上 下
57 / 1,331
第2章 ダンジョンへ挑戦 ミナ、リン

57話 ミナとコウタのジョブを設定

しおりを挟む
 ミナのステータスを確認したところだ。

「……ところで、ミナもセカンドジョブを設定できるぞ。槌士をセカンドジョブに設定するか? もしくは、鍛冶師と入れ替えることもできるが」

「ええっと。鍛冶師はファーストジョブのままで、槌士をセカンドジョブにしてくださいなのです」

「わかった。そうしよう」

 俺はミナのステータス画面を開き、槌士をセカンドジョブに設定する。
 槌士のアクティブスキルやパッシブスキルは開放されていなかったので、現時点での戦闘能力に変化はない。
 しかし、セカンドジョブに設定することで経験値が入ってくるようになる。
 ジョブレベルが上がれば、ステータスが向上し、スキルを取得できる。

 彼女のレベルアップ速度は、常人よりも速くなるはずだ。
 俺の『パーティメンバー経験値ブースト』の効果が及ぶからな。
 今後、ミナの戦闘能力はどんどん増すだろう。
 
 また、鍛冶師のパッシブスキルの1つである『鉱石類ドロップ率上昇』を取得できれば、ゴーレム周回のときにオリハルコンをドロップする確率が増す。
 そちらにも期待できる。

 そういえば、俺には新たにフォースジョブが開放されているのだったな。
 新たに得た鍛冶師をフォースジョブに設定しておくか。
 ……いや、待てよ?
 オリハルコンの件もあるし、鍛冶師はやや上に設定しておいたほうがいいかもしれない。

 ここで、ファーストジョブやセカンドジョブの設定順によって発生する違いを整理しておこう。
 大きく、3つある。

 1つは、レベルの上がりやすさ。
 上位に設定しているジョブのほうがレベルが上がりやすい。
 育てたいジョブはより上位のジョブに設定するべきだ。

 1つは、アクティブスキルの使い勝手。
 より下位に設定してあるジョブのスキルは、威力や精度が低下し、消費MPや消費闘気が増加する。
 頻繁に使用するアクティブスキルがある場合、それに対応するジョブを上位のジョブに設定しておいたほうがいい。

 1つは、パッシブスキルの有効化。
 特定のジョブを一定レベル以上にすると、パッシブスキルを得る。
 本人にのみ影響を与える『腕力強化』などのパッシブスキルはジョブレベルに関係なく有効化される。
 一方で、パーティ全員に影響を与える『パーティメンバー腕力強化』などのパッシブスキルは、ファーストジョブに設定していないと有効化されない。

 『鍛冶師』のレベルを上げていくために、より上位に設定しておきたい。
 しかし、現状メインにしている『風魔法使い』をファーストジョブから外すのは、少しだけ不安だ。
 そのあたりを総合的に考えると……。


ファーストジョブ:風魔法使いレベル17
セカンドジョブ:鍛冶師レベル1
サードジョブ:剣士レベル15
フォースジョブ:氷魔法使いレベル9


 これぐらいがいいバランスだろう。
 とりあえず、これで行こう。

「よし。ミナのジョブが追加されたことだし、とりあえず明日はエルカ草原で狩りをするか。前回から少し日が空いたし、リンも誘って慣らしておこう」

「了解なのです」

 そんな感じで、ミナへのパーティ勧誘は無事に終了した。
 できることなら、この件が終わった後も行動を共にしてくれたら理想的なのだが。
 まあ、現時点であれこれ考えても仕方ないか。
 とりあえずは、明日の狩りをしっかりすることを考えよう。
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬
ファンタジー
旧題 努力=結果  異世界の神の勝手によって異世界に転移することになった倉野。  実際に異世界で確認した常識と自分に与えられた能力が全く違うことに少しずつ気付く。  異世界の住人はレベルアップによってステータスが上がっていくようだったが、倉野にだけレベルが存在せず、行動を繰り返すことによってスキルを習得するシステムが採用されていた。  そのスキル習得システムと異世界の常識の差が倉野を最強の人間へと押し上げていく。  だが、倉野はその能力を活かして英雄になろうだとか、悪用しようだとかそういった上昇志向を見せるわけでもなく、第二の人生と割り切ってファンタジーな世界を旅することにした。  最強を隠して異世界を巡る倉野。各地での出会いと別れ、冒険と楽しみ。元居た世界にはない刺激が倉野の第二の人生を彩っていく。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

処理中です...