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第5章
338話 転移魔法の発動
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「いくぞぉっ! みんな、魔力を開放しろ! MPを注ぎ込むんだ!」
「はいっ!」
「了解だよ!」
「はいなのです!」
「おうよ!」
シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンが元気よくそう返事をする。
「……了解……」
「わかりましたわ」
「俺も頑張るぜ!」
「……えっと。微力を尽くします」
ティータ、ローズ、グレイス、エメラダが続く。
俺の指示に従い、全員が全力でMPを放出していく。
「すごいですにゃ……。1つのパーティに8人もの魔法使いがいるなんて……。圧巻の光景なのですにゃ」
セリアが呆然とした表情で呟いた。
魔法使い系統のジョブは、一般的には取得が難しい。
種族や血筋に応じて各人が特定の属性に対する適性を持つが、適性のある魔法だからといって実際に取得できて当たり前というほどではない。
例えば、茶犬族は土魔法、ドワーフは火魔法、金兎族は雷魔法、エルフは木魔法、海猫族は水魔法に適性を持つが、実際に該当魔法を使えるのは数人に1人以下だろう。
例外があるとすれば、濃い血筋を保っている一部の少数部族くらいか。
白狼族あたりは、氷魔法を使える者が大多数らしい。
使えなかったシルヴィが迫害されて奴隷に落とされたぐらいだからな。
だが、俺にはMSCの知識と経験がある。
そのため、各種のジョブの効率的な取得方法を知っている。
さらには、『ジョブ設定』スキルによりそれぞれの取得済みジョブを自在に設定できる。
俺たち『悠久の風』は、全員が魔法使い系のジョブを持つとんでも集団なのだ。
「よしっ! みんないいぞ! もう一息だ!!」
俺も自分の持てる最大の力で、魔法陣に魔力を注ぐ。
「本当にすごいですにゃ……。せっかくなので私も参加するのですにゃ!」
セリアが参戦する。
彼女は少し前まで、脱水症状と魔力不足により行き倒れていた。
だが、俺の黄金水の効力により復活している。
水魔法使いのジョブを持つ彼女の参戦は、なかなか頼りになる。
しばらくすると、魔法陣の光が最高潮に達した。
「今だぁっ!」
俺が叫ぶと同時に、魔法陣が発動した。
俺を含む10人が、眩いばかりの光に包まれる。
「はあんっ!」
「んんっ!?」
「あうっ!」
「んおっ!?」
シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンが突然声を上げた。
「……んっ……」
「はうっ」
「ぐっ!」
「……えぅ……」
ティータ、ローズ、グレイス、エメラダも同じく声を出す。
「ふにゃ~。なんだか、変な感覚なのですにゃ……」
セリアがそんな感想を口にする。
俺も同じ感覚だ。
魔力を魔法陣に注ぎ込むときの感覚は、対象の魔法陣によって様々だ。
この転移魔法陣の場合、心地よい快感のような刺激が全身を駆け巡った。
「うおおおっ! いくぞ、みんな! タイミングを合わせて最後の仕上げだっ!!」
俺はそう叫んでから、さらに魔力を放出する。
仲間たちも、俺の言葉に応えて魔力放出を加速させる。
そして……。
「「「「「ああああああぁぁっ!!!!!」」」」」
みんなでそう叫んだと同時に転移魔法が発動し、目の前が白くなったのだった。
「はいっ!」
「了解だよ!」
「はいなのです!」
「おうよ!」
シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンが元気よくそう返事をする。
「……了解……」
「わかりましたわ」
「俺も頑張るぜ!」
「……えっと。微力を尽くします」
ティータ、ローズ、グレイス、エメラダが続く。
俺の指示に従い、全員が全力でMPを放出していく。
「すごいですにゃ……。1つのパーティに8人もの魔法使いがいるなんて……。圧巻の光景なのですにゃ」
セリアが呆然とした表情で呟いた。
魔法使い系統のジョブは、一般的には取得が難しい。
種族や血筋に応じて各人が特定の属性に対する適性を持つが、適性のある魔法だからといって実際に取得できて当たり前というほどではない。
例えば、茶犬族は土魔法、ドワーフは火魔法、金兎族は雷魔法、エルフは木魔法、海猫族は水魔法に適性を持つが、実際に該当魔法を使えるのは数人に1人以下だろう。
例外があるとすれば、濃い血筋を保っている一部の少数部族くらいか。
白狼族あたりは、氷魔法を使える者が大多数らしい。
使えなかったシルヴィが迫害されて奴隷に落とされたぐらいだからな。
だが、俺にはMSCの知識と経験がある。
そのため、各種のジョブの効率的な取得方法を知っている。
さらには、『ジョブ設定』スキルによりそれぞれの取得済みジョブを自在に設定できる。
俺たち『悠久の風』は、全員が魔法使い系のジョブを持つとんでも集団なのだ。
「よしっ! みんないいぞ! もう一息だ!!」
俺も自分の持てる最大の力で、魔法陣に魔力を注ぐ。
「本当にすごいですにゃ……。せっかくなので私も参加するのですにゃ!」
セリアが参戦する。
彼女は少し前まで、脱水症状と魔力不足により行き倒れていた。
だが、俺の黄金水の効力により復活している。
水魔法使いのジョブを持つ彼女の参戦は、なかなか頼りになる。
しばらくすると、魔法陣の光が最高潮に達した。
「今だぁっ!」
俺が叫ぶと同時に、魔法陣が発動した。
俺を含む10人が、眩いばかりの光に包まれる。
「はあんっ!」
「んんっ!?」
「あうっ!」
「んおっ!?」
シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンが突然声を上げた。
「……んっ……」
「はうっ」
「ぐっ!」
「……えぅ……」
ティータ、ローズ、グレイス、エメラダも同じく声を出す。
「ふにゃ~。なんだか、変な感覚なのですにゃ……」
セリアがそんな感想を口にする。
俺も同じ感覚だ。
魔力を魔法陣に注ぎ込むときの感覚は、対象の魔法陣によって様々だ。
この転移魔法陣の場合、心地よい快感のような刺激が全身を駆け巡った。
「うおおおっ! いくぞ、みんな! タイミングを合わせて最後の仕上げだっ!!」
俺はそう叫んでから、さらに魔力を放出する。
仲間たちも、俺の言葉に応えて魔力放出を加速させる。
そして……。
「「「「「ああああああぁぁっ!!!!!」」」」」
みんなでそう叫んだと同時に転移魔法が発動し、目の前が白くなったのだった。
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