95 / 241
95話 酔っ払い
しおりを挟む
私は秋祭りを楽しんでいる。
フレッドとフルーツジュースの飲み比べをした。
「なんだか頭がぼぅっとするわねぇ」
「姉上、本当に大丈夫なんでしょうか……? 顔が真っ赤ですよ」
「だいじょうぶよぉ。ふぇへへへへへぇ」
何だかろれつが回らないけど、私は元気いっぱいよ。
ただちょっとだけ眠くなってきちゃったかな?
でも、まだまだいける気もするわ。
「イザベラ様……。どうしたのでしょう。……あっ!?」」
アリシアさんが何かに気付いたようだ。
「フ、フレッドさん! このジュース、お酒が入っているんじゃないんですかっ!?」
「え? ああっ! 本当だ! しまった! うっかりしていました!」
なにやら二人が慌てた様子だ。
「ふぇへへぇ。どうしたのぉ? 二人共」
「姉上、すみません。実はジュースではなく、ワインだったようです」
「そうなのぉ? でも、全然そんなこと感じないわねぇ。私はまだまだいけるわよぉ」
アルコールが入っていたのなら酔っ払ってしまうはずだけど、私にそんな気配はない。
度数の低いお酒だったのだろう。
うぇへへ……。
「いえ、姉上は酔っています」
「酔ってなんかいないってぇ。フレッドだって、平気な顔をしてるじゃない」
「僕は毒耐性があるので……。まぁ、ほろ酔い程度ですね」
フレッドは毒物に精通している。
単なる知識だけではなく、人体上の耐性もある。
「ふぇへへぇ~」
「駄目だ、完全に酔っ払っている……。このままでは危険です。早くここを離れましょう」
「確かにそうかもしれませんね。イザベラ様、失礼します」
「むぎゅ」
突然アリシアさんに抱き抱えられた。
彼女は、私をそのままどこかに連れて行こうとする。
「姉上、しっかりしてください。今、休憩所に連れていきますからね」
「イザベラ様は、わたしがちゃんとお運びしますよ」
「うん……。わかったぁ」
私はアリシアさんの胸に抱かれながら、ぼんやりとした意識の中で返事をする。
彼女は結構力持ちだよね。
光魔法だけじゃなくて、色んな鍛錬もして頑張っている成果だ。
「柔らかくていい気持ちぃ……」
「ひゃんっ! イザベラ様、そこは……」
なんだかアリシアさんが変な声を出している。
どうしたのだろう?
と、そんなことを考えているうちに、休憩所とやらに着いたようだ。
「イザベラ様、こちらに下ろしますからね」
「姉上、ご気分はいかがですか?」
ベンチに腰掛けると、フレッドとアリシアさんが心配そうに話しかけてきた。
「ふぇへへ……。私は、だいじょーぶよぉ。ちょっと、眠たいだけだから……」
私はアリシアさんの太股に頭を預けると、ゆっくりと目を閉じたのだった。
フレッドとフルーツジュースの飲み比べをした。
「なんだか頭がぼぅっとするわねぇ」
「姉上、本当に大丈夫なんでしょうか……? 顔が真っ赤ですよ」
「だいじょうぶよぉ。ふぇへへへへへぇ」
何だかろれつが回らないけど、私は元気いっぱいよ。
ただちょっとだけ眠くなってきちゃったかな?
でも、まだまだいける気もするわ。
「イザベラ様……。どうしたのでしょう。……あっ!?」」
アリシアさんが何かに気付いたようだ。
「フ、フレッドさん! このジュース、お酒が入っているんじゃないんですかっ!?」
「え? ああっ! 本当だ! しまった! うっかりしていました!」
なにやら二人が慌てた様子だ。
「ふぇへへぇ。どうしたのぉ? 二人共」
「姉上、すみません。実はジュースではなく、ワインだったようです」
「そうなのぉ? でも、全然そんなこと感じないわねぇ。私はまだまだいけるわよぉ」
アルコールが入っていたのなら酔っ払ってしまうはずだけど、私にそんな気配はない。
度数の低いお酒だったのだろう。
うぇへへ……。
「いえ、姉上は酔っています」
「酔ってなんかいないってぇ。フレッドだって、平気な顔をしてるじゃない」
「僕は毒耐性があるので……。まぁ、ほろ酔い程度ですね」
フレッドは毒物に精通している。
単なる知識だけではなく、人体上の耐性もある。
「ふぇへへぇ~」
「駄目だ、完全に酔っ払っている……。このままでは危険です。早くここを離れましょう」
「確かにそうかもしれませんね。イザベラ様、失礼します」
「むぎゅ」
突然アリシアさんに抱き抱えられた。
彼女は、私をそのままどこかに連れて行こうとする。
「姉上、しっかりしてください。今、休憩所に連れていきますからね」
「イザベラ様は、わたしがちゃんとお運びしますよ」
「うん……。わかったぁ」
私はアリシアさんの胸に抱かれながら、ぼんやりとした意識の中で返事をする。
彼女は結構力持ちだよね。
光魔法だけじゃなくて、色んな鍛錬もして頑張っている成果だ。
「柔らかくていい気持ちぃ……」
「ひゃんっ! イザベラ様、そこは……」
なんだかアリシアさんが変な声を出している。
どうしたのだろう?
と、そんなことを考えているうちに、休憩所とやらに着いたようだ。
「イザベラ様、こちらに下ろしますからね」
「姉上、ご気分はいかがですか?」
ベンチに腰掛けると、フレッドとアリシアさんが心配そうに話しかけてきた。
「ふぇへへ……。私は、だいじょーぶよぉ。ちょっと、眠たいだけだから……」
私はアリシアさんの太股に頭を預けると、ゆっくりと目を閉じたのだった。
0
お気に入りに追加
2,167
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は処刑されないように家出しました。
克全
恋愛
「アルファポリス」と「小説家になろう」にも投稿しています。
サンディランズ公爵家令嬢ルシアは毎夜悪夢にうなされた。婚約者のダニエル王太子に裏切られて処刑される夢。実の兄ディビッドが聖女マルティナを愛するあまり、歓心を買うために自分を処刑する夢。兄の友人である次期左将軍マルティンや次期右将軍ディエゴまでが、聖女マルティナを巡って私を陥れて処刑する。どれほど努力し、どれほど正直に生き、どれほど関係を断とうとしても処刑されるのだ。

私に婚約者がいたらしい
来栖りんご
恋愛
学園に通っている公爵家令嬢のアリスは親友であるソフィアと話をしていた。ソフィアが言うには私に婚約者がいると言う。しかし私には婚約者がいる覚えがないのだが…。遂に婚約者と屋敷での生活が始まったが私に回復魔法が使えることが発覚し、トラブルに巻き込まれていく。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

他人の婚約者を誘惑せずにはいられない令嬢に目をつけられましたが、私の婚約者を馬鹿にし過ぎだと思います
珠宮さくら
恋愛
ニヴェス・カスティリオーネは婚約者ができたのだが、あまり嬉しくない状況で婚約することになった。
最初は、ニヴェスの妹との婚約者にどうかと言う話だったのだ。その子息が、ニヴェスより年下で妹との方が歳が近いからだった。
それなのに妹はある理由で婚約したくないと言っていて、それをフォローしたニヴェスが、その子息に気に入られて婚約することになったのだが……。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。

婚約破棄ですか。ゲームみたいに上手くはいきませんよ?
ゆるり
恋愛
公爵令嬢スカーレットは婚約者を紹介された時に前世を思い出した。そして、この世界が前世での乙女ゲームの世界に似ていることに気付く。シナリオなんて気にせず生きていくことを決めたが、学園にヒロイン気取りの少女が入学してきたことで、スカーレットの運命が変わっていく。全6話予定

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる