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101話 酔い醒ましのポーション

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 フレッドが寝てしまってから、数分が経過した。

(ふう……。ようやく落ち着いてきたわ)

 私は息を整える。
 彼はイケメンだけど、義弟だからね。
 一線は越えないようにしないと……。

(フレッドが起きたら、酔い醒ましのポーションを飲んでもらおうかしら?)

 私が酔い潰れていたのは、ワインをジュースと勘違いしてたくさん飲んだからだ。
 フレッドも私と競ってたくさん飲んでいたので、酔いつぶれるのも当然と言っていい。
 直前まで酔った様子がなかったのは、やせ我慢していたか、あるいは酔いが顔に出ないタイプだったかだろう。

「ん……」

「あっ、起きた?」

「あ、姉上!?」

 フレッドは驚いたように目を見開いた。
 そして、慌てて起き上がった。

「ここは一体……」

「秋祭りの休憩所よ」

「ああ、そういえばそうでしたね」

「あなた、酔っ払って眠っちゃったのよ」

「そ、そうでした。申し訳ありません」

「謝ることなんて何もないわよ。むしろ、迷惑をかけちゃったのはこっちだし……」

「いえ、そんなことないです。僕は姉上と二人きりで過ごせて嬉しかったですし」

「そう言ってもらえると助かるわ」

 私は笑顔を浮かべた。
 すると、フレッドもつられたのか微笑んでくれた。

「ねえ、気分はどうかしら? 吐き気とか頭痛はある?」

「大丈夫ですよ。もうすっかり良くなりました。今は、心地良い高揚感があるだけです」

「それなら良かった」

 私はホッと胸をなでおろした。

「でも、一応は酔い醒ましのポーションを飲んでおきなさい。後でまた酔いが回ってくるかもしれないし」

「はい、わかりました」

 フレッドは素直に頷くと、私からポーションを受け取る。

「…………」

 彼はなぜか、ポーションを飲まない。
 何かを考え込んでいるようだ。

「どうしたの? 早く飲みなさいよ」

 私は首を傾げる。

「いえ、その……」

 フレッドは口籠もりながらも、意を決したような表情をする。
 そして……。

「姉上……。酔いの勢いを借りてこんなことを言うなんて卑怯だとわかっているのですが……どうしても聞いて欲しいことがあるんです!」

 真剣な眼差しで訴えてきた。

「え? ちょ、ちょっと待って! まだ心の準備が出来ていないわよ!」

 私は思わず動揺する。
 まさかの展開だ。
 彼の真剣な表情……。
 何を言おうとしているのか、おおよその想像はつく。

(……いえ、違うわ。きっとこれは気のせいよ……)

 私は大きく息を吸う。
 だが、私の希望的観測に反して、フレッドの言葉はさらに続いた。

「僕は姉上のことが好きです。姉弟としてではなく、一人の女性として」
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