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第1章
49話 イリスの故郷
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------イリス視点 --------
「危なかった……。危うく理性を失うところでした」
わたしは魔王城から飛び立つと、ホッと一息つきました。
あの状況で最後までやっていたら、どうなっていたか分かりません。
いくら魔眼で暗示をかけられていたとはいえ、自分の行動が信じられないのです。
「それにしても、まさかあんなことをしてしまうなんて……。わたしは淫乱になってしまったのでしょうか?」
自分の魔眼でフレアさんやシンカさんを催眠状態にしたのはわたしですが、ディノス陛下があれほどお二人をお求めになるとは想定外でした。
つい、わたしは物陰からそれを盗み見てしまいました。
その上、気がついたときには自ら慰めており、あまつさえそれをディノス陛下に見られてしまうとは……。
顔から火が出るかと思いました。
そして、わたしの痴態を見たディノス陛下は、わたしに魔眼を使用されました。
わたしが催眠を掛けられる側にのは想定外です。
てっきり、ディノス陛下はわたしにご興味がないとばかり……。
「うう……」
その後は、催眠の効力があったとはいえ、かなり乱れてしまいました。
思い出すと恥ずかしくて死んでしまいそうになります。
でも、不思議と後悔はないんですよね。
むしろ、心の奥底では望んでいたような気がするんです。
「……って、なにを考えているのですか、イリス・ノイシェル!」
頬に熱を感じながら、わたしは自分の思考を振り払いました。
今はそんなことを考えている場合ではありません。
早くディノス陛下から遠ざからないと……。
今の陛下は、フレアさんとシンカさんを抱かれた熱で興奮されているご様子……。
勢いでわたしまで求められてきましたが、冷静になればわたしなど相手にされるはずもありません。
そもそも、わたしは竜種です。
魔族とは生きる世界が違います。
歴代最強の魔王であるディノス陛下の寵愛を受けるのは、同じ魔族であるフレアさんか、あるいは人族の勇者であるシンカさんが相応しいでしょう。
「……とにかく、このまま遠くへ逃げましょう」
そう考えたわたしは、なるべく人里から離れた山奥へと向かいました。
……懐かしい。
ここは、わたしが数百年前に住んでいた故郷です。
最後の同族であるお婆ちゃんが息を引き取った場所でもあります。
この辺りには強力な魔物が多く生息しており、普通の人間が立ち入ることはまずあり得ません。
きっと、ここなら落ち着いて今後の身の振り方を考えることができることでしょう。
わたしはそう考え、しばらくここに佇んでいたのですが……。
ふと、近くに人の気配を感じました。
「やはりここにいたか、イリスよ」
わたしの愛しい人から、そのような言葉が掛けられたのでした。
「危なかった……。危うく理性を失うところでした」
わたしは魔王城から飛び立つと、ホッと一息つきました。
あの状況で最後までやっていたら、どうなっていたか分かりません。
いくら魔眼で暗示をかけられていたとはいえ、自分の行動が信じられないのです。
「それにしても、まさかあんなことをしてしまうなんて……。わたしは淫乱になってしまったのでしょうか?」
自分の魔眼でフレアさんやシンカさんを催眠状態にしたのはわたしですが、ディノス陛下があれほどお二人をお求めになるとは想定外でした。
つい、わたしは物陰からそれを盗み見てしまいました。
その上、気がついたときには自ら慰めており、あまつさえそれをディノス陛下に見られてしまうとは……。
顔から火が出るかと思いました。
そして、わたしの痴態を見たディノス陛下は、わたしに魔眼を使用されました。
わたしが催眠を掛けられる側にのは想定外です。
てっきり、ディノス陛下はわたしにご興味がないとばかり……。
「うう……」
その後は、催眠の効力があったとはいえ、かなり乱れてしまいました。
思い出すと恥ずかしくて死んでしまいそうになります。
でも、不思議と後悔はないんですよね。
むしろ、心の奥底では望んでいたような気がするんです。
「……って、なにを考えているのですか、イリス・ノイシェル!」
頬に熱を感じながら、わたしは自分の思考を振り払いました。
今はそんなことを考えている場合ではありません。
早くディノス陛下から遠ざからないと……。
今の陛下は、フレアさんとシンカさんを抱かれた熱で興奮されているご様子……。
勢いでわたしまで求められてきましたが、冷静になればわたしなど相手にされるはずもありません。
そもそも、わたしは竜種です。
魔族とは生きる世界が違います。
歴代最強の魔王であるディノス陛下の寵愛を受けるのは、同じ魔族であるフレアさんか、あるいは人族の勇者であるシンカさんが相応しいでしょう。
「……とにかく、このまま遠くへ逃げましょう」
そう考えたわたしは、なるべく人里から離れた山奥へと向かいました。
……懐かしい。
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この辺りには強力な魔物が多く生息しており、普通の人間が立ち入ることはまずあり得ません。
きっと、ここなら落ち着いて今後の身の振り方を考えることができることでしょう。
わたしはそう考え、しばらくここに佇んでいたのですが……。
ふと、近くに人の気配を感じました。
「やはりここにいたか、イリスよ」
わたしの愛しい人から、そのような言葉が掛けられたのでした。
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