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第2章 ダンジョンへ挑戦 ミナ、リン

50話 エルカに帰還

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 エルカ迷宮の1階層を攻略した。
 階層ボスのゴーレムからオリハルコンはドロップしなかったが、ミッション報酬によってオリハルコンを入手できた。

 俺たちは、意気揚々と町に戻る。
 そして、料亭ハーゼで、リンのうまい料理で祝勝会を開いた。
 それらをたいらげたところである。

「相変わらず、すばらしい料理だった」

「本当にね。いつもありがとう、リンさん」

 ユヅキがそう言う。

「いいってことよ。喜んでもらえてあたいも嬉しいぜ。それに、代金もきっちりともらっていることだしな」

 リンがそう言う。

「……さて。とりあえず、明日から数日間は冒険者活動は休みとするぞ。ミナがさっそく鍛冶をするそうだからな」

「申し訳ないですが、よろしくなのです。無事に成功したら、リンさんの用件も手伝うのです」

「構わねえよ。料理コンテストの日までは、まだ余裕があるからな。リトルブラックタイガーの肉さえ手に入れば、どうにかなる。念のため、第二案の料理も考えておきたいしな」

「じゅるり……。リンさんの新作料理、楽しみにしていますね!」

 シルヴィが期待感に満ちた顔でそう言う。
 彼女は結構食いしん坊だ。
 おいしいものに目がない。

「じゃあ、またな」

 俺たちは別れのあいさつを交わし、料亭ハーゼから出る。

「さて……。オリハルコンは重い。せっかくだから、俺がミナの鍛冶場まで届けるか」

「助かるのです。コウタくんは、いいアイテムバッグを持っていて便利そうなのです」

 実際のところ、俺はアイテムバッグは持っていない。
 ストレージに収納しているだけだ。

 ストレージはジョブ関連のスキルではない。
 システムスキルだ。
 所有している者は、おそらく俺以外にいないだろう。
 仮にいたとしても、とても少ないはずである。

 そのため、俺のストレージの能力はできるだけ秘密にしておくつもりだ。
 みんなには、性能のいいアイテムバッグを持っているということにしている。

 俺たちはしばらく歩く。
 そして、無事にミナの鍛冶場に到着した。

「では、このオリハルコンはミナに提供しよう」

 俺はストレージからオリハルコンを取り出し、ミナに渡す。

「ありがとうなのです!」

 ミナが喜ぶ。
 よしよし。
 順調に、友好関係を築けているな。
 この調子でハーレムメンバーに……。
 いや、それはまだ早計か。
 恩義を感じるのと、恋愛感情を抱くのはまた別だしな。

「さっそく、明日から取り掛かるのだったな?」

「そうなのです。今度こそ、きっと成功させるのです」

「ミナならきっとできるさ。リンは、しばらくは料理開発に戻ると言っていたな。俺、シルヴィ、ユヅキは、とりあえず休日にしよう。……そういえば、ミナの鍛冶を見学させてもらってもいいか? 少し鍛冶に興味があってな」

「別に構わないのです。人族は『鍛冶師』の適正が低い傾向があるのですが、人によっては適正が高いこともあるのです。物は試しなのです」

「そうだな。オリハルコンの武具の製作の邪魔はしないように注意する。よろしく頼む」

 そうして、明日は鍛冶の見学をさせてもらうことになった。
 MSCでも、『鍛冶師』のジョブは取得したことがある。
 戦闘職ではないが、いざというときの選択候補としてあるに越したことはない。
 チャンスがあれば、取得しておきたいところだ。
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