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第5章
287話 な、なんだとっ!? オリハルコン!?
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エメラダの武器を新調しようとしている。
木刀を持ってもらったが、これでもエメラダにとっては重いようだ。
「金属製なら、その木刀よりも軽くなんてできねえぜ」
ミルキーがそう指摘する。
「特別な金属を使えばそうでもないだろう? 言ってなかったが、俺たち『悠久の風』が使っている武器はオリハルコン製で統一しているんだ。当然、シルヴィの剣もオリハルコン製だ」
「な、なんだとっ!? オリハルコン!?」
ミルキーが驚愕の声を上げる。
「あ、あの希少の素材で作られた武具だと……?」
「ああ、そうだ」
「そ、それを、パーティ全員が使っているのか?」
「まあ、そういうことだ」
「はぇ~……」
ミルキーが呆けた顔をする。
「いや、すまん。まさか、そこまでのパーティとは思わなかったぜ。Bランクパーティってのは凄えんだな」
「まあ、ちょっとしたツテがあってな」
このあたりでオリハルコンを入手しようとする場合は、エルカ迷宮の1階層のボスを周回する必要がある。
ボスとはいえ1階層なのでそこまで強敵ではないのだが、何せドロップ率が低い。
普通の冒険者がオリハルコンを狙って入手するのは難しい。
俺の場合は『レアドロップ率上昇』があったことと、ミッションの報酬がオリハルコンそのものだったのでまとまった量を入手できたのだ。
ああ、ミナの『鉱石類ドロップ率上昇』もあったな。
「せっかく作ってやろうと思ったのによぉ。オリハルコンの武器は、さすがに無理だぜ。材料がねえからな」
ミルキーは申し訳なさそうな顔で言う。
「いや、いいよ。こっちも急に押しかけたわけだしな」
「……コウタくん」
ミナが話しかけてくる。
「どうした?」
「オリハルコンですが、エルカ迷宮をまた周回してみるのはどうなのです?」
「エルカ迷宮を?」
「はいなのです。今のボクたちなら、以前よりも楽に攻略できるはずなのです」
「うーん……」
俺は少し考える。
確かに、ミナが言うことにも一理ある。
以前よりも楽な戦闘でオリハルコンを確保し、新加入したエメラダの装備を整える。
そして、次の街へ。
流れとしては悪くない。
だが……。
「お目当ての量のオリハルコンを確保するまで、どれくらいかかるか不透明だな……。それに、今さらゴーレムを周回しても大した経験にはならないだろうし……」
以前よりも周回速度が上がっていることは確実だろう。
当時は俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンの5人パーティだった。
今は、ティータ、ローズ、グレイス、そしてエメラダが加わった。
9人パーティだ。
ゴーレムなんざフルボッコにできる。
高速で周回すれば、その分オリハルコンを入手する速度も速まる。
だが、一度の戦闘あたりにオリハルコンがドロップする確率自体は以前と変わっていない。
俺の『レアドロップ率上昇』スキルと、ミナの『鉱石類ドロップ率上昇』の恩恵は引き続きあるが、それだけだ。
「そうですか……。残念なのです……」
ミナがしゅんとする。
「いや、諦めるのはまだ早いよ」
「どういうことだ? ユヅキ」
ユヅキには考えがあるようだ。
聞いてみることにしよう。
木刀を持ってもらったが、これでもエメラダにとっては重いようだ。
「金属製なら、その木刀よりも軽くなんてできねえぜ」
ミルキーがそう指摘する。
「特別な金属を使えばそうでもないだろう? 言ってなかったが、俺たち『悠久の風』が使っている武器はオリハルコン製で統一しているんだ。当然、シルヴィの剣もオリハルコン製だ」
「な、なんだとっ!? オリハルコン!?」
ミルキーが驚愕の声を上げる。
「あ、あの希少の素材で作られた武具だと……?」
「ああ、そうだ」
「そ、それを、パーティ全員が使っているのか?」
「まあ、そういうことだ」
「はぇ~……」
ミルキーが呆けた顔をする。
「いや、すまん。まさか、そこまでのパーティとは思わなかったぜ。Bランクパーティってのは凄えんだな」
「まあ、ちょっとしたツテがあってな」
このあたりでオリハルコンを入手しようとする場合は、エルカ迷宮の1階層のボスを周回する必要がある。
ボスとはいえ1階層なのでそこまで強敵ではないのだが、何せドロップ率が低い。
普通の冒険者がオリハルコンを狙って入手するのは難しい。
俺の場合は『レアドロップ率上昇』があったことと、ミッションの報酬がオリハルコンそのものだったのでまとまった量を入手できたのだ。
ああ、ミナの『鉱石類ドロップ率上昇』もあったな。
「せっかく作ってやろうと思ったのによぉ。オリハルコンの武器は、さすがに無理だぜ。材料がねえからな」
ミルキーは申し訳なさそうな顔で言う。
「いや、いいよ。こっちも急に押しかけたわけだしな」
「……コウタくん」
ミナが話しかけてくる。
「どうした?」
「オリハルコンですが、エルカ迷宮をまた周回してみるのはどうなのです?」
「エルカ迷宮を?」
「はいなのです。今のボクたちなら、以前よりも楽に攻略できるはずなのです」
「うーん……」
俺は少し考える。
確かに、ミナが言うことにも一理ある。
以前よりも楽な戦闘でオリハルコンを確保し、新加入したエメラダの装備を整える。
そして、次の街へ。
流れとしては悪くない。
だが……。
「お目当ての量のオリハルコンを確保するまで、どれくらいかかるか不透明だな……。それに、今さらゴーレムを周回しても大した経験にはならないだろうし……」
以前よりも周回速度が上がっていることは確実だろう。
当時は俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンの5人パーティだった。
今は、ティータ、ローズ、グレイス、そしてエメラダが加わった。
9人パーティだ。
ゴーレムなんざフルボッコにできる。
高速で周回すれば、その分オリハルコンを入手する速度も速まる。
だが、一度の戦闘あたりにオリハルコンがドロップする確率自体は以前と変わっていない。
俺の『レアドロップ率上昇』スキルと、ミナの『鉱石類ドロップ率上昇』の恩恵は引き続きあるが、それだけだ。
「そうですか……。残念なのです……」
ミナがしゅんとする。
「いや、諦めるのはまだ早いよ」
「どういうことだ? ユヅキ」
ユヅキには考えがあるようだ。
聞いてみることにしよう。
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