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164話 謝罪

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「皆様、なぜここにいるのです? ここは立ち入り禁止区域ですよ」

「とある人物から情報を得たのでな。お前の企みについて調べさせてもらった」

「……」

「イザベラ、君はアリシアに何をしたんだ?」

「何のことでしょうか?」

「惚けるな。今、君がアリシアにしたことは目に余るものがある」

「殿下に指図される謂れはありません」

「これは命令だ。アリシアへの暴行をやめろ。そして彼女に謝れ。さもなくば、こちらにも考えがある」

 エドワード王子はイザベラを睨む。
 その視線は冷たかった。

「アリシアさんに謝ればよろしいのですね? わかりました。アリシアさん、申し訳ありませんでした。これでよろしいですか?」

 イザベラはアリシアにほんの少しだけ頭を下げる。
 その様子からは、微塵も反省の色が見えなかった。
 用は済んだとばかりに、イザベラはその場を去ろうとする。

「待てっ! そんな謝罪では……」

「いいのです、エド。わたしも悪かったのですから」

「アリシア……」

 エドワード王子とアリシアが視線を合わせる。
 その仲睦まじい様子を見て、イザベラのイライラはさらに募っていく。

「……覚えてなさい」

 まるで人を殺しかねないような形相で二人を見つつ、イザベラはその場を後にしたのだった。
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