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47話 Cランク昇格試験の申請
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受付嬢が猫まるの可愛さにやられて暴走した。
やっと落ち着いたところで、本題に入る。
まずは、依頼達成の報酬の件である。
「おお! こんなにもらっていいのか?」
大量の金貨をもらった。
「もちろんよ。むしろ、少ないぐらい。あれだけの量の食材を運ぶのは、かなり大変な作業なのよ」
受付嬢がそう言う。
「なるほどねえ」
ま、確かに一般的には大変なのだろう。
とはいえ、俺にとっては大したことない量だったのだが。
アイテムボックスが使えるし。
移動も、普通なら往復で10日以上かかるところ、俺たちなら片道あたり1日以内で可能だった。
ボロい商売だな。
「依頼の達成処理はこれで終わりね。お疲れ様」
「おう。……って、あれ? ランクアップはしないのか?」
セイレーンの受付嬢の話では、試験さえ合格すればランクアップできる段階にまで来ているという話だったが。
「ランクアップ? この食料運搬の任務は、報酬はそれなりだけど、功績にはあまり繋がらないわね……。がんばれば、低ランクの人にもできる内容だし。いえ、カエデちゃんのスピードはすごかったとは思うけど……」
受付嬢がそう言う。
「そうなのか……」
うーん。
せっかくだから、俺の実力を示す意味でも、早めにランクを上げておきたかったのだが。
「いや、待て。新たに討伐した魔物がギルドカードに登録してあるはずだ。それを確認してくれ」
「魔物? 確かに、カエデちゃんは以前ゴブリンを大量に討伐していたものね。セイレーンまでの道中で討伐していた魔物次第では……って、何これ!?」
受付嬢が驚きの声を上げる。
「え? どうしたんだ?」
「こ、これは……」
「なんだよ。何がおかしな点でもあったのか?」
「ビッグ・ジョー……。討伐難易度Aランクの魔物の討伐履歴があるんだけどっ!?」
彼女が驚きの声を上げる。
実際に討伐したのだから、履歴が残っていて当然だ。
俺が討伐して、セイレーンの町で魔石を提示して討伐認定を受けたのだからな。
「ああ。ビッグ・ジョーは確かに俺が討伐したぞ。そんなに騒ぐほどのことか?」
「騒ぐほどのことよ! ビッグ・ジョーは、海の魔物の中でも相当上位の危険生物なのよ! さすがに、Sランクのクラーケンやアクアドラゴンと並ぶほどではないけれど……」
ふむ。
まあ、ビッグ・ジョーが原因で漁が止まるぐらいだからな。
厄介な魔物であることは間違いないのだろう。
「ええと。しかし、クラーケンやアクアドラゴンとやらよりも弱いのだろう?」
「ビッグ・ジョーも十分に脅威なの! いくらカエデちゃんが強いといっても、一人で倒せるような相手じゃないはずよ!」
「でも、本当に倒したんだが……」
「信じられないわ!」
受付嬢がそう言いながら首を左右に振る。
「まあ、そう言われてもな……。じゃ、証拠を見せるか」
証拠も何も、ギルドカードに履歴が記載されていることが何よりの証拠なのだが。
偽造は重罪だし、そもそも偽造できるようなつくりではないそうだからな。
とはいえ、他の証拠があった方がスムーズに信じてもらえるだろう。
俺はアイテムボックスから、ビッグ・ジョーの魔石を取り出した。
青色に輝く、大きな魔石だ。
「ほれ」
「…………」
受付嬢は唖然としている。
「これで納得してくれたかな?」
俺は彼女に問いかける。
「……え、ええ……」
彼女は呆けた表情のまま、首肯する。
「ビッグ・ジョーの討伐……。セイレーンのギルドの認可もあるし、そもそも信じないわけにはいかないわね……」
「よし」
とりあえず、受付嬢は納得させれたようだ。
「わかったわ。Cランク昇格試験の手続きを進めておくわ」
「おお。ありがたい」
「今からの申請だと……。ちょうど、2週間後の試験に間に合いそうね。場所は隣町のルクセリアよ。それでいい?」
「構わない。それで進めてくれ」
よし、予定通りにランクアップ試験を受けられそうである。
「ちなみに、試験の内容はわかるのか?」
「そうね。筆記試験、魔法実技試験、それに近接模擬試合ね」
Cランクの昇格試験となると、それなりに難しい内容になるのだろう。
「なるほど。それぞれの試験で高得点を取る必要があると……」
「いえ。合否の厳密な基準は非公開だけれど、全てで高得点を取る必要はないわ。むしろ、どれかの分野で一定以上の水準に達していれば合格といった感じね」
「そうなのか?」
「そりゃそうでしょう。経験豊富で知識があるけど弱い人とか、魔法技術は優れているけど腕っぷしは大したことない人とか、剣術に秀でているけど魔法を使えない人とか。そういう人をDランクにとどめているのはもったいないもの。あくまで、いずれかの領域で一人前の水準に達していればいいのよ」
受付嬢が説明する。
「ふーん。そういうもんかね」
そういえば、グリズリーやガンツもCランクだったか。
あいつらも、この昇格試験を突破しているんだよな。
俺も負けてられん。
「ちなみに、Bランク以上になってくるとより総合的な能力が要求されるわ。ま、中には一点集中型の人もいるけれど……」
「わかった。ま、今回はとりあえずCランクに上がれればいいさ」
「応援しているわ。参加申請はこっちから進めておくから、カエデちゃんは2週間後までにルクセリアに着いておいてね。もちろん、早めに行動するほうが確実よ」
「もちろん、わかっているさ」
こうして、俺はCランク昇格試験を受けることになったのだった。
ルクセリアという町は、どのような町なのだろうか。
少し楽しみだな。
やっと落ち着いたところで、本題に入る。
まずは、依頼達成の報酬の件である。
「おお! こんなにもらっていいのか?」
大量の金貨をもらった。
「もちろんよ。むしろ、少ないぐらい。あれだけの量の食材を運ぶのは、かなり大変な作業なのよ」
受付嬢がそう言う。
「なるほどねえ」
ま、確かに一般的には大変なのだろう。
とはいえ、俺にとっては大したことない量だったのだが。
アイテムボックスが使えるし。
移動も、普通なら往復で10日以上かかるところ、俺たちなら片道あたり1日以内で可能だった。
ボロい商売だな。
「依頼の達成処理はこれで終わりね。お疲れ様」
「おう。……って、あれ? ランクアップはしないのか?」
セイレーンの受付嬢の話では、試験さえ合格すればランクアップできる段階にまで来ているという話だったが。
「ランクアップ? この食料運搬の任務は、報酬はそれなりだけど、功績にはあまり繋がらないわね……。がんばれば、低ランクの人にもできる内容だし。いえ、カエデちゃんのスピードはすごかったとは思うけど……」
受付嬢がそう言う。
「そうなのか……」
うーん。
せっかくだから、俺の実力を示す意味でも、早めにランクを上げておきたかったのだが。
「いや、待て。新たに討伐した魔物がギルドカードに登録してあるはずだ。それを確認してくれ」
「魔物? 確かに、カエデちゃんは以前ゴブリンを大量に討伐していたものね。セイレーンまでの道中で討伐していた魔物次第では……って、何これ!?」
受付嬢が驚きの声を上げる。
「え? どうしたんだ?」
「こ、これは……」
「なんだよ。何がおかしな点でもあったのか?」
「ビッグ・ジョー……。討伐難易度Aランクの魔物の討伐履歴があるんだけどっ!?」
彼女が驚きの声を上げる。
実際に討伐したのだから、履歴が残っていて当然だ。
俺が討伐して、セイレーンの町で魔石を提示して討伐認定を受けたのだからな。
「ああ。ビッグ・ジョーは確かに俺が討伐したぞ。そんなに騒ぐほどのことか?」
「騒ぐほどのことよ! ビッグ・ジョーは、海の魔物の中でも相当上位の危険生物なのよ! さすがに、Sランクのクラーケンやアクアドラゴンと並ぶほどではないけれど……」
ふむ。
まあ、ビッグ・ジョーが原因で漁が止まるぐらいだからな。
厄介な魔物であることは間違いないのだろう。
「ええと。しかし、クラーケンやアクアドラゴンとやらよりも弱いのだろう?」
「ビッグ・ジョーも十分に脅威なの! いくらカエデちゃんが強いといっても、一人で倒せるような相手じゃないはずよ!」
「でも、本当に倒したんだが……」
「信じられないわ!」
受付嬢がそう言いながら首を左右に振る。
「まあ、そう言われてもな……。じゃ、証拠を見せるか」
証拠も何も、ギルドカードに履歴が記載されていることが何よりの証拠なのだが。
偽造は重罪だし、そもそも偽造できるようなつくりではないそうだからな。
とはいえ、他の証拠があった方がスムーズに信じてもらえるだろう。
俺はアイテムボックスから、ビッグ・ジョーの魔石を取り出した。
青色に輝く、大きな魔石だ。
「ほれ」
「…………」
受付嬢は唖然としている。
「これで納得してくれたかな?」
俺は彼女に問いかける。
「……え、ええ……」
彼女は呆けた表情のまま、首肯する。
「ビッグ・ジョーの討伐……。セイレーンのギルドの認可もあるし、そもそも信じないわけにはいかないわね……」
「よし」
とりあえず、受付嬢は納得させれたようだ。
「わかったわ。Cランク昇格試験の手続きを進めておくわ」
「おお。ありがたい」
「今からの申請だと……。ちょうど、2週間後の試験に間に合いそうね。場所は隣町のルクセリアよ。それでいい?」
「構わない。それで進めてくれ」
よし、予定通りにランクアップ試験を受けられそうである。
「ちなみに、試験の内容はわかるのか?」
「そうね。筆記試験、魔法実技試験、それに近接模擬試合ね」
Cランクの昇格試験となると、それなりに難しい内容になるのだろう。
「なるほど。それぞれの試験で高得点を取る必要があると……」
「いえ。合否の厳密な基準は非公開だけれど、全てで高得点を取る必要はないわ。むしろ、どれかの分野で一定以上の水準に達していれば合格といった感じね」
「そうなのか?」
「そりゃそうでしょう。経験豊富で知識があるけど弱い人とか、魔法技術は優れているけど腕っぷしは大したことない人とか、剣術に秀でているけど魔法を使えない人とか。そういう人をDランクにとどめているのはもったいないもの。あくまで、いずれかの領域で一人前の水準に達していればいいのよ」
受付嬢が説明する。
「ふーん。そういうもんかね」
そういえば、グリズリーやガンツもCランクだったか。
あいつらも、この昇格試験を突破しているんだよな。
俺も負けてられん。
「ちなみに、Bランク以上になってくるとより総合的な能力が要求されるわ。ま、中には一点集中型の人もいるけれど……」
「わかった。ま、今回はとりあえずCランクに上がれればいいさ」
「応援しているわ。参加申請はこっちから進めておくから、カエデちゃんは2週間後までにルクセリアに着いておいてね。もちろん、早めに行動するほうが確実よ」
「もちろん、わかっているさ」
こうして、俺はCランク昇格試験を受けることになったのだった。
ルクセリアという町は、どのような町なのだろうか。
少し楽しみだな。
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