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第5章
292話 エルカ迷宮 1階層 ボス周回
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エルカ迷宮の1階層のボス戦が始まろうとしている。
「でも、ボス戦ですよね? パーティのみんなの力を結集しないと勝てないんじゃ……?」
「そんなことはないさ。見ろ」
俺はそう言って、ゴーレムを指差す。
既に戦いは始まっている。
「おらぁっ! 【ラッシュ】だぜ!」
グレイスのアクティブスキルにより、ゴーレムの体が欠ける。
彼女は『悠久の風』の中ではエメラダに次いで日が浅い。
ファーストジョブの『盗賊』やセカンドジョブの『剣士』のレベルもまだ上がりきっていないので、戦闘能力という点ではやや劣る。
だがそれでも、ゴーレムの気を引くのには十分な攻撃だ。
ゴーレムがグレイスに気を取られている隙に、ミナが後方から接近する。
そして、ハンマーを大きく振りかぶった。
「【ビッグボンバー】! なのです!!」
ドゴォン!!
鈍い音と共に、ゴーレムが地面にめり込む。
奴の体はそのまま粒子となって霧散した。
もう終わりか。
これにて討伐完了だ。
「…………」
「どうしたんだ? エメラダ」
呆然と立ち尽くすエメラダに、俺は声をかける。
「えっと……。凄すぎて言葉が出ませんでした……。このパーティはいつもあんな感じなんですか?」
「ああ」
俺は苦笑して答える。
「そ、そうなんですか……。道中の皆様も凄かったですし……。とんでもないパーティに入ってしまったようですね……」
「まあ、これぐらいはな。エメラダもすぐに追いつけるさ」
「は、はい! 頑張ります!」
エメラダはやる気に満ちた顔で言った。
「ふう。どうやらボクの実力もずいぶんと上がっているみたいなのです。ゴーレムをこんなに簡単に倒せるとは思っていなかったのです」
「そうだな。ミナの一撃は以前から強かったが、テツザンやアルフヘイムでの活動を通して強くなっているな」
「ありがとうなのです。嬉しいのです。もっと強くなって、コウタくんの役に立てるようになるのです」
ミナは頬を赤く染めながら言う。
「ははは。期待しているよ」
俺はミナの頭を撫でた。
「ふぇ!? こ、子ども扱いしないでほしいのです! もうっ!」
ぷいっとミナは顔を背ける。
しかし、口元は緩んでいた。
「さて。とりあえず、ここのボスを周回しようか」
「そうだね。あっさりとオリハルコンがドロップすればそれでよし」
「なかなかドロップしなければ、次の階層に向かえばいいしな」
「ええ。その頃には、エメラダ殿のジョブレベルも上がっていることでしょう」
ユヅキ、リン、ローズがそう答える。
このあたりは、事前に相談していた通りだ。
俺たちは迷宮を戻り、再びゴレームに挑む。
そうして、1階層のボス戦を周回していったのだった。
「でも、ボス戦ですよね? パーティのみんなの力を結集しないと勝てないんじゃ……?」
「そんなことはないさ。見ろ」
俺はそう言って、ゴーレムを指差す。
既に戦いは始まっている。
「おらぁっ! 【ラッシュ】だぜ!」
グレイスのアクティブスキルにより、ゴーレムの体が欠ける。
彼女は『悠久の風』の中ではエメラダに次いで日が浅い。
ファーストジョブの『盗賊』やセカンドジョブの『剣士』のレベルもまだ上がりきっていないので、戦闘能力という点ではやや劣る。
だがそれでも、ゴーレムの気を引くのには十分な攻撃だ。
ゴーレムがグレイスに気を取られている隙に、ミナが後方から接近する。
そして、ハンマーを大きく振りかぶった。
「【ビッグボンバー】! なのです!!」
ドゴォン!!
鈍い音と共に、ゴーレムが地面にめり込む。
奴の体はそのまま粒子となって霧散した。
もう終わりか。
これにて討伐完了だ。
「…………」
「どうしたんだ? エメラダ」
呆然と立ち尽くすエメラダに、俺は声をかける。
「えっと……。凄すぎて言葉が出ませんでした……。このパーティはいつもあんな感じなんですか?」
「ああ」
俺は苦笑して答える。
「そ、そうなんですか……。道中の皆様も凄かったですし……。とんでもないパーティに入ってしまったようですね……」
「まあ、これぐらいはな。エメラダもすぐに追いつけるさ」
「は、はい! 頑張ります!」
エメラダはやる気に満ちた顔で言った。
「ふう。どうやらボクの実力もずいぶんと上がっているみたいなのです。ゴーレムをこんなに簡単に倒せるとは思っていなかったのです」
「そうだな。ミナの一撃は以前から強かったが、テツザンやアルフヘイムでの活動を通して強くなっているな」
「ありがとうなのです。嬉しいのです。もっと強くなって、コウタくんの役に立てるようになるのです」
ミナは頬を赤く染めながら言う。
「ははは。期待しているよ」
俺はミナの頭を撫でた。
「ふぇ!? こ、子ども扱いしないでほしいのです! もうっ!」
ぷいっとミナは顔を背ける。
しかし、口元は緩んでいた。
「さて。とりあえず、ここのボスを周回しようか」
「そうだね。あっさりとオリハルコンがドロップすればそれでよし」
「なかなかドロップしなければ、次の階層に向かえばいいしな」
「ええ。その頃には、エメラダ殿のジョブレベルも上がっていることでしょう」
ユヅキ、リン、ローズがそう答える。
このあたりは、事前に相談していた通りだ。
俺たちは迷宮を戻り、再びゴレームに挑む。
そうして、1階層のボス戦を周回していったのだった。
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