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第1章 初級冒険者として活躍 シルヴィ、ユヅキ
17話 Eランクパーティ『大地の轟き』
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エルカ樹海への挑戦を検討したが、2人ではまだ早いと結論づけた。
冒険者ギルドを出ようとしたとき、背後から声を掛けられた。
「あ、あの……。話は聞かせてもらったよ」
「エルカ樹海に挑戦するってか。奇遇じゃねェか。俺たちが付き合ってやるよ」
俺は振り向く。
そこには、5人の少年が立っていた。
「ん? お前たちもエルカ樹海に挑戦しようと思っていたのか?」
「そ、そうだよ。僕たちも、普段はエルカ草原を拠点にしているんだけどね」
俺の問いに、少年がそう答える。
この5人の中では最年少で、おそらく10代前半くらいだろうか。
髪は茶色。
犬耳が生えている。
確か、『茶犬族』という種族だ。
『土魔法使い』と『獣剣士』への適性が高い傾向がある。
「そろそろ中級の魔物の討伐にも挑戦したくってな。でも、セリアさんに相談しても止められちまってたんだ」
別の少年がそう言う。
この少年も、茶犬族だ。
年齢は10代中盤。
そして、他の3人も同年代である。
「なるほどな。セリアちゃんが止めるとなると、お前たちはEランクの駆け出しってところか」
俺はそう言う。
俺とシルヴィに対しては、『推奨はできないが強く止めもしない』という態度だった。
その一方で、この少年少女に対しては『明確に止める』という態度を取っているわけだ。
セリアの目から見て、俺とシルヴィの2人組よりも、この少年5人組のほうが危なっかしいのだろう。
「う、うん。まだ駆け出しだし、エルカ樹海は危ないかも……。でも、最近はエルカ草原でうまく稼げていなくて……」
最年少の少年がそう言う。
エルカ草原程度に5人パーティで狩りをしていれば、当然稼ぎはおぼつかないだろう。
普通に考えて、1人あたり銀貨数枚程度か。
ギリギリ生きてはいけるだろうが、あまり贅沢はできない。
そして、最近はそれにも増して稼ぎが少ないと。
もしかして俺の影響か?
ホーンラビットやゴブリンをたくさん狩ってきたしな。
……いや、さすがに関係ないか?
俺1人で狩っている量など、全体からすればたかが知れている。
と、そこにセリアが口を挟んできた。
「コウタさん、ちょっといいですかにゃ?」
「おう。なんだ?」
「そちらの5人は、Eランクパーティ『大地の轟き』ですにゃ。着実に実力は伸びているのですが、まだまだ経験不足でエルカ樹海は早いと思って止めていたのですにゃ」
セリアがそう説明する。
大地の轟き、か。
Eランクパーティなのに大層な名前だ。
まあ、彼らは全員が茶犬族のようだしな。
今はまだムリでも、いずれは土魔法使いとして成長する者もいるのだろう。
「ふむ。確かに、彼らでは5人がかりでも危ないかもしれないな」
俺は、彼らのステータスを確認する術がない。
とはいえ、見た感じでだいたいの実力はわかる。
判断基準は主に3つだ。
1つは、年齢。
レベルというシステムがあるこの世界では、経験の蓄積による実力の向上が、地球以上に重い。
まだ10代中盤くらいの彼らでは、自ずと限界がある。
1つは、装備。
見たところ、数打ちの量産品しか使っていない。
シルヴィも似たようなものだし極端に悪いわけではないが、中級以上の冒険者はオーダーメイドの武具を使っていることが多い。
1つは、身のこなし。
立ち姿のバランスから、その者の実力はある程度わかる。
彼らは一般人よりかは鍛えられているが、中級にはまだまだほど遠い。
「そんなことねえよ! 俺たちならだいじょうぶだって、セリアさんにはずっと言っているのにさ。認めてくれねェんだもんな」
少年がそう言う。
セリアの口出しには、実のところ強制力はない。
本当に気に入らなければ、セリアの助言を無視するという選択肢も彼らにはある。
「ふむ。意気込みと自制心はなかなかのようだな」
セリアの助言を不服に思いつつも、おとなしく従う程度の分別はあるわけだ。
なかなかしっかりしていて、好感が持てる。
口調は少し生意気だが。
「ありがとよ。ちなみに、俺の名前はユーヤだ」
「僕の名前はユヅキだよ」
少年2人がそう言う。
リーダー格のやや生意気な少年がユーヤで、最年少の少年がユヅキか。
他の3人も、合わせてあいさつをしてくる。
「俺はコウタ、こっちはシルヴィだ。……それで? 要するに、こちらの2人とそちらの5人で合同パーティを組もうという話か?」
合同パーティ。
難易度の高い任務に挑戦するときに、たまに組まれるものである。
戦闘だけを考えるなら、パーティ人数は多ければ多いほど有利だ。
極端な話、1000人パーティを組めば、上級の魔物や大規模な盗賊団だって恐くない。
1000人は言い過ぎだとしても、20人くらいのパーティであれば現実的に組むことも不可能ではない。
しかしもちろん、みんながそういった大規模パーティを組まないのには理由がある。
報酬の配分だ。
単純に人数が多くて1人あたりの配分が少なくなるし、貢献度に応じた配分の判断も難しくなる。
基本的には、3~6人ぐらいのパーティを組むことが多い。
それ以上の人数を要するような高難度の任務には、今回のように臨時の合同パーティが検討されるわけだ。
「う、うん。コウタの噂は聞いているよ。ずいぶんと練度の高い風魔法を使うルーキーだって」
「へへっ。それに、俺たちと同じくエルカ樹海に挑戦しようっていう噂も聞いて、待ち伏せしていたんだぜ」
ユヅキとユーヤがそう言う。
なるほど。
俺は知らない間に、少し有名になっていたようだ。
「ふむ……。まあ悪くはないな。セリアちゃんはどう思う?」
「コウタさんがいいなら、受けるといいですにゃ。メンバーが増えて安定感は増すと思いますが、パーティリーダーとしてしっかりまとめる必要はありますにゃ」
確かに、Eランクとはいえ最低限の戦闘能力を持つ彼ら5人がいれば、安定感は増す。
エルカ樹海の浅いところまでであれば、問題なさそうか。
あとは、だれかがうっかり深いところまで入り込まないように管理しなければならない。
ユヅキはだいじょうぶそうだが、ユーヤは怪しい。
1人で突っ走りそうだ。
ちゃんと、俺が気を配る必要があるだろう。
「わかった。では、近いうちにエルカ樹海に挑戦することにしよう」
「あ、ありがとう。コウタ」
「へへっ。見る目があるじゃねェか」
ユヅキとユーヤがそう言う。
他の3人も満足そうだ。
「わたしもがんばります!」
シルヴィが力強くそう言う。
「しかしその前に、エルカ草原でお互いの実力を確認しつつ、連携を深めておきたい。少なくとも数日、できれば1週間ってところだ。それでいいか?」
「わ、わかった。大切なことだよね。僕もがんばる!」
「ちょっと面倒くせェが、仕方ねェか。やってやるぜ」
そんな感じで、俺とシルヴィは、Eランクパーティ『大地の轟き』と臨時の合同パーティを組むことになった。
きちんと連携を深めて、エルカ樹海に挑戦したいところだ。
冒険者ギルドを出ようとしたとき、背後から声を掛けられた。
「あ、あの……。話は聞かせてもらったよ」
「エルカ樹海に挑戦するってか。奇遇じゃねェか。俺たちが付き合ってやるよ」
俺は振り向く。
そこには、5人の少年が立っていた。
「ん? お前たちもエルカ樹海に挑戦しようと思っていたのか?」
「そ、そうだよ。僕たちも、普段はエルカ草原を拠点にしているんだけどね」
俺の問いに、少年がそう答える。
この5人の中では最年少で、おそらく10代前半くらいだろうか。
髪は茶色。
犬耳が生えている。
確か、『茶犬族』という種族だ。
『土魔法使い』と『獣剣士』への適性が高い傾向がある。
「そろそろ中級の魔物の討伐にも挑戦したくってな。でも、セリアさんに相談しても止められちまってたんだ」
別の少年がそう言う。
この少年も、茶犬族だ。
年齢は10代中盤。
そして、他の3人も同年代である。
「なるほどな。セリアちゃんが止めるとなると、お前たちはEランクの駆け出しってところか」
俺はそう言う。
俺とシルヴィに対しては、『推奨はできないが強く止めもしない』という態度だった。
その一方で、この少年少女に対しては『明確に止める』という態度を取っているわけだ。
セリアの目から見て、俺とシルヴィの2人組よりも、この少年5人組のほうが危なっかしいのだろう。
「う、うん。まだ駆け出しだし、エルカ樹海は危ないかも……。でも、最近はエルカ草原でうまく稼げていなくて……」
最年少の少年がそう言う。
エルカ草原程度に5人パーティで狩りをしていれば、当然稼ぎはおぼつかないだろう。
普通に考えて、1人あたり銀貨数枚程度か。
ギリギリ生きてはいけるだろうが、あまり贅沢はできない。
そして、最近はそれにも増して稼ぎが少ないと。
もしかして俺の影響か?
ホーンラビットやゴブリンをたくさん狩ってきたしな。
……いや、さすがに関係ないか?
俺1人で狩っている量など、全体からすればたかが知れている。
と、そこにセリアが口を挟んできた。
「コウタさん、ちょっといいですかにゃ?」
「おう。なんだ?」
「そちらの5人は、Eランクパーティ『大地の轟き』ですにゃ。着実に実力は伸びているのですが、まだまだ経験不足でエルカ樹海は早いと思って止めていたのですにゃ」
セリアがそう説明する。
大地の轟き、か。
Eランクパーティなのに大層な名前だ。
まあ、彼らは全員が茶犬族のようだしな。
今はまだムリでも、いずれは土魔法使いとして成長する者もいるのだろう。
「ふむ。確かに、彼らでは5人がかりでも危ないかもしれないな」
俺は、彼らのステータスを確認する術がない。
とはいえ、見た感じでだいたいの実力はわかる。
判断基準は主に3つだ。
1つは、年齢。
レベルというシステムがあるこの世界では、経験の蓄積による実力の向上が、地球以上に重い。
まだ10代中盤くらいの彼らでは、自ずと限界がある。
1つは、装備。
見たところ、数打ちの量産品しか使っていない。
シルヴィも似たようなものだし極端に悪いわけではないが、中級以上の冒険者はオーダーメイドの武具を使っていることが多い。
1つは、身のこなし。
立ち姿のバランスから、その者の実力はある程度わかる。
彼らは一般人よりかは鍛えられているが、中級にはまだまだほど遠い。
「そんなことねえよ! 俺たちならだいじょうぶだって、セリアさんにはずっと言っているのにさ。認めてくれねェんだもんな」
少年がそう言う。
セリアの口出しには、実のところ強制力はない。
本当に気に入らなければ、セリアの助言を無視するという選択肢も彼らにはある。
「ふむ。意気込みと自制心はなかなかのようだな」
セリアの助言を不服に思いつつも、おとなしく従う程度の分別はあるわけだ。
なかなかしっかりしていて、好感が持てる。
口調は少し生意気だが。
「ありがとよ。ちなみに、俺の名前はユーヤだ」
「僕の名前はユヅキだよ」
少年2人がそう言う。
リーダー格のやや生意気な少年がユーヤで、最年少の少年がユヅキか。
他の3人も、合わせてあいさつをしてくる。
「俺はコウタ、こっちはシルヴィだ。……それで? 要するに、こちらの2人とそちらの5人で合同パーティを組もうという話か?」
合同パーティ。
難易度の高い任務に挑戦するときに、たまに組まれるものである。
戦闘だけを考えるなら、パーティ人数は多ければ多いほど有利だ。
極端な話、1000人パーティを組めば、上級の魔物や大規模な盗賊団だって恐くない。
1000人は言い過ぎだとしても、20人くらいのパーティであれば現実的に組むことも不可能ではない。
しかしもちろん、みんながそういった大規模パーティを組まないのには理由がある。
報酬の配分だ。
単純に人数が多くて1人あたりの配分が少なくなるし、貢献度に応じた配分の判断も難しくなる。
基本的には、3~6人ぐらいのパーティを組むことが多い。
それ以上の人数を要するような高難度の任務には、今回のように臨時の合同パーティが検討されるわけだ。
「う、うん。コウタの噂は聞いているよ。ずいぶんと練度の高い風魔法を使うルーキーだって」
「へへっ。それに、俺たちと同じくエルカ樹海に挑戦しようっていう噂も聞いて、待ち伏せしていたんだぜ」
ユヅキとユーヤがそう言う。
なるほど。
俺は知らない間に、少し有名になっていたようだ。
「ふむ……。まあ悪くはないな。セリアちゃんはどう思う?」
「コウタさんがいいなら、受けるといいですにゃ。メンバーが増えて安定感は増すと思いますが、パーティリーダーとしてしっかりまとめる必要はありますにゃ」
確かに、Eランクとはいえ最低限の戦闘能力を持つ彼ら5人がいれば、安定感は増す。
エルカ樹海の浅いところまでであれば、問題なさそうか。
あとは、だれかがうっかり深いところまで入り込まないように管理しなければならない。
ユヅキはだいじょうぶそうだが、ユーヤは怪しい。
1人で突っ走りそうだ。
ちゃんと、俺が気を配る必要があるだろう。
「わかった。では、近いうちにエルカ樹海に挑戦することにしよう」
「あ、ありがとう。コウタ」
「へへっ。見る目があるじゃねェか」
ユヅキとユーヤがそう言う。
他の3人も満足そうだ。
「わたしもがんばります!」
シルヴィが力強くそう言う。
「しかしその前に、エルカ草原でお互いの実力を確認しつつ、連携を深めておきたい。少なくとも数日、できれば1週間ってところだ。それでいいか?」
「わ、わかった。大切なことだよね。僕もがんばる!」
「ちょっと面倒くせェが、仕方ねェか。やってやるぜ」
そんな感じで、俺とシルヴィは、Eランクパーティ『大地の轟き』と臨時の合同パーティを組むことになった。
きちんと連携を深めて、エルカ樹海に挑戦したいところだ。
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