81 / 1,331
第2章 ダンジョンへ挑戦 ミナ、リン
81話 料理コンテストの会場へ
しおりを挟む
1週間が経過した。
今は朝だ。
宿屋前にて、俺、シルヴィ、ユヅキの3人で立っているところである。
「よし。今日は、リンの料理コンテストの日だったな」
「そうですね! リンさんはたくさん練習されていましたし、きっと好成績を収められるでしょう!」
シルヴィがそう言う。
俺たちが用意したリトルブラックタイガーの肉により、リンはたくさんの練習ができた。
もともと腕はいいし、さらに狩りにより『料理人』のジョブレベルもかなり上がった。
「うん。期待したいところだね。今日は、みんなで応援に行くんだよね?」
「ああ。リンは先に会場に向かっている。ミナは、一度ここで合流する予定だ。……おっ」
噂をすれば。
見覚えのある赤い髪のドワーフの少女が、こちらに向かってきている。
ミナだ。
「おはようなのです。待ったのです?」
「いや、今来たところだ」
何だかデートの待ち合わせ時の受け答えみたいになった。
「これでみんな揃ったことになる。行くぞ!」
「「「おーっ!」」」
そうして、俺たちは料理会場に向かい始めた。
会場は、町の広場で行われる。
そこに近づくにつれて、人も多くなってきた。
「なかなか盛況のようだな」
「うん。僕もこの町を拠点に活動して長いけど、毎年賑わっているよ」
ユヅキがそう言う。
高ランク冒険者は割りのいい仕事を探してあちこち巡る人が少なくない。
しかし一方で、駆け出しの低ランク冒険者は、特定の町を拠点に活動する者が多い。
どうせいろいろな町に行ったところで、ホーンラビットやゴブリン程度の魔物しか狩れないのだ。
わざわざ移動する手間や費用がムダである。
隊商の護衛依頼を受けようにも、低ランク冒険者では『いないよりマシ』程度の扱いで、大した報酬をもらえないしな。
「ボクは今まで興味なかったのですが……。リンさんの料理を食べて、価値観が変わったのです!」
ミナがそう言う。
彼女はズボラな性格だ。
これまでは、食生活にも拘らずに鍛冶ばかりしてきたのだろう。
「わたしはもちろん初めてですよ! ご主人様も初めてなのですか? お揃いですね!」
シルヴィが上機嫌にそう言う。
彼女は遠方の村から奴隷として売られ、この町にやって来た。
結構微妙な話題のような気もするが、シルヴィに気にした様子はない。
なかなかメンタルが強いな。
「ああ。参加者たちの料理を見させてもらうことにしよう」
参加者は、ざっと30人以上か。
ずいぶんと多い。
広場に簡易的な厨房が設けられている。
あそこで料理して、審査員に出して採点をしてもらう感じだ。
包丁などの調理器具は持参可だが、その他の基本的な調理器具は据え付けのものを使うことになる。
これは、実力の差が出てしまうだろう。
俺たちは、広場でしばらく待つ。
開会の時間が近づくにつれて、さらに人が増えてきている。
そして、開会の時間となった。
司会の男が前に出て、口を開く。
「では、開会します! まずは特別審査員のローズ様、そしてティータ様のお言葉をいただきます!」
司会の男の言葉を受けて、2人の少女が前に出る。
確か、彼女たちは……。
今は朝だ。
宿屋前にて、俺、シルヴィ、ユヅキの3人で立っているところである。
「よし。今日は、リンの料理コンテストの日だったな」
「そうですね! リンさんはたくさん練習されていましたし、きっと好成績を収められるでしょう!」
シルヴィがそう言う。
俺たちが用意したリトルブラックタイガーの肉により、リンはたくさんの練習ができた。
もともと腕はいいし、さらに狩りにより『料理人』のジョブレベルもかなり上がった。
「うん。期待したいところだね。今日は、みんなで応援に行くんだよね?」
「ああ。リンは先に会場に向かっている。ミナは、一度ここで合流する予定だ。……おっ」
噂をすれば。
見覚えのある赤い髪のドワーフの少女が、こちらに向かってきている。
ミナだ。
「おはようなのです。待ったのです?」
「いや、今来たところだ」
何だかデートの待ち合わせ時の受け答えみたいになった。
「これでみんな揃ったことになる。行くぞ!」
「「「おーっ!」」」
そうして、俺たちは料理会場に向かい始めた。
会場は、町の広場で行われる。
そこに近づくにつれて、人も多くなってきた。
「なかなか盛況のようだな」
「うん。僕もこの町を拠点に活動して長いけど、毎年賑わっているよ」
ユヅキがそう言う。
高ランク冒険者は割りのいい仕事を探してあちこち巡る人が少なくない。
しかし一方で、駆け出しの低ランク冒険者は、特定の町を拠点に活動する者が多い。
どうせいろいろな町に行ったところで、ホーンラビットやゴブリン程度の魔物しか狩れないのだ。
わざわざ移動する手間や費用がムダである。
隊商の護衛依頼を受けようにも、低ランク冒険者では『いないよりマシ』程度の扱いで、大した報酬をもらえないしな。
「ボクは今まで興味なかったのですが……。リンさんの料理を食べて、価値観が変わったのです!」
ミナがそう言う。
彼女はズボラな性格だ。
これまでは、食生活にも拘らずに鍛冶ばかりしてきたのだろう。
「わたしはもちろん初めてですよ! ご主人様も初めてなのですか? お揃いですね!」
シルヴィが上機嫌にそう言う。
彼女は遠方の村から奴隷として売られ、この町にやって来た。
結構微妙な話題のような気もするが、シルヴィに気にした様子はない。
なかなかメンタルが強いな。
「ああ。参加者たちの料理を見させてもらうことにしよう」
参加者は、ざっと30人以上か。
ずいぶんと多い。
広場に簡易的な厨房が設けられている。
あそこで料理して、審査員に出して採点をしてもらう感じだ。
包丁などの調理器具は持参可だが、その他の基本的な調理器具は据え付けのものを使うことになる。
これは、実力の差が出てしまうだろう。
俺たちは、広場でしばらく待つ。
開会の時間が近づくにつれて、さらに人が増えてきている。
そして、開会の時間となった。
司会の男が前に出て、口を開く。
「では、開会します! まずは特別審査員のローズ様、そしてティータ様のお言葉をいただきます!」
司会の男の言葉を受けて、2人の少女が前に出る。
確か、彼女たちは……。
57
お気に入りに追加
1,096
あなたにおすすめの小説

異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる