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第4章 エルフの里アルフヘイム

195話 vs女エルフたち

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 エルフの神聖な湖で楽しんでいたところを、エルフに目撃されてしまった。
 何とか言い訳をしないとマズい。

「ま、まお落ち着け。俺たちは水浴びをしていただけだ」

 俺はなるべく穏やかな口調で言う。
 しかし、相手はかなり怒っている様子だ。

「嘘をつけ! 我に汚らわしいものを掛けおって!」

 女性は手に持っていた槍を構えた。
 髪の毛は水分を含み、額に張り付いている。
 あれはローズの潮だ。

「わ、悪いとは思っているんだが。俺たちにも事情があってだな」

「問答無用! このピュセルが成敗してくれるわ!」

 女性がそう言ってこちらに向かってくる。
 このピュセルという女エルフがリーダー格らしい。
 背後には他のエルフも数人いる。

「ちっ。仕方ないな……。みんな、やるぞ!」

 俺はそう声を掛ける。
 しかし……。

「ちょ、ちょっと待つのです。まだ服が……」

「ご主人様以外にわたしの裸を見せるわけにはいきません……」

 ミナとシルヴィがそう言う。
 ユヅキやリンも同じく全裸だ。

「そんなこと言ってる場合か! ……と言いたいところだが、仕方ないな。ここは俺に任せろ!」

 俺はそう言い残して相手の方へ走る。
 そのまま飛び蹴りを放った。

「ぐふぉっ!?」

 ピュセルが吹っ飛ぶ。

「うわ……。容赦ないね」

「コウタっちが女に手を出すことなんかあるんだな……」

 ユヅキとリンの驚く声が聞こえてきた。
 確かに、俺は女性に甘い。
 『俺は死んでも女は蹴らん』と言えればカッコいいのだが、さすがにそこまでの覚悟や信念はない。

 この緊迫した場面で俺が日和っていれば、シルヴィやユヅキたちに危害が加えられるかもしれない。
 何よりも優先すべきは、俺のハーレムメンバーたちなのだ。
 その他の女性の優先度は少し落ちる。

「くっ……。いきなりとは卑怯者め! 全員で掛かるのだ!」

 ピュセルが鼻を押さえながら叫ぶ。
 すると、後方に控えていた他の女エルフたちが一斉に襲い掛かってきた。

「「はあっ!」」

 ギンッ!
 ギンッ!
 ギンッ!
 俺は向かってきた女エルフたちの攻撃を剣で弾いて防いだ。

「このっ!」

 相手が何とか俺に攻撃を当てようとするが、当たらない。
 実力は明確に俺の方が上だ。
 俺は相手の懐に入り込み、腹部に拳を叩き込む。
 さらに、よろけたところを足払いした。

「きゃっ!」

 一人のエルフが転ぶ。
 軽く追撃して、戦闘不能に追い込んでおく。
 よしよし。
 これで残りは3人か。

「は、速い……。まるで獣のような動きだ」

「俺に勝てると思わないことだな。降参するなら今のうちだぞ?」

 俺は余裕の表情で言った。

「くっ……。誇り高き我らが降参など……」

 ピュセルがそう言う。

「ふん。俺が手加減していたことを理解していないようだな。俺が肉体ではなく剣で攻撃していたら、今頃お前たちは屍となっていただろう」

 俺は大げさに腕を振るった。

「「「…………」」」

 女エルフたち全員が黙り込んだ。

「さあ、どうする? 大人しく引き下がるか?」

「……いや、我々は退かん!」

 ピュセルが叫んだ。

「いいだろう。ならば、まずはこいつを見せしめとする」

 俺はそう言って、倒れ込んでいる女エルフの元に向かう。
 先ほどのダメージが大きかったのか、立ち上がる元気はなさそうだ。
 ミナやリンたちの身の安全のためとはいえ、俺には女をいたぶる趣味はない。
 早めに音を上げてくれるといいのだがな……。
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