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第5章
241話 黒狼団の引き渡し
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アルフヘイムの隣町の冒険者ギルドにやって来た。
黒狼団を捕らえたことを報告したところ、受付嬢がギルドマスターを呼んでくれたところだ。
「おお! 君たちが黒狼団を捕まえてくれたのか!」
「ああ。ま、俺たちはBランクパーティ『悠久の風』だからな。当然だ」
「なるほど……。あの新進気鋭のパーティか。ということは、君がコウタ君だね?」
「その通り。俺がコウタだ」
「私はここのギルドマスターを務めている者だ。よろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしく」
俺は差し出された手を握る。
「それで、黒狼団についてだが。奴らはこの町の近くを拠点に活動していたんだ。この町にもこれまでに大きな被害が出ている。感謝してもしきれないくらいだよ」
「そうなのか。それはよかった」
「ああ。無事に生け捕りにしてくれたので、尋問すればアジトの場所もわかるだろう」
「存分に尋問して、情報を引き出してくれ。それじゃ、さっそく報奨金を用意してもらえるかな」
俺はギルドカードを取り出した。
「わかった。すぐに賞金首の奴らを照会して、用意させよう」
ギルドマスターの指示の下、職員たちが手配書との照合を進めていく。
「ふむ。頭領カイゼルの他、幹部クラスも揃っているな。……よし、連れていけ!」
ギルマスが職員にそう指示を出す。
黒狼団の面々が、ギルド職員によって連れ出されていく。
衛兵に引き渡すのだろう。
俺はそれを満足した表情で眺める。
そしてギルマスはカウンターの奥に入ると、お金の入った袋を持って戻ってきた。
「これが黒狼団の報奨金だ。主に頭領カイゼルの懸賞金だが、それ以外の幹部メンバーにも賞金が掛かっている。合わせて金貨100枚以上になる」
俺は大金が入った袋を受け取る。
「ありがとう。助かるよ」
「いやいや。町の平和を守ってくれたことへの報酬なんだから、気にしないでくれ」
「そうか。なら遠慮なく貰っておく」
これで、『悠久の風』の資産は一気に増えたことになる。
今後、ますます活躍できるだろう。
「ところで、グレイという少年は知らんか? 頭領のお気に入りだったらしいのだか、先ほど引き渡してくれた奴らの中にはいなかったようだ」
ギルマスが言っているのは、間違いなくグレイスのことだろう。
実際には少年ではなく少女だが。
「グレイ? ……はて、聞いたことがない名前だな」
俺はとぼける。
グレイスは俺の女にしたことだし、みすみす町に引き渡す必要はない。
「そうか。知らないのであればいい」
「力になれなくて申し訳ないな」
「いや、構わないさ。頭領や幹部メンバーは全員捕らえることができたんだ。それだけでも十分すぎる成果といえる。構成員が多少生き延びたところで、大したことはできないだろう」
「そう言ってくれるとありがたい」
「それにしても、まさか黒狼団を1パーティが壊滅させるとはな。ランク査定にも大きな影響があるぞ」
「期待しておく。さっそく上がりそうか?」
俺はギルマスにそう問う。
「いや、魔物の討伐とは違い、盗賊団の捕縛に対する功績の査定は多少の時間がかかる」
「そうなのか」
このあたりは、MSCとは異なる点だな。
「他の町に移動する予定があるのか? 別に移動してくれてもいいぞ。功績は他のギルドとももちろん共有するからな」
「分かった。そうさせてもらおう」
俺たち『悠久の風』のランクアップ報告を聞くのは、エルカの町でになりそうだ。
それはそれとして……。
「黒狼団の話はこれぐらいか? 続いて、このギルドで処理しておきたいことがある」
俺は話を切り上げ、別の話題へと持っていったのだった。
黒狼団を捕らえたことを報告したところ、受付嬢がギルドマスターを呼んでくれたところだ。
「おお! 君たちが黒狼団を捕まえてくれたのか!」
「ああ。ま、俺たちはBランクパーティ『悠久の風』だからな。当然だ」
「なるほど……。あの新進気鋭のパーティか。ということは、君がコウタ君だね?」
「その通り。俺がコウタだ」
「私はここのギルドマスターを務めている者だ。よろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしく」
俺は差し出された手を握る。
「それで、黒狼団についてだが。奴らはこの町の近くを拠点に活動していたんだ。この町にもこれまでに大きな被害が出ている。感謝してもしきれないくらいだよ」
「そうなのか。それはよかった」
「ああ。無事に生け捕りにしてくれたので、尋問すればアジトの場所もわかるだろう」
「存分に尋問して、情報を引き出してくれ。それじゃ、さっそく報奨金を用意してもらえるかな」
俺はギルドカードを取り出した。
「わかった。すぐに賞金首の奴らを照会して、用意させよう」
ギルドマスターの指示の下、職員たちが手配書との照合を進めていく。
「ふむ。頭領カイゼルの他、幹部クラスも揃っているな。……よし、連れていけ!」
ギルマスが職員にそう指示を出す。
黒狼団の面々が、ギルド職員によって連れ出されていく。
衛兵に引き渡すのだろう。
俺はそれを満足した表情で眺める。
そしてギルマスはカウンターの奥に入ると、お金の入った袋を持って戻ってきた。
「これが黒狼団の報奨金だ。主に頭領カイゼルの懸賞金だが、それ以外の幹部メンバーにも賞金が掛かっている。合わせて金貨100枚以上になる」
俺は大金が入った袋を受け取る。
「ありがとう。助かるよ」
「いやいや。町の平和を守ってくれたことへの報酬なんだから、気にしないでくれ」
「そうか。なら遠慮なく貰っておく」
これで、『悠久の風』の資産は一気に増えたことになる。
今後、ますます活躍できるだろう。
「ところで、グレイという少年は知らんか? 頭領のお気に入りだったらしいのだか、先ほど引き渡してくれた奴らの中にはいなかったようだ」
ギルマスが言っているのは、間違いなくグレイスのことだろう。
実際には少年ではなく少女だが。
「グレイ? ……はて、聞いたことがない名前だな」
俺はとぼける。
グレイスは俺の女にしたことだし、みすみす町に引き渡す必要はない。
「そうか。知らないのであればいい」
「力になれなくて申し訳ないな」
「いや、構わないさ。頭領や幹部メンバーは全員捕らえることができたんだ。それだけでも十分すぎる成果といえる。構成員が多少生き延びたところで、大したことはできないだろう」
「そう言ってくれるとありがたい」
「それにしても、まさか黒狼団を1パーティが壊滅させるとはな。ランク査定にも大きな影響があるぞ」
「期待しておく。さっそく上がりそうか?」
俺はギルマスにそう問う。
「いや、魔物の討伐とは違い、盗賊団の捕縛に対する功績の査定は多少の時間がかかる」
「そうなのか」
このあたりは、MSCとは異なる点だな。
「他の町に移動する予定があるのか? 別に移動してくれてもいいぞ。功績は他のギルドとももちろん共有するからな」
「分かった。そうさせてもらおう」
俺たち『悠久の風』のランクアップ報告を聞くのは、エルカの町でになりそうだ。
それはそれとして……。
「黒狼団の話はこれぐらいか? 続いて、このギルドで処理しておきたいことがある」
俺は話を切り上げ、別の話題へと持っていったのだった。
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