上 下
232 / 241

232話 オスカーの氷魔法-1

しおりを挟む
 私がカインの助言を参考にして新しい魔法を開発した数日後――。

「あー、今日は少し暑いわね……!」

 私は寮の自室で暑さに耐えかねていた。
 季節は春だが、今日は夏のような気温に感じる。
 まさに異常気象だ。

「いえ、異常とは少し言いすぎかしら……。貴族の服は基本的に厚着だからねぇ……」

 現代日本で発売された乙女ゲーム『恋の学園ファンタジー ~ドキドキ・ラブリー・ラブ~』。
 それと酷似しているこの世界の気候は、現代日本に即したものとなっている。
 今は三月。
 本来であれば、暑いどころか少し肌寒いぐらいの気候である。
 にもかかわらず、暑く感じるのは何故か?
 それは、貴族の娘としてそれなりにきちんとした服を着ていることである。
 前世のように、Tシャツ一枚で過ごすことはできないのだ。

「やっぱり、この世界にもエアコンとか欲しいわね……。あ、そう言えば……」

 この王立学園には、空調用の魔道具が設置されていなかっただろうか?
 寮の個室にはさすがに設置されていないけど……。
 確か、談笑スペースに設置されてあった気がする。

「とりあえず行ってみようかしら……」

 私は部屋を出て、談話室へと向かった。
 すると――そこには先客がたくさんいた。
 それも、女性陣ばかりである。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

領主の妻になりました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:525pt お気に入り:3,673

虐げられていた黒魔術師は辺境伯に溺愛される

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:653

悪役令嬢は断罪イベントから逃げ出してのんびり暮らしたい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:468

フラウリーナ・ローゼンハイムは運命の追放魔導師に嫁ぎたい

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:18,226pt お気に入り:837

【完結】あなたは知らなくていいのです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:32,796pt お気に入り:3,828

処理中です...