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215話 イザベラ様-4【アリシア視点】

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「おお! ここにいたか、イザベラ!」

「エドワード殿下。どうされましたか?」

 エドワード王子がイザベラ様に話し掛けたことで、わたしの計画は台無しになってしまいました。
 彼女はわたしにとって特別な人です。
 でも、それは他の人も同じ。
 錚々たる方々がイザベラ様の周りに集まってきます。
 わたしも必死にイザベラ様とお近づきになろうとするのですが、なかなか上手くいきません。
 わたしにとっての彼女は唯一無二の特別な人ですが、彼女にとってのわたしは大勢の中の一人でしかない。
 そう思うと、胸が苦しくなりました。

 そんな黒い気持ちが蓄積していったせいでしょうか。
 二年目の秋祭りで、わたしは闇の瘴気に当てられてしまったようです。
 思いが暴走し、自分の体を上手く制御できません。

「わたしはイザベラさまが好きでしたぁ。でもぉ、あなたはわたしのことを避け始めていたでしょう? だからわたしぃ、頑張ったんですよぅ」

「何を……?」

「愚かな男達を唆して、イザベラさまを理不尽に断罪させる。そして、わたしを好きになってもらおうとしたんですよぉ!」

 彼女に群がる害虫どもを排除すれば、わたしだけのイザベラ様になる。
 わたしはそんな思いを胸に、暴走を続ける。
 しかし――

「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」

 彼女の呟きを聞いて、ふと我に返る。
 違う。
 わたしはこんなことがしたかったんじゃない。
 わたしは――
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