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20話 冒険者ギルドに報告
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「ええっ!? だ、ダンジョンが見つかったんですか!?」
「ああ。湖の中にあった建物の中にな」
翌日、カイルとエミリアは冒険者ギルドでダンジョンの発見について報告していた。
「そ、そんな場所にダンジョンが……。それで、そのダンジョンの中は……」
「わからん。なにせ、入り口が水没していたものでな」
「困りましたね……。水中でも活動できる冒険者は、あまり多くないのですが……。特殊なスキル持ちじゃないと……」
「そうだな。ま、気長に募集するしかないだろう。俺も入れないし」
「カイルさんの『ハキ』スキルの今後に期待ですね!」
「いや、どうだろう? そこまで都合よく水中で活動できる類の力が発現するかどうか……」
「わかりました。ダンジョンの情報はギルドから発信させていただきます。情報提供ありがとうございました」
「おう。それで、ついでに魔物も狩ってな。ビッグサーペントなのだが……」
「ビッグサーペント!? まさか、ダンジョンから溢れてきたのでしょうか?」
「おそらくな。まあ、俺の『ハキ』スキルの敵ではなかったが。これが魔石だ」
「おおっ! この大きさは、確かにビッグサーペント級のものでしょう! 素晴らしいですね」
「ああ。これでしばらくは食うに困らない」
「ランクアップはできそうですか?」
「そうですね……。カイルさんとエミリアさんの実績はっと……。ああ、惜しいですね」
「惜しい?」
「はい。戦闘ポイントは十分ですが、信用ポイントが足りません」
「信用? 冒険者ギルドは俺たちを信用していないのか?」
「いえ、あくまで上位のランクに上げるには少し足りないという意味です。もちろん個人的には信じていますけど」
「ふむ。それで、その信用ポイントとやらを上げるにはどうしたらいいんだ?」
「それはですね……」
受付嬢が答えかけたときだった。
「だ、だれか助けてください! 村が……村が大変なんです!!」
ギルドの入り口から、血相を変えた少女が転がり込んできたのだった。
「ああ。湖の中にあった建物の中にな」
翌日、カイルとエミリアは冒険者ギルドでダンジョンの発見について報告していた。
「そ、そんな場所にダンジョンが……。それで、そのダンジョンの中は……」
「わからん。なにせ、入り口が水没していたものでな」
「困りましたね……。水中でも活動できる冒険者は、あまり多くないのですが……。特殊なスキル持ちじゃないと……」
「そうだな。ま、気長に募集するしかないだろう。俺も入れないし」
「カイルさんの『ハキ』スキルの今後に期待ですね!」
「いや、どうだろう? そこまで都合よく水中で活動できる類の力が発現するかどうか……」
「わかりました。ダンジョンの情報はギルドから発信させていただきます。情報提供ありがとうございました」
「おう。それで、ついでに魔物も狩ってな。ビッグサーペントなのだが……」
「ビッグサーペント!? まさか、ダンジョンから溢れてきたのでしょうか?」
「おそらくな。まあ、俺の『ハキ』スキルの敵ではなかったが。これが魔石だ」
「おおっ! この大きさは、確かにビッグサーペント級のものでしょう! 素晴らしいですね」
「ああ。これでしばらくは食うに困らない」
「ランクアップはできそうですか?」
「そうですね……。カイルさんとエミリアさんの実績はっと……。ああ、惜しいですね」
「惜しい?」
「はい。戦闘ポイントは十分ですが、信用ポイントが足りません」
「信用? 冒険者ギルドは俺たちを信用していないのか?」
「いえ、あくまで上位のランクに上げるには少し足りないという意味です。もちろん個人的には信じていますけど」
「ふむ。それで、その信用ポイントとやらを上げるにはどうしたらいいんだ?」
「それはですね……」
受付嬢が答えかけたときだった。
「だ、だれか助けてください! 村が……村が大変なんです!!」
ギルドの入り口から、血相を変えた少女が転がり込んできたのだった。
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