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第5章

296話 ブラックタイガー撃破!

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 俺たち『悠久の風』はブラックタイガーと戦っている。
 ミナの火魔法により、奴が怯んだ。

「ふふっ。隙だらけですわ」

 ローズが矢を放つ。
 それは見事に命中した。

「グルルァッ!?」

 ブラックタイガーは悲鳴を上げる。
 さらなる追撃のチャンスだ。

「……【ビッグスラッシュ】……」

「【裂空脚】だぜ!」

 ティータの斧攻撃とリンの回し蹴りが炸裂する。
 ブラックタイガーが吹っ飛んだ。

「後は俺に任せときな!」

「待て! グレイス!」

 俺の声を受け、彼女は慌てて止まった。

「何だよ? コウタ親分。今がチャンスだろ?」

「そう見えるだろうが、実際は違う。迷宮産のブラックタイガーは、行動パターンがある程度決まっているんだ」

「へえ?」

「ここまでの攻撃で体力を失ったブラックタイガーは、第二の行動パターンに入るぞ。油断するな」

 俺はそう言う。
 グレイスを含め、全員で油断なく構える。
 そして、ブラックタイガーは起き上がった。

「グオオォーン!」

 ブラックタイガーが吠える。
 すると、全身に赤黒いオーラのようなものを纏った。

「あれは……。確か……」

「……魔力解放……?」

 ユヅキとティータの言葉に、俺はうなずく。

「そうだ。あの状態になったブラックタイガーは身体能力が増し、攻撃パターンが変わる」

「マジか!?」

「ああ。気を引き締めて行くぞ」

 俺がそう言うと、全員が構え直した。

「グルアアッ!」

 ブラックタイガーは跳躍し、俺たちに向かって突進してきた。
 速い!
 先ほどまでよりも数段速くなっている。
 しかし、ギリギリで避けることができた。

「ガルルルゥ……」

「へへっ。今度はこっちの番だぜ」

 リンがそう言い、大技を繰り出す体勢に入った。

「【獣化】! ……からのぉ、【裂空脚】!!」

「【ヘビィビーストストライク】です!」

 リンはブラックタイガーに強烈な回し蹴りを放った。
 さらに、それに被せるように放ったシルヴィの斬撃が奴にクリーンヒットする。

「グルルァッ!?」

 ブラックタイガーが苦悶の声を上げる。
 そして弾き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

「さあ! 一気に決めるぞ!」

 俺がそう言うと、仲間たちはうなずいた。

「【ストーンキャノン】!」

「【ボルカニックフレイム】! なのです!!」

「……【ウッドランス】……!」

「【五月雨撃ち】ですわ!」

 ユヅキ、ミナ、ティータ、ローズ。
 怒涛の遠距離攻撃で、ブラックタイガーを追い詰めていく。

「グルオオッ!」

 ブラックタイガーは、苦し紛れに近づいてこようとする。

「甘いぜ! コウタ親分には指一本触れさせねえ!」

 グレイスがブラックタイガーの行く手を阻む。
 その隙に、俺は闘気と魔力を高めていく。

「オラァッ!! これで終わりだぁーっ!! 奥義【エクスカリオン】!!」

 俺の剣が、まばゆい光を放ち始める。
 そして俺はそれを振り下ろした。

「グオオオオォォーッ!!!」

 俺の剣が、ブラックタイガーを切り裂く。
 ブラックタイガーは断末魔を上げながら消滅したのだった。
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