S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

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第1章

233話 お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

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「どうやら、俺の強さをまだ理解していないようだな。偶然か何かでナタール連邦をぶっ潰したとでも思っているのか?」

 俺は玉座から立ち上がる。
 そして、軽く闘気と魔力を開放した。
 謁見の間は一瞬にして、張り詰めた空気に包まれる。

「ヒィッ!?」

 女性使者は情けない声を上げて腰を抜かした。
 いや、それだけではない。
 彼女の股間から、液体が染み出している。
 失禁したのだ。

「ふん。情けない女だな」

 俺はそう言って、闘気と魔力をしまう。
 謁見の間の空気が弛緩した。
 使者は、ヘナヘナと脱力して床に倒れ込む。

「同盟は拒否する。だが、属国という形なら検討してやらんでもない」

「……は、はい?」

「お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ。俺の気が変わらない内はな」

 俺はそう言って笑う。
 女性使者はポカンとした顔で、俺を見上げていた。

「では、そういうことだ。さっさと帰ってバリオス王に伝えるといい」

「か、畏まりました……」

 使者は逃げるように謁見の間から立ち去る。
 これで、バリオス王がどう出るか。
 まあ、十中八九拒否してくるだろうな。

「さてと……。再び戦争の準備だ。全軍指揮官のレスティ、近衛騎士団団長のロゼリアあたりに出撃の準備をさせるとしよう」

 これでまた、『紅血の水晶石』が完成に近づく。
 いや、そろそろ十分な量が溜まる頃合いかもしれない。
 俺は期待を膨らませつつ、玉座に腰掛けたのだった。
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