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第1章
104話 ポーション
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俺はギガント・ボアとミドル・ボアを一掃してやった。
だが、俺が駆けつける前までの時点で5人ほどはやられてしまっていた。
「ぐあぁ……。いてぇよぉ……」
「誰か、包帯を持ってきてけろ」
「薬も頼むべ」
「う、うまく撃退できればうめえもん食わせてくれるっていうから頑張ったのに……」
「ちっとは戦いの訓練でもしてくればよかったべ」
そんな弱音をこぼしているが、彼らにはまだ余裕がありそうだった。
これぐらいなら放置してもいずれ治るだろうが……。
「ほら、患部を見せてみろ」
「お、おう。わかったよ。ライル様。……いでで!」
男が足を前に出す。
ズボンの上からでもわかるぐらい酷い状態だった。
完全に骨折だな。
「ちょっと待て。今、ポーションをかけてやる」
「へ? そ、そんな高級品を!?」
「構わんさ。ほら」
俺はドバドバと無造作にポーションをかける。
すると、みるみると男の足の腫れが引いていった。
「うおおっ! す、凄えっ!」
「ふむ。ちゃんと効くようだな。次はお前たちだ」
俺は続いて、他の4人にもポーションを使用していく。
「き、奇跡が!?」
「めっちゃ効くべぇっ!!」
「最高級ポーションをこんなに惜しげもなく!?」
「ライル様はやはり神様だあっ!! ……いだいっ!!!」
「馬鹿者。治療途中であまり騒ぐな。じっとしていろ」
4人とも完治したようだな。
これでしばらくは大丈夫だろう。
「ふう……。よし、もういいぞ」
俺は軽く息を吐く。
少しだけ緊張していたので、安心した。
――もちろん、こんな野郎どもの心配をして緊張していたのではない。
俺が心配だったのは、このポーションが実際に効くかどうかだ。
(ルーシーの蘇生に向けて、できることはやっていかないとな)
死者の蘇生には、エリクサーという最上級のポーションが必要となる。
俺はその材料となる”白銀の大牙”などを集めているわけだが、もちろんそれと並行して他にもやっていることがある。
ポーションの調合の練習だ。
まずは最初級のポーションを調合し、冒険者ギルドに納めていた。
今回村人たちに使用したのは、中級ぐらいのポーションだ。
まぁ俺から見れば中級というだけで、村人レベルから見れば最高級と言っても過言ではない品質だろうが。
(何にせよ、調合の腕前は順調に伸びているかな)
俺は戦闘能力だけでない自身の成長に喜びを感じていた。
「ありがとうございました」
「なんとお礼を申し上げたらいいか……」
「いや、気にするな。それより、とりあえずは村に戻ろうぜ」
ポーションの実験をできたのは思わぬ収穫だった。
だが、そもそもの目的はまた別にある。
俺は村人に声をかけ、村に向かい始めたのだった。
だが、俺が駆けつける前までの時点で5人ほどはやられてしまっていた。
「ぐあぁ……。いてぇよぉ……」
「誰か、包帯を持ってきてけろ」
「薬も頼むべ」
「う、うまく撃退できればうめえもん食わせてくれるっていうから頑張ったのに……」
「ちっとは戦いの訓練でもしてくればよかったべ」
そんな弱音をこぼしているが、彼らにはまだ余裕がありそうだった。
これぐらいなら放置してもいずれ治るだろうが……。
「ほら、患部を見せてみろ」
「お、おう。わかったよ。ライル様。……いでで!」
男が足を前に出す。
ズボンの上からでもわかるぐらい酷い状態だった。
完全に骨折だな。
「ちょっと待て。今、ポーションをかけてやる」
「へ? そ、そんな高級品を!?」
「構わんさ。ほら」
俺はドバドバと無造作にポーションをかける。
すると、みるみると男の足の腫れが引いていった。
「うおおっ! す、凄えっ!」
「ふむ。ちゃんと効くようだな。次はお前たちだ」
俺は続いて、他の4人にもポーションを使用していく。
「き、奇跡が!?」
「めっちゃ効くべぇっ!!」
「最高級ポーションをこんなに惜しげもなく!?」
「ライル様はやはり神様だあっ!! ……いだいっ!!!」
「馬鹿者。治療途中であまり騒ぐな。じっとしていろ」
4人とも完治したようだな。
これでしばらくは大丈夫だろう。
「ふう……。よし、もういいぞ」
俺は軽く息を吐く。
少しだけ緊張していたので、安心した。
――もちろん、こんな野郎どもの心配をして緊張していたのではない。
俺が心配だったのは、このポーションが実際に効くかどうかだ。
(ルーシーの蘇生に向けて、できることはやっていかないとな)
死者の蘇生には、エリクサーという最上級のポーションが必要となる。
俺はその材料となる”白銀の大牙”などを集めているわけだが、もちろんそれと並行して他にもやっていることがある。
ポーションの調合の練習だ。
まずは最初級のポーションを調合し、冒険者ギルドに納めていた。
今回村人たちに使用したのは、中級ぐらいのポーションだ。
まぁ俺から見れば中級というだけで、村人レベルから見れば最高級と言っても過言ではない品質だろうが。
(何にせよ、調合の腕前は順調に伸びているかな)
俺は戦闘能力だけでない自身の成長に喜びを感じていた。
「ありがとうございました」
「なんとお礼を申し上げたらいいか……」
「いや、気にするな。それより、とりあえずは村に戻ろうぜ」
ポーションの実験をできたのは思わぬ収穫だった。
だが、そもそもの目的はまた別にある。
俺は村人に声をかけ、村に向かい始めたのだった。
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