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第5章
273話 エメラダとの再会
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俺は奴隷商館の奥に足を踏み入れた。
「ようこそいらっしゃいました」
「……」
出迎えたのは40代くらいの男だ。
物腰は丁寧だが、どこか怪しい表情をしている。
「私が店長です。何かご用でしょうか?」
「俺はコウタという者だ。ここ1か月以内に仕入れた新鮮な奴隷が欲しい」
単刀直入に言うなら、『エメラダという名前の奴隷がいないか確認したい』だ。
しかしその場合は、俺がエメラダに固執していることがバレてしまう。
ここはそれとなく探ることにした。
「それはつまり、買っていただけると?」
「ああ。……もちろん、俺の目にかなうような奴がいればの話だけどな」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
男は奥の部屋に入っていった。
しばらくすると、一人の女性を連れて戻ってくる。
年齢は10代後半。
顔立ちは整っており、スタイルもいい。
美人と言って差し支えない容姿だ。
「こちらが今朝方仕入れた商品になります。名前はエメラダ。ジョブは『調合士』でございます」
「ほう……。なかなかいいじゃないか」
ビンゴだ。
やはり、エメラダはここに奴隷として売られてしまっていたようだ。
彼女はうつむいていたが、ふと視線を上げた。
「あっ……」
彼女が驚きの声を漏らす。
が、すかさず店長がそれを遮った。
「許可なく口を開くな!」
パシンッ!
「あうっ……」
尻を小さなムチで叩かれたエメラダはその場に倒れ込む。
「おいおい……。客の前でそういうことをするのは感心しないぞ?」
「これは失礼いたしました。なにせまだ調教が済んでおりませんもので」
「なるほどな。……ちなみにいくらだ?」
「そうですな。こやつは処女ですし、『調合士』のジョブは少し珍しい。”これぐらい”は……」
男は指を立てる。
なるほど……。
かなりの金額だな。
白狼族のシルヴィに引けを取らない。
俺たち『悠久の風』のパーティ資金は潤沢なので、払うことはできる。
だが、俺個人の資金だけでは足りないぐらいの金額だ。
(さて、どうするか……)
選択肢は4つ考えられる。
1つは、俺の戦闘能力を活かして強奪することだ。
しかし、その場合は俺はお尋ね者になってしまう可能性が高い。
路地裏でチンピラをボコボコにしたぐらいであれば、ただのケンカとして見逃されることも多い。
だが、奴隷商館から高価な奴隷を強奪すれば、さすがに衛兵が飛んでくるだろう。
2つ目は、とりあえず出直すことだ。
『悠久の風』として堅実に行くなら、これが有力である。
きちんとシルヴィやユヅキと相談して方針を決めるべきだろう。
しかしこの場合は、モタモタしている間にエメラダが他の者に買われたり、他の町に移送されてしまうリスクがある。
3つ目の案は、今回提示された値段で購入することだ。
これなら、すぐにでもエメラダを買うことができる。
しかしその場合、ミナやリンに無断でパーティ資金に手を付けることになる。
彼女たちからの信頼を失ってしまうかもしれない。
あと少しだけ安ければ、俺個人の資金で購入が可能なのだが……。
そういうわけで、4つ目の案が最も現実的な案となるだろう。
その案とは……。
「ようこそいらっしゃいました」
「……」
出迎えたのは40代くらいの男だ。
物腰は丁寧だが、どこか怪しい表情をしている。
「私が店長です。何かご用でしょうか?」
「俺はコウタという者だ。ここ1か月以内に仕入れた新鮮な奴隷が欲しい」
単刀直入に言うなら、『エメラダという名前の奴隷がいないか確認したい』だ。
しかしその場合は、俺がエメラダに固執していることがバレてしまう。
ここはそれとなく探ることにした。
「それはつまり、買っていただけると?」
「ああ。……もちろん、俺の目にかなうような奴がいればの話だけどな」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
男は奥の部屋に入っていった。
しばらくすると、一人の女性を連れて戻ってくる。
年齢は10代後半。
顔立ちは整っており、スタイルもいい。
美人と言って差し支えない容姿だ。
「こちらが今朝方仕入れた商品になります。名前はエメラダ。ジョブは『調合士』でございます」
「ほう……。なかなかいいじゃないか」
ビンゴだ。
やはり、エメラダはここに奴隷として売られてしまっていたようだ。
彼女はうつむいていたが、ふと視線を上げた。
「あっ……」
彼女が驚きの声を漏らす。
が、すかさず店長がそれを遮った。
「許可なく口を開くな!」
パシンッ!
「あうっ……」
尻を小さなムチで叩かれたエメラダはその場に倒れ込む。
「おいおい……。客の前でそういうことをするのは感心しないぞ?」
「これは失礼いたしました。なにせまだ調教が済んでおりませんもので」
「なるほどな。……ちなみにいくらだ?」
「そうですな。こやつは処女ですし、『調合士』のジョブは少し珍しい。”これぐらい”は……」
男は指を立てる。
なるほど……。
かなりの金額だな。
白狼族のシルヴィに引けを取らない。
俺たち『悠久の風』のパーティ資金は潤沢なので、払うことはできる。
だが、俺個人の資金だけでは足りないぐらいの金額だ。
(さて、どうするか……)
選択肢は4つ考えられる。
1つは、俺の戦闘能力を活かして強奪することだ。
しかし、その場合は俺はお尋ね者になってしまう可能性が高い。
路地裏でチンピラをボコボコにしたぐらいであれば、ただのケンカとして見逃されることも多い。
だが、奴隷商館から高価な奴隷を強奪すれば、さすがに衛兵が飛んでくるだろう。
2つ目は、とりあえず出直すことだ。
『悠久の風』として堅実に行くなら、これが有力である。
きちんとシルヴィやユヅキと相談して方針を決めるべきだろう。
しかしこの場合は、モタモタしている間にエメラダが他の者に買われたり、他の町に移送されてしまうリスクがある。
3つ目の案は、今回提示された値段で購入することだ。
これなら、すぐにでもエメラダを買うことができる。
しかしその場合、ミナやリンに無断でパーティ資金に手を付けることになる。
彼女たちからの信頼を失ってしまうかもしれない。
あと少しだけ安ければ、俺個人の資金で購入が可能なのだが……。
そういうわけで、4つ目の案が最も現実的な案となるだろう。
その案とは……。
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