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第4章 エルフの里アルフヘイム

219話 激突! 黒狼団!!

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 ついに黒狼団が攻めてきた。
 まずは罠を作動させ、50人の内の10人以上へ一定以上のダメージを与えた。
 このまま魔法や近接攻撃で畳み掛けるのもいいが、その前に精神的なダメージも与えておこう。

「くくく。黒狼団よ。こいつに見覚えはないか?」

 俺はそう言って、グレイスを抱き寄せる。

「おお……。グレイス! お前のおかげでアルフヘイムの場所を特定できた! だが、これは一体どういうことだ!?」

「……カイゼル親分。ごめん……」

 グレイスが泣きながら謝る。
 やはりこの男が黒狼団のリーダーであるカイゼルらしい。

「俺は裏切ったんだ。黒狼団を」

「な、なにぃ!?」

「アルフヘイムに潜入したまでは良かったけど、途中で見つかってしまって……。でも、命だけは見逃す代わりに、何でも言うことをきくという約束をしたんだ……」

「それで俺たちの情報を漏らしたのか! このクソ女がぁ! おかげで計画が台無しじゃねえか!!」

 カイゼルが激高する。

「だって……仕方ないじゃないか……」

 グレイスは目に涙を浮かべている。

「……まあいい。こうなったら力づくで奪うまでだ。グレイスも、エルフの女共もな! 野郎共! 手加減は無用だ。全力で男共を潰せ!!」

「「「おおおおおっ!!!」」」

 黒狼団のメンバーたちが雄叫びを上げる。
 こうして、黒狼団との決戦が始まったのだった。

 黒狼団との戦いは激しいものとなるだろう。
 だが、悲観することはない。
 肉弾戦闘員の数は向こうの方が上だが、こちらは質では負けていないからな。
 俺、ユヅキ、ミナ、リンが主体となって近接戦を仕掛けていく。

「【ジャッジメントソード】!」

「ぐあっ!」

 俺の上級ジョブ『剣豪』のスキルで、盗賊の一人を斬り伏せる。
 さらに……。

「おらあああ! 【裂空脚】!」

「ぶへっ!?」

 今度は別の男に回し蹴りを食らわせ、木に叩きつける。
 ファーストジョブは『風魔導師』だが、『英雄』『剣豪』『格闘王』など戦闘系の上位ジョブを多く習得している。
 そのため、接近戦での戦闘もかなり強い。

「ご主人様! すごいです!!」

「さすがはコウタくんなのです」

「コウタっち、カッコいいぜ!」

 シルヴィ、ミナ、リンがそれぞれ称賛の声を上げる。
 彼女たちも俺に続いて戦う。
 その実力はかなりのものだ。

「くうっ……。何なんだこいつらは……」

「Bランク……いや、Aランクパーティ並みじゃないか? こんなのがいるなんて聞いてねえ!」

「強すぎる……。特にこのコウタって奴は……」

「ひいっ……。化け物め……」

 黒狼団のメンバーが次々と倒れていく。

「くそぉ……。こんなはずじゃなかったのに……。ザードの奴め、アルフヘイムの戦力を過小評価してやがったな……」

 カイゼルは、悔しそうな表情で何やら呟いている。
 俺は彼に語りかける。

「おい、お前。降参するなら今のうちだぞ?」

「ふざけるな! 誰がそんなもんするかよ!」

 カイゼルが怒鳴り散らす。
 明確に向こうが劣勢なのだが、冷静な判断ができないようだ。

 目の前でグレイスという女を奪われてしまえば、そうなるか。
 ある意味、狙い通りではある。
 こうなると、もう止まらない。

「こうなりゃ奥の手だ!」

 奴は懐から角笛を取り出した。

「出てきやがれ!!」

 ブオオオォ!!!
 カイゼルが吹いた角笛の音色が大きく響き渡る。
 あの角笛は……。
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