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第5章
319話 強制転移から1週間
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さらに数日が経過した。
俺たちは一日の探索を終え、休んでいるところだ。
「ふう……。迷宮の深部に強制転移させられて、早くも1週間以上か……」
俺は溜息をつく。
「そうですね。なかなか厄介な迷宮です」
「この迷宮の浅層は大したことなかったけど……。やっぱり深層は骨が折れるね」
シルヴィとユヅキがそう言った。
エルカ迷宮の深層には、強い魔物がうじゃうじゃいる。
その上、各種のトラップは見破りづらい。
即死級のトラップが少ないことだけがせめてもの救いか。
「でも、ボクたちのジョブレベルは順調に上がっているのです」
「へへっ。だよな。あたいも成長している実感がある。街に帰るのが楽しみだぜ!」
ミナのファーストジョブは『聖鍛冶師』。
リンのファーストジョブは『料理名人』。
いずれも生産系のジョブだ。
基礎ステータスへの補正や魔物討伐時のドロップ品に影響を与えるパッシブスキルを持っているので、今回のような迷宮探索時にももちろん役立つ。
だが、その本質はやはり生産行為だ。
街に帰還してからのミナの鍛冶やリンの料理には期待したいところである。
「……それにしても、本当に長い迷宮だね。脱出にどれくらい掛かるんだろう……」
「少し疲れてきましたわね。睡眠はティータ殿のおかげで足りているのですが……」
ティータとローズはそう言いながら、大きく伸びをした。
2人とも可愛い女の子なので、何気ない仕草が絵になるなぁと思う。
「すまんな。パーティリーダーである俺の判断ミスだ。まさか、5階層にこれほど凶悪なトラップが仕掛けられているとは思わなかったんだ」
俺たちが1週間ほど前に掛かったのは、『迷宮深部へ強制転移させるトラップ』だ。
生きて帰るためには、自力で迷宮深部から地上へと戻るしかない。
ただし、それは容易なことではなかった。
なぜなら、その迷宮のマップを完全に把握できていないからだ。
自分たちで道を切り開く必要があったのである。
「コウタ親分の責任じゃねえよ。斥候役の俺がトラップを見抜けなかったのが悪いんだ」
「いやいや、俺が……」
グレイスと俺で、責任の奪い合いをする。
「……えっと。いずれにしても、主様のおかげで順調に攻略を進められているのは事実です。あたしは感謝こそすれ、恨むなんてことはありませんよ」
エメラダがそう言ってくれた。
「エメラダ殿のおっしゃる通りですね。わたくしたちは、こうして無事なわけですし」
ローズも続く。
「そうだよね。みんなで協力すれば、きっと脱出できるはずだよ」
「はい。その通りです」
「固い装甲を持つ魔物はボクに任してくださいなのです」
「へへっ。ならあたいは、みんなが元気でいてくれるように料理の腕を振るうぜ!」
ユヅキ、シルヴィ、ミナ、リンの4人も同意してくれた。
「みんなありがとう。さすがは我が愛しの仲間たちだな」
俺は全員にハグをしてやる。
「きゃー! 犯されるのです!」
「こらこら、ミナ。暴れるなって」
「あははっ。コウタったら、もう……」
「ふふふっ。こんなときでも、コウタ殿は相変わらずですわね」
「……えっと。手付きがいやらしいですよぉ……」
ユヅキ、ローズ、エメラダたちが俺に抱かれながら笑う。
こんな会話を挟みつつも、俺たち『悠久の風』の迷宮攻略は進んでいったのだった。
俺たちは一日の探索を終え、休んでいるところだ。
「ふう……。迷宮の深部に強制転移させられて、早くも1週間以上か……」
俺は溜息をつく。
「そうですね。なかなか厄介な迷宮です」
「この迷宮の浅層は大したことなかったけど……。やっぱり深層は骨が折れるね」
シルヴィとユヅキがそう言った。
エルカ迷宮の深層には、強い魔物がうじゃうじゃいる。
その上、各種のトラップは見破りづらい。
即死級のトラップが少ないことだけがせめてもの救いか。
「でも、ボクたちのジョブレベルは順調に上がっているのです」
「へへっ。だよな。あたいも成長している実感がある。街に帰るのが楽しみだぜ!」
ミナのファーストジョブは『聖鍛冶師』。
リンのファーストジョブは『料理名人』。
いずれも生産系のジョブだ。
基礎ステータスへの補正や魔物討伐時のドロップ品に影響を与えるパッシブスキルを持っているので、今回のような迷宮探索時にももちろん役立つ。
だが、その本質はやはり生産行為だ。
街に帰還してからのミナの鍛冶やリンの料理には期待したいところである。
「……それにしても、本当に長い迷宮だね。脱出にどれくらい掛かるんだろう……」
「少し疲れてきましたわね。睡眠はティータ殿のおかげで足りているのですが……」
ティータとローズはそう言いながら、大きく伸びをした。
2人とも可愛い女の子なので、何気ない仕草が絵になるなぁと思う。
「すまんな。パーティリーダーである俺の判断ミスだ。まさか、5階層にこれほど凶悪なトラップが仕掛けられているとは思わなかったんだ」
俺たちが1週間ほど前に掛かったのは、『迷宮深部へ強制転移させるトラップ』だ。
生きて帰るためには、自力で迷宮深部から地上へと戻るしかない。
ただし、それは容易なことではなかった。
なぜなら、その迷宮のマップを完全に把握できていないからだ。
自分たちで道を切り開く必要があったのである。
「コウタ親分の責任じゃねえよ。斥候役の俺がトラップを見抜けなかったのが悪いんだ」
「いやいや、俺が……」
グレイスと俺で、責任の奪い合いをする。
「……えっと。いずれにしても、主様のおかげで順調に攻略を進められているのは事実です。あたしは感謝こそすれ、恨むなんてことはありませんよ」
エメラダがそう言ってくれた。
「エメラダ殿のおっしゃる通りですね。わたくしたちは、こうして無事なわけですし」
ローズも続く。
「そうだよね。みんなで協力すれば、きっと脱出できるはずだよ」
「はい。その通りです」
「固い装甲を持つ魔物はボクに任してくださいなのです」
「へへっ。ならあたいは、みんなが元気でいてくれるように料理の腕を振るうぜ!」
ユヅキ、シルヴィ、ミナ、リンの4人も同意してくれた。
「みんなありがとう。さすがは我が愛しの仲間たちだな」
俺は全員にハグをしてやる。
「きゃー! 犯されるのです!」
「こらこら、ミナ。暴れるなって」
「あははっ。コウタったら、もう……」
「ふふふっ。こんなときでも、コウタ殿は相変わらずですわね」
「……えっと。手付きがいやらしいですよぉ……」
ユヅキ、ローズ、エメラダたちが俺に抱かれながら笑う。
こんな会話を挟みつつも、俺たち『悠久の風』の迷宮攻略は進んでいったのだった。
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