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第3章 武の名地テツザンへ

111話 最新ステータス リン

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 みんなの最新ステータスを再確認しているところだ。
 俺、シルヴィ、ユヅキ、リンの確認は終えた。
 最後に、リンのステータスに目を通す。


リン
種族:金兎族
ファーストジョブ:料理人レベル24
セカンドジョブ:獣闘士レベル20
控えジョブ:雷魔法使いレベル3
HP:D(00/05)
MP:E(04/05)
闘気:D(00/05)
腕力:E(03/05)
脚力:C(07/10)
器用:C(00/10)

アクティブスキル:
『獣闘士』裂空脚、砲撃連拳

パッシブスキル:
『料理人』パーティメンバー腹減り低下、斬耐性強化、肉類ドロップ率上昇、器用強化
『獣闘士』脚力強化


 リンは『獣闘士』がレベル20に達し、節目を迎えた。
 新たなに得たパッシブスキルは『パーティメンバー肉体攻撃力上昇』だ。
 しかし、獣闘士は控えジョブに設定しているため、パーティメンバーに影響を及ぼすタイプのパッシブスキルは無効となっている。

「獣闘士のパッシブスキルは有用だろうか?」

「ミナっちと同じだな。1回、試してみようぜ」

「そうだな」

 リンの言葉に従い、俺は彼女のファーストジョブに『獣闘士』を設定する。

「よし。変更したぞ」

 俺はそう言う。
 リンがゴブリンを見つけ、油断なく近づいていく。

「逞しき武の神よ。我が肉体に奇跡を与え給え。裂ける一撃。裂空脚!」

 ズドン!
 リンの鋭い回し蹴りがゴブリンにクリーンヒットする。
 やつは一撃で死に至った。

「素晴らしい攻撃だ」

「おう。パッシブスキルのおかげで、いつもよりもひと回り威力が上がっている気がするぜ。悪くねえな」

「どうする? ファーストジョブを入れ替えておくか?」

「うーん……。あたいの本職は料理人だし、入れ替えはなしにしておくぜ」

 料理人は料理人で、『パーティメンバー腹減り低下』という便利で不可思議なパッシブスキルがある。
 彼女自身の希望もあるし、ファーストジョブは料理人にすることにしよう。

「わかった。……ところで、雷魔法ももう一度見せてもらえるか?」

 まあ俺も使えるのだが、パーティ内の情報共有として見ておくのは悪くないだろう。

「いいぜ。雷魔法使いのジョブを設定してくれよ」

「ああ」

 俺はリンのファーストジョブに『雷魔法使い』を設定する。
 彼女が周囲を見回す。
 1匹のホーンラビットを見つけ、近寄っていく。

「ぎいぃっ!」

 ゴブリンがリンを視認し、警戒の体勢を取る。
 気づかれる前に不意打ちできれば理想的だったが、これは仕方ない。
 最初級の雷魔法は射程が短いのだ。

 ゴブリンとリンが対峙する。
 やつのスキを見切って、リンがさらに距離を詰める。

「轟く雷の精霊よ。契約によりて我が指示に従え。雷の一撃を生み出し、我が敵に迸れ。スパーク!」

 ビリリッ!
 リンの手から電流が発生する。
 ゴブリンが大ダメージを受け、倒れた。

 『スパーク』は射程が短い分、最初級の割に攻撃力が高めとなっている魔法である。
 ミナのファイアーボールや、俺の最初期のウインドカッターよりも威力は上だ。

「威力は悪くねえが……。ここまで接近するなら、普通に格闘で倒してもいいな」

 リンがそう言う。

「確かにそうだ。しかし、ジョブレベルを上げていけば射程が長い魔法や特殊効果がある魔法を取得できるぞ。セカンドジョブに『雷魔法使い』を設定しておくか?」

「うーん……。悩むところだな。当面は『獣闘士』をセカンドジョブに設定しておいてくれよ」

「わかった。そうしよう」

 彼女のファーストジョブに『料理人』を、セカンドジョブに『獣闘士』を設定する。
 『雷魔法使い』も鍛えれば強いので、できればレベルを上げていきたいところだが。
 ジョブの選択が難しいところである。
 彼女のサードジョブが開放されれば、このように悩むこともなくなるのだが。
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