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第1章

68話 なかなか面白い

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 余は2年生として、入学式に参列している。
 校長の長話にも飽き始めたとき、謎の二人組が校長を襲撃した。

「わたくしはバーンクロス家が次女。昨年度の首席合格者フレア=バーンクロスの妹、ユリア=バーンクロスと申しますの。以後お見知りおきくださいませ」

「あたいはヘルルーガ。見ての通り、鍛え上げた肉体が自慢だ。よろしく頼むぜ」

 オレンジ髪の少女と、水色の髪をポニーテールにした少女が、壇上で自己紹介をする。
 校長を襲撃しておいて堂々と名乗るとは、いい度胸だ。

「……何をやっているのですか、彼女たちは……」

 イリスが小声で呟いた。

「そう言うな。なかなか面白いではないか」

「ディノス陛下がそう仰るのなら……。しかし、この状況はまずいですよ。入学式をめちゃくちゃにする気でしょうか?」

「そうかもな。クハハ」

「ディノス陛下まで楽しまないで下さい」

 イリスは少し怒った口調でそう言ったのだった。
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