構わないけどね。僕のことを捨てたりしないなら」

「当たり前じゃないか。俺にとって、ユヅキは大切な存在だからな」

「僕もコウタのことが好きだよ。これからもずっと一緒にいてね」

「ああ、もちろんさ」

 ユヅキがニッコリと微笑む。
 可愛い女の子の笑顔というのは、それだけで価値のあるものだ。
 こんな風に思えるのは、この世界でユヅキに出会えたからだな。
 俺は幸せを噛み締めつつ、歩みを進めていったのだった。
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