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第1章

81話 お仕置き

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「ふ、ふざけんなぁっ! あたいはまだ負けてねぇっ!!」

「もうっ! 往生際が悪いよっ!!」

 再び暴れようとするヘルルーガを、シンカが押さえる。
 実力の差、それに闘気の出力の差は歴然だ。
 ヘルルーガ程度では、今のシンカに逆立ちしても勝てない。

「ぐぬぬっ! こうなったらヤケだ! この入学式場まるごと、あたいの全闘気で爆破してやるぜぇぇっ!!」

「えっ!? そ、それはまずいよっ!!」

「知らねぇっ! 死ねやぁぁっ!!」

 その言葉通り、ヘルルーガは全闘気を開放しようとしている。
 余やシンカがあの程度の闘気でどうにかなるわけもないが、一般生徒たちはマズい。
 倒れてしまっている教師たちも、まともにレジストできないだろう。
 さすがにそれを許すことはできな……ん?

「ひぃやああああああっ!?」

 ヘルルーガが絶叫する。
 彼女の闘気開放を妨害するべく、シンカが動いたようだ。

「君が悪いんだよ? ファンなのは嬉しいけど、やり過ぎだから」

「だからっ! あたいはファンなんかじゃっ! ひゃうんっ!?」

 ヘルルーガが情けない声を上げる。
 それも当然のこと。
 シンカがヘルルーガの股間部を足で刺激しているのだ。
 子ども同士のイタズラでたまに行われる、いわゆる電気アンマというやつだな。

「過激なファンにはお仕置きしないと。僕に絡んでくるだけでもちょっと迷惑なのに、他の人も巻き込もうとしたよね? 入学式もメチャクチャにして……」

 シンカが小言を言いつつ、足を小刻みに振動させる。

「や、やめっ! ああんっ! そこはダメェッ!」

 ヘルルーガは両手でシンカの足を持ち、必死に抵抗している。
 だが、力の差は歴然。
 大人と子どもほどの差がある。

「うーん……。どうしたものかな……。やっぱりもっと追い込んでおくべき?」

「あ、謝るっ! 全部謝るから! だから許してくれぇっ!!」

「ほんとに悪いことしたって思っているなら、態度で示してほしいんだけどなぁ。僕は誰? 君は何?」

 そう言いながら、シンカの足の振動が激しくなっていく。
 彼女のそっち方面のテクニックは、この1年でずいぶんと向上している。
 余とよく夜を共にしていることに加え、時にフレアやイリスともいっしょに寝ておるからな。
 ヘルルーガは顔を真っ赤にし、必死に耐えていたのだった。
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