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第5章
336話 コアルームへ繋がる転移魔法陣
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エルカ迷宮5階層の、強制転移のトラップがあった部屋に戻ってきた。
何やら壁に迷宮語で文字が書かれている。
『盗賊』のジョブを持つグレイスの出番だ。
「ふむふむ。この部屋には、この迷宮のコアルームへと繋がる転移魔法陣があるらしいぞ」
「なにっ!?」
「本当ですにゃ!?」
グレイスの言葉に、俺とセリアが驚きの声を上げた。
ユヅキやティータも驚いている。
一方で、シルヴィやエメラダは何が凄いのかイマイチ理解していない様子だ。
「え? それってすごいことなのですか?」
「ああ。それはもう凄いことだ。コアルームへ到達できる冒険者は、超一流の冒険者のみだからな」
シルヴィの問いに、俺はそう答える。
Bランクパーティの俺たちでさえ、まだ迷宮を討伐した経験はない。
この世界において迷宮を完全攻略するようなパーティは、Aランク以上のパーティがほとんどである。
MSCにおいてすら、少なくとも中級者にならないと不可能だった。
「あそこで光っている魔法陣のことですわね?」
「……強制転移の魔法陣とは違って、透明度の高い魔力で構成されている。少なくともトラップではない……」
ローズとティータがそう指摘する。
「コウタ、どうするの?」
「行ってみるのです?」
ユヅキとミナがそう問い掛けてくる。
「そうだな。一度町に帰ってゆっくり体調を整えてから行きたいところだが……。そううまくはいかないようだな」
「ああ。あと数時間で転移魔法陣は閉じてしまうみたいだぜ。どうやら、一度強制転移のトラップに引っ掛かった奴が一定時間内に再び訪れたときだけ反応するようになっているらしい」
グレイスの言う通り、壁の文字や転移魔法陣の魔力は徐々に薄まりつつある。
あと数時間といったところか。
一度町に帰っている時間はない。
MSCにおいて、コアルームに到達する手段は大きく2つある。
1つは、迷宮のラスボスを真っ向勝負で破ること。
もう1つは、迷宮内に仕掛けられた何らかの条件を満たすことだ。
今回は後者の条件を満たしたという扱いだろう。
「セリア、どう思う?」
「たぶん危険はないとは思いますが、確実とは言えませんにゃ。コウタさんの判断に任せますにゃ」
冒険者ギルドの受付嬢であるセリアも、俺と同じような意見だな。
ほぼほぼ安全だとは思うが、何事にも100パーセントというものはないのだ。
「わかった。みんなの意見は……。っと、愚問だったな」
俺がみんなを見回すと、全員の瞳が期待で輝いていた。
「じゃあ、行くか!」
「はい!」
「うん!」
「はいなのです!」
「へへっ。楽しみだぜ!」
「気を引き締めて参りましょう」
「……ふふ……」
「お宝をゲットするぜ!」
「……えっと。あたしも楽しみです」
「ギルド職員としてしっかりと見届けますにゃ」
こうして、俺たちは転移魔法陣を利用してコアルームに向かうことにしたのであった。
何やら壁に迷宮語で文字が書かれている。
『盗賊』のジョブを持つグレイスの出番だ。
「ふむふむ。この部屋には、この迷宮のコアルームへと繋がる転移魔法陣があるらしいぞ」
「なにっ!?」
「本当ですにゃ!?」
グレイスの言葉に、俺とセリアが驚きの声を上げた。
ユヅキやティータも驚いている。
一方で、シルヴィやエメラダは何が凄いのかイマイチ理解していない様子だ。
「え? それってすごいことなのですか?」
「ああ。それはもう凄いことだ。コアルームへ到達できる冒険者は、超一流の冒険者のみだからな」
シルヴィの問いに、俺はそう答える。
Bランクパーティの俺たちでさえ、まだ迷宮を討伐した経験はない。
この世界において迷宮を完全攻略するようなパーティは、Aランク以上のパーティがほとんどである。
MSCにおいてすら、少なくとも中級者にならないと不可能だった。
「あそこで光っている魔法陣のことですわね?」
「……強制転移の魔法陣とは違って、透明度の高い魔力で構成されている。少なくともトラップではない……」
ローズとティータがそう指摘する。
「コウタ、どうするの?」
「行ってみるのです?」
ユヅキとミナがそう問い掛けてくる。
「そうだな。一度町に帰ってゆっくり体調を整えてから行きたいところだが……。そううまくはいかないようだな」
「ああ。あと数時間で転移魔法陣は閉じてしまうみたいだぜ。どうやら、一度強制転移のトラップに引っ掛かった奴が一定時間内に再び訪れたときだけ反応するようになっているらしい」
グレイスの言う通り、壁の文字や転移魔法陣の魔力は徐々に薄まりつつある。
あと数時間といったところか。
一度町に帰っている時間はない。
MSCにおいて、コアルームに到達する手段は大きく2つある。
1つは、迷宮のラスボスを真っ向勝負で破ること。
もう1つは、迷宮内に仕掛けられた何らかの条件を満たすことだ。
今回は後者の条件を満たしたという扱いだろう。
「セリア、どう思う?」
「たぶん危険はないとは思いますが、確実とは言えませんにゃ。コウタさんの判断に任せますにゃ」
冒険者ギルドの受付嬢であるセリアも、俺と同じような意見だな。
ほぼほぼ安全だとは思うが、何事にも100パーセントというものはないのだ。
「わかった。みんなの意見は……。っと、愚問だったな」
俺がみんなを見回すと、全員の瞳が期待で輝いていた。
「じゃあ、行くか!」
「はい!」
「うん!」
「はいなのです!」
「へへっ。楽しみだぜ!」
「気を引き締めて参りましょう」
「……ふふ……」
「お宝をゲットするぜ!」
「……えっと。あたしも楽しみです」
「ギルド職員としてしっかりと見届けますにゃ」
こうして、俺たちは転移魔法陣を利用してコアルームに向かうことにしたのであった。
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