社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

３５１話 最新ステータス コウタ 後編

　俺は自身の最新ステータスを確認している。

「英雄も育ってきているな……。これは上げにくい特殊ジョブだが、その分強力だ。地道に上げていこう」

　ジョブにはいくつかの種類がある。
　まずは、剣士や格闘家のような初級の戦闘系ジョブ。
　多少の鍛錬を積めば、ほぼ誰でも取得が可能だ。

　鍛冶師や料理人などの初級の生産系ジョブ。
　こちらもある程度の練習をすれば、取得できることが多い。

　風魔法使いや氷魔法使いなどの、初級の魔法系ジョブ。
　生まれ持っての適性や、適切な鍛錬が必要となり、戦闘系ジョブや生産系ジョブよりも取得が難しい。
　だが、それぞれに裏技じみた取得方法があり、ＭＳＣの知識を持つ俺ならば取得は難しくない。

　初級ジョブのレベルが３０に達すれば、それぞれの上級にあたるジョブに転職できる。
　剣士なら剣豪、鍛冶師なら聖鍛冶師、風魔法使いなら風魔導師、といった感じだ。
　これらは初級ジョブの能力を内包した上で、さらなる能力を手に入れることができるジョブである。

　上級ジョブがレベル３０に達すれば、基本的には頭打ちと言っていい。
　だが、複数のジョブをレベル３０に上げることで、超上級のジョブが開放される。
　風魔剣士はその内の１つだ。

　さらに、その他の特殊ジョブも存在する。
　英雄もその１種だ。
　これは人々を窮地から救ったときに得られるジョブである。

　特殊ジョブの傾向は千差万別。
　英雄について言えば、アクティブスキルやパッシブスキルが強力な一方で、ジョブレベルが上がりづらい。
　地道に上げていく必要がある。

「魔法使い系統のジョブも、バランスよく上げてこれたよな」

　俺は『ジョブ設定』スキルにより、ファーストジョブからシックススジョブまでを自由に設定できる。
　氷魔法使いや火魔法使いのジョブは、それぞれ同じぐらいのレベルに上がるよう、定期的にジョブを入れ替えてきた。

　直近の戦闘だけを考えるなら、バランスよく上げるのではなくて特定のジョブに集中して上げた方がいい。
　だが、戦闘は『風魔剣士』『英雄』『格闘王』で十分に対応できている。
　となると、直近の戦闘だけを考えるのではなく、長い目で見た場合のジョブ編成を考えておかなければならない。
　それぞれの魔法使い系のジョブを極めていくことで開放される上級ジョブがある。
　俺の目標の１つは、その上級ジョブの取得だ。

「新たな称号は……『エルカ迷宮踏破者』？　俺たちが迷宮を攻略したことは、まだ知られていないはずだが……。称号付与の例外的条件を満たしたか」

　称号は、特定の偉業や能力について、多数の者から認知されることで獲得できる。
　だが、一部の称号については機械的に判断されて付与される場合もある。

「全能力値上昇（小）と閉所耐性上昇か。まあ、あって困るものではないよな」

　ジョブレベルが順調に育ってきているし、新たな称号も手に入れた。
　金銀財宝もある。
　俺の成り上がりは順調だ。
　世界滅亡の危機だって、きっと回避できるだろう。
　さて、次はシルヴィのステータスを見ておくことにするか。