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第4章 エルフの里アルフヘイム
213話 長老たちとの情報共有
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盗賊の少女グレイスの尋問を終えた。
彼女は黒狼団という盗賊団の一員だ。
この里に対して奴隷狩りを行う計画があったらしい。
「よし。グレイスから引き出した情報をもとに、対策を練るとするか。グレイスはしばらく拘束したままにしておけ」
「……わかった。ティータに任せておいて……」
「コウタくんがいない間にも、新たな情報を引き出しておくのです」
「へへっ! 女と分かれば、攻めようはある」
「ああ、よろしく頼む」
俺はそう言うと、その場を後にする。
これから忙しくなるぜ。
まずは、長老やエルドレッドに会いに行くとするかな。
俺はそう思い、地下牢を後にしたのだった。
「なるほど。そのようなことが……」
「この里を襲おうだとはな。実に愚かな奴らめ!」
俺はグレイスから聞き出した話を長老とエルドレッドに伝えた。
二人は怒りを露わにする。
「それで、どうする?」
俺は尋ねた。
「当然、報いは受けてもらう。盗賊団は皆殺しだ」
エルドレッドが答える。
「私も同じ考えじゃな。ただ、一つ気になることがある……」
「なんだ? なんでも言ってくれ」
「実は、今回の件に関して、黒幕がいるような気がするのじゃ」
「黒幕?」
「ああ。そこらの盗賊団に落とせるほどこの里は弱くない。それぐらいは奴らも理解しているじゃろう。裏で糸を引いている者がいるはずなんじゃ」
「確かにそうだな」
俺は相槌を打つ。
「そいつが誰かわかればよいのじゃが……」
「いや、それは難しいだろう。それに、俺たちだけで手を出すのも危険だ。もっと戦力を整えてからだな」
俺はそう提案し、二人とも納得してくれた。
「では、わしらは早速動くことにしよう。コウタ殿は、引き続きグレイスとやらの尋問を続けてくれぬか。そして、わしらと力を合わせて盗賊団を迎撃してくれると助かる」
「いいだろう。くれぐれも気をつけて行動するように」
「うむ」
「任せておけ!」
こうして、俺は長老やエルドレッドは別れることとなった。
黒狼団と戦いになったとして、主戦力は俺たち『悠久の風』になるだろう。
だが、里のエルフたちも一定程度の戦力にはなるはずだ。
「さてと、みんなのところに戻るか。新たな情報は引き出せているかな?」
俺はそんなことを考えつつ、シルヴィたちのところへと向かうことにした。
そして、地下牢まで戻ってきた。
「ああっ! イクッ! イクゥウウッ!!」
「ほらほら! 休ませねえぜ!」
「ああっ! 壊れるぅううっ!!」
「人間はこれぐらいでは壊れないのです!」
中からは、悲鳴のような声が聞こえてくる。
ずいぶんと激しい責めを行っているようだな。
俺は苦笑しつつ、扉を開いたのだった。
彼女は黒狼団という盗賊団の一員だ。
この里に対して奴隷狩りを行う計画があったらしい。
「よし。グレイスから引き出した情報をもとに、対策を練るとするか。グレイスはしばらく拘束したままにしておけ」
「……わかった。ティータに任せておいて……」
「コウタくんがいない間にも、新たな情報を引き出しておくのです」
「へへっ! 女と分かれば、攻めようはある」
「ああ、よろしく頼む」
俺はそう言うと、その場を後にする。
これから忙しくなるぜ。
まずは、長老やエルドレッドに会いに行くとするかな。
俺はそう思い、地下牢を後にしたのだった。
「なるほど。そのようなことが……」
「この里を襲おうだとはな。実に愚かな奴らめ!」
俺はグレイスから聞き出した話を長老とエルドレッドに伝えた。
二人は怒りを露わにする。
「それで、どうする?」
俺は尋ねた。
「当然、報いは受けてもらう。盗賊団は皆殺しだ」
エルドレッドが答える。
「私も同じ考えじゃな。ただ、一つ気になることがある……」
「なんだ? なんでも言ってくれ」
「実は、今回の件に関して、黒幕がいるような気がするのじゃ」
「黒幕?」
「ああ。そこらの盗賊団に落とせるほどこの里は弱くない。それぐらいは奴らも理解しているじゃろう。裏で糸を引いている者がいるはずなんじゃ」
「確かにそうだな」
俺は相槌を打つ。
「そいつが誰かわかればよいのじゃが……」
「いや、それは難しいだろう。それに、俺たちだけで手を出すのも危険だ。もっと戦力を整えてからだな」
俺はそう提案し、二人とも納得してくれた。
「では、わしらは早速動くことにしよう。コウタ殿は、引き続きグレイスとやらの尋問を続けてくれぬか。そして、わしらと力を合わせて盗賊団を迎撃してくれると助かる」
「いいだろう。くれぐれも気をつけて行動するように」
「うむ」
「任せておけ!」
こうして、俺は長老やエルドレッドは別れることとなった。
黒狼団と戦いになったとして、主戦力は俺たち『悠久の風』になるだろう。
だが、里のエルフたちも一定程度の戦力にはなるはずだ。
「さてと、みんなのところに戻るか。新たな情報は引き出せているかな?」
俺はそんなことを考えつつ、シルヴィたちのところへと向かうことにした。
そして、地下牢まで戻ってきた。
「ああっ! イクッ! イクゥウウッ!!」
「ほらほら! 休ませねえぜ!」
「ああっ! 壊れるぅううっ!!」
「人間はこれぐらいでは壊れないのです!」
中からは、悲鳴のような声が聞こえてくる。
ずいぶんと激しい責めを行っているようだな。
俺は苦笑しつつ、扉を開いたのだった。
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