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第1章 初級冒険者として活躍 シルヴィ、ユヅキ
24話 パーティメンバー設定
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水浴びを終え、服や装備を乾かしているところだ。
俺の風魔法により通常よりは早く乾くが、最後はしっかりと火で乾かさないとならない。
俺たちは、小川の近くでのんびりする。
このあたりには、今現在は危険な魔物や魔獣はいない。
のどかなものだ。
今は、俺とシルヴィが2人で座っている。
ユヅキやユーヤたちは、少し離れたところにいる。
せっかく時間があるので、俺は先ほど手に入れた『パーティメンバー編成』スキルを検証することにする。
アイコンを選択し、『パーティメンバー編成』の画面に切り替える。
「(シルヴィ、ユーヤ、ユヅキ、それに他の3人も名前が表示されているな……。おそらく、近くにいる者をシステム上のパーティに加えることができるようだ)」
『マジック&ソード・クロニクル』においては、半径10メートル程度にいる者をパーティに勧誘できた。
そして、それを受諾するかどうかは相手が選択するという仕様だった。
システム上でパーティを組むことには、単純に行動を共にする以外のメリットがある。
経験値の自動分配、お互いの所在地の把握、念話などである。
もちろん、全てが無制限に使えるわけではなく、一定の制約はある。
例えば、経験値の自動分配。
モンスターへの与ダメージ量、戦闘への参加時間、討伐完了時の距離などに応じて、各自に分配される経験値は調整される。
あまり活躍していない者、早々に戦闘不能になり離脱した者、そもそも戦闘に参加せず町などで待機している者。
そういった者に分配される経験値は少なくなる。
この世界においては、『パーティメンバー設定』というシステムがない様子だ。
それぞれの冒険者は、そういったシステムに頼らずに普通にパーティを組んでいる。
このスキルにより、俺だけがシステム上のパーティメンバーを設定できるようになるのであれば、相当に有利で便利だ。
「(せっかくだし、お試しで6人ともパーティに入れてみるか?)」
パーティ編成は、基本的にデメリットがない。
強いて言えば、実力の劣る者がパーティにぶら下がって経験値を半ば盗むように得ていったり、ストーカー気質の者に居場所を特定されたりすることはデメリットだ。
とはいえ、それほど致命的なデメリットではない。
パーティメンバーは、本人の希望による脱退の他、パーティメンバーの過半数の賛成によって追放することもできるからだ。
また、一定期間を設ければ、パーティリーダーの一存による追放も可能だ。
「(いや、待て……。それぞれの名前の表記の濃さが違う。これはなんだ?)」
シルヴィとユヅキは黒色の字で表記されている。
ユーヤは灰色。
他の3人は白色である。
MSCにおいては、パーティに勧誘できるかどうかの判定基準は、単純に距離だけだった。
半径10メートル以内だ。
範囲内にいる者の名前は黒色で、その他は白色で表記されていた。
「(単純に考えると、シルヴィとユヅキはパーティに勧誘できそうだな)」
試しに、アイコンを操作してシルヴィをパーティに勧誘する。
ピクッ。
シルヴィの狼耳が動いた。
彼女がこちらの耳元に口を寄せる。
「ご主人様? 何やら、変な声が頭に響いたのですが……」
「変な声? どんな?」
「ええっと。『コウタのパーティに勧誘されています。受諾しますか?』と言っていました」
なるほど。
MSCと同じ文言だ。
勝手にパーティを設定するのではなく、対象者の同意も必要だと。
「俺に心当たりはある。とりあえず、『受諾する』と言っておいてくれ」
「わかりました! ……『受諾します』」
シルヴィがそう言ったと同時に、俺の操作画面の表記が切り替わった。
パーティ名:未設定
リーダー:コウタ
サブリーダー:シルヴィ
MSCと同じだ。
この画面の名前欄を選択すると、各自のステータスなどを確認できるのだ。
まずは俺の名前を選択してみる。
コウタ
種族:人族
ファーストジョブ:風魔法使いレベル12
セカンドジョブ:剣士レベル11
サードジョブ:未設定
HP:E+++
MP:D++
闘気:E+++
腕力:E++++
脚力:E++
器用:E++
システムスキル:
ジョブ設定
経験値ブースト
パーティメンバー設定
パーティメンバー経験値ブースト
アクティブスキル:
ウインドカッター
エアバースト
ラッシュ
パッシブスキル:
腕力強化
少し前に確認したときと同じステータスが表示された。
……ん?
いや、サードジョブが追加されている。
先ほど確認した際にはなかったはず。
どのタイミングで追加されたんだ?
単純に考えて、今シルヴィをパーティに追加したタイミングか?
とりあえず、今は置いておこう。
画面を戻し、続けてシルヴィの名前を選択してみる。
シルヴィ
種族:白狼族
ファーストジョブ:獣戦士レベル7
セカンドジョブ:未設定
HP:E+
MP:E
闘気:E++
腕力:E++
脚力:E+
器用:E
アクティブスキル:
ビーストストライク
おおよそ、予想していた通りのステータスである。
ファーストジョブの獣戦士は、『大地の轟き』と臨時パーティを組む前の時点でレベル5になっていたはず。
あれから、1週間ほどエルカ草原で狩りをした上で、今日のエルカ樹海の狩りを行った。
スメリーモンキーはほぼ俺が単独で討伐したとはいえ、フォレストゴブリン、ポイズンコブラ、クレイジーラビットなどはシルヴィもたくさん狩った。
そのおかげで、獣戦士のジョブレベルが7に達しているのだろう。
気になるのは、セカンドジョブが開放されている点だ。
MSCにおいては、課金するか、ある程度ストーリーを進める必要があった。
この世界の俺にしても、ミッション報酬で開放された。
シルヴィのセカンドジョブが最初から開放されているのはありがたいが、開放条件は気になるところだ。
俺のサードジョブが開放されているのも謎だし。
今後、3人目のパーティメンバーが加わったときなどの変化を注視して、条件を見極めていきたい。
何にせよ、これでシステム上のパーティをシルヴィと組めた。
俺の『パーティメンバー経験値ブースト』の恩恵が彼女にも与えられることになる。
その上、経験値の自動分配、お互いの所在地の把握、念話なども可能となっているはず。
服が乾くまで、もう少し時間がある。
その間に、順に確認や検証をしてみることにしよう。
俺の風魔法により通常よりは早く乾くが、最後はしっかりと火で乾かさないとならない。
俺たちは、小川の近くでのんびりする。
このあたりには、今現在は危険な魔物や魔獣はいない。
のどかなものだ。
今は、俺とシルヴィが2人で座っている。
ユヅキやユーヤたちは、少し離れたところにいる。
せっかく時間があるので、俺は先ほど手に入れた『パーティメンバー編成』スキルを検証することにする。
アイコンを選択し、『パーティメンバー編成』の画面に切り替える。
「(シルヴィ、ユーヤ、ユヅキ、それに他の3人も名前が表示されているな……。おそらく、近くにいる者をシステム上のパーティに加えることができるようだ)」
『マジック&ソード・クロニクル』においては、半径10メートル程度にいる者をパーティに勧誘できた。
そして、それを受諾するかどうかは相手が選択するという仕様だった。
システム上でパーティを組むことには、単純に行動を共にする以外のメリットがある。
経験値の自動分配、お互いの所在地の把握、念話などである。
もちろん、全てが無制限に使えるわけではなく、一定の制約はある。
例えば、経験値の自動分配。
モンスターへの与ダメージ量、戦闘への参加時間、討伐完了時の距離などに応じて、各自に分配される経験値は調整される。
あまり活躍していない者、早々に戦闘不能になり離脱した者、そもそも戦闘に参加せず町などで待機している者。
そういった者に分配される経験値は少なくなる。
この世界においては、『パーティメンバー設定』というシステムがない様子だ。
それぞれの冒険者は、そういったシステムに頼らずに普通にパーティを組んでいる。
このスキルにより、俺だけがシステム上のパーティメンバーを設定できるようになるのであれば、相当に有利で便利だ。
「(せっかくだし、お試しで6人ともパーティに入れてみるか?)」
パーティ編成は、基本的にデメリットがない。
強いて言えば、実力の劣る者がパーティにぶら下がって経験値を半ば盗むように得ていったり、ストーカー気質の者に居場所を特定されたりすることはデメリットだ。
とはいえ、それほど致命的なデメリットではない。
パーティメンバーは、本人の希望による脱退の他、パーティメンバーの過半数の賛成によって追放することもできるからだ。
また、一定期間を設ければ、パーティリーダーの一存による追放も可能だ。
「(いや、待て……。それぞれの名前の表記の濃さが違う。これはなんだ?)」
シルヴィとユヅキは黒色の字で表記されている。
ユーヤは灰色。
他の3人は白色である。
MSCにおいては、パーティに勧誘できるかどうかの判定基準は、単純に距離だけだった。
半径10メートル以内だ。
範囲内にいる者の名前は黒色で、その他は白色で表記されていた。
「(単純に考えると、シルヴィとユヅキはパーティに勧誘できそうだな)」
試しに、アイコンを操作してシルヴィをパーティに勧誘する。
ピクッ。
シルヴィの狼耳が動いた。
彼女がこちらの耳元に口を寄せる。
「ご主人様? 何やら、変な声が頭に響いたのですが……」
「変な声? どんな?」
「ええっと。『コウタのパーティに勧誘されています。受諾しますか?』と言っていました」
なるほど。
MSCと同じ文言だ。
勝手にパーティを設定するのではなく、対象者の同意も必要だと。
「俺に心当たりはある。とりあえず、『受諾する』と言っておいてくれ」
「わかりました! ……『受諾します』」
シルヴィがそう言ったと同時に、俺の操作画面の表記が切り替わった。
パーティ名:未設定
リーダー:コウタ
サブリーダー:シルヴィ
MSCと同じだ。
この画面の名前欄を選択すると、各自のステータスなどを確認できるのだ。
まずは俺の名前を選択してみる。
コウタ
種族:人族
ファーストジョブ:風魔法使いレベル12
セカンドジョブ:剣士レベル11
サードジョブ:未設定
HP:E+++
MP:D++
闘気:E+++
腕力:E++++
脚力:E++
器用:E++
システムスキル:
ジョブ設定
経験値ブースト
パーティメンバー設定
パーティメンバー経験値ブースト
アクティブスキル:
ウインドカッター
エアバースト
ラッシュ
パッシブスキル:
腕力強化
少し前に確認したときと同じステータスが表示された。
……ん?
いや、サードジョブが追加されている。
先ほど確認した際にはなかったはず。
どのタイミングで追加されたんだ?
単純に考えて、今シルヴィをパーティに追加したタイミングか?
とりあえず、今は置いておこう。
画面を戻し、続けてシルヴィの名前を選択してみる。
シルヴィ
種族:白狼族
ファーストジョブ:獣戦士レベル7
セカンドジョブ:未設定
HP:E+
MP:E
闘気:E++
腕力:E++
脚力:E+
器用:E
アクティブスキル:
ビーストストライク
おおよそ、予想していた通りのステータスである。
ファーストジョブの獣戦士は、『大地の轟き』と臨時パーティを組む前の時点でレベル5になっていたはず。
あれから、1週間ほどエルカ草原で狩りをした上で、今日のエルカ樹海の狩りを行った。
スメリーモンキーはほぼ俺が単独で討伐したとはいえ、フォレストゴブリン、ポイズンコブラ、クレイジーラビットなどはシルヴィもたくさん狩った。
そのおかげで、獣戦士のジョブレベルが7に達しているのだろう。
気になるのは、セカンドジョブが開放されている点だ。
MSCにおいては、課金するか、ある程度ストーリーを進める必要があった。
この世界の俺にしても、ミッション報酬で開放された。
シルヴィのセカンドジョブが最初から開放されているのはありがたいが、開放条件は気になるところだ。
俺のサードジョブが開放されているのも謎だし。
今後、3人目のパーティメンバーが加わったときなどの変化を注視して、条件を見極めていきたい。
何にせよ、これでシステム上のパーティをシルヴィと組めた。
俺の『パーティメンバー経験値ブースト』の恩恵が彼女にも与えられることになる。
その上、経験値の自動分配、お互いの所在地の把握、念話なども可能となっているはず。
服が乾くまで、もう少し時間がある。
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