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第3章 武の名地テツザンへ
115話 テツザンへの道中 新たなミッション
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ユーヤやアーノルドと再会した翌々日になった。
俺たち一行は、さっそくテツザンに向けて出発した。
移動手段は馬車だ。
みんなで金を出し合い、移動先を指定して貸し切りとした。
「ふう。のどかな光景だな……」
俺は馬車に揺られながらそうつぶやく。
周囲には、畑や牧草地が広がっている。
牛や羊といった家畜の姿もちらほらと見える。
「平和そのものですねー」
隣に座っているシルヴィがそう言う。
「おいおい、油断しすぎるなよ。魔物が突然発生することもあるからな」
アーノルドがそう警告する。
MSCにおいて、魔物は町の外でランダムでポップする仕様だった。
この世界でも似たようなイメージなのだろう。
「まあ、人の近くにいきなり発生することはないと言われているし、よほど油断しない限りは大丈夫だがな。ギャハハハハ!」
レオンがそう言う。
やはり、MSCと同仕様で間違いなさそうだ。
人の近くほど、魔物はポップしずらくなる。
数メートル以内は絶対にポップしないし、数十~数百メートル以内でのポップ頻度も低い。
そういった事情もあり、この広大な世界でも人はわざわざ集落を作ってせせこましく生活をしているのだろう。
俺がそんなことを考えているとき——。
ミッション
ジョブを10種取得せよ。
報酬:サードジョブ枠の開放
ミッション
『悠久の風』のパーティ人数を7人にせよ。
報酬:レアドロップ率上昇
突然、新しいミッションが追加された。
なぜこのタイミングで?
考えられるのは……。
エルカの町から一定以上離れた、とかか?
まあ、ミッションが追加される条件自体はさほど重要ではない。
見るべきは、その内容と報酬だ。
「ほう。これは……!」
俺は思わずそうつぶやく。
「ご主人様。どうか致しましたか?」
「ああ、いや……」
『悠久の風』のみんなには、今回与えられたミッションの内容や報酬を伝えてもいいだろう。
『ジョブ設定』や『魔石蓄積ブースト』などのスキルも伝達済みだしな。
しかし、ユーヤやアーノルドは別だ。
彼らはもちろん悪人ではないし信頼もできるが、さすがにミッションやチートスキルを伝えるには時期尚早だろう。
「(聞こえるか、みんな……。今俺は、みんなの脳内に直接話しかけている……)」
こういうときに便利なのが『念話』だ。
MSCにおいて、システム上のパーティを組んでいる者同士だけが脳内で会話できるスキルである。
ただし、一定期間内における使用上限が定まっているため、日常会話では使わない。
「(コウタ? 念話なんて使って、どうしたの?)」
「(たった今、新たなミッションが追加された。内容は…………)」
俺はミッション内容や報酬を説明していく。
俺たち一行は、さっそくテツザンに向けて出発した。
移動手段は馬車だ。
みんなで金を出し合い、移動先を指定して貸し切りとした。
「ふう。のどかな光景だな……」
俺は馬車に揺られながらそうつぶやく。
周囲には、畑や牧草地が広がっている。
牛や羊といった家畜の姿もちらほらと見える。
「平和そのものですねー」
隣に座っているシルヴィがそう言う。
「おいおい、油断しすぎるなよ。魔物が突然発生することもあるからな」
アーノルドがそう警告する。
MSCにおいて、魔物は町の外でランダムでポップする仕様だった。
この世界でも似たようなイメージなのだろう。
「まあ、人の近くにいきなり発生することはないと言われているし、よほど油断しない限りは大丈夫だがな。ギャハハハハ!」
レオンがそう言う。
やはり、MSCと同仕様で間違いなさそうだ。
人の近くほど、魔物はポップしずらくなる。
数メートル以内は絶対にポップしないし、数十~数百メートル以内でのポップ頻度も低い。
そういった事情もあり、この広大な世界でも人はわざわざ集落を作ってせせこましく生活をしているのだろう。
俺がそんなことを考えているとき——。
ミッション
ジョブを10種取得せよ。
報酬:サードジョブ枠の開放
ミッション
『悠久の風』のパーティ人数を7人にせよ。
報酬:レアドロップ率上昇
突然、新しいミッションが追加された。
なぜこのタイミングで?
考えられるのは……。
エルカの町から一定以上離れた、とかか?
まあ、ミッションが追加される条件自体はさほど重要ではない。
見るべきは、その内容と報酬だ。
「ほう。これは……!」
俺は思わずそうつぶやく。
「ご主人様。どうか致しましたか?」
「ああ、いや……」
『悠久の風』のみんなには、今回与えられたミッションの内容や報酬を伝えてもいいだろう。
『ジョブ設定』や『魔石蓄積ブースト』などのスキルも伝達済みだしな。
しかし、ユーヤやアーノルドは別だ。
彼らはもちろん悪人ではないし信頼もできるが、さすがにミッションやチートスキルを伝えるには時期尚早だろう。
「(聞こえるか、みんな……。今俺は、みんなの脳内に直接話しかけている……)」
こういうときに便利なのが『念話』だ。
MSCにおいて、システム上のパーティを組んでいる者同士だけが脳内で会話できるスキルである。
ただし、一定期間内における使用上限が定まっているため、日常会話では使わない。
「(コウタ? 念話なんて使って、どうしたの?)」
「(たった今、新たなミッションが追加された。内容は…………)」
俺はミッション内容や報酬を説明していく。
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