S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

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第1章

94話 何でもいたします!

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 俺は商会の頭取と今後の段取りを打ち合わせていった。

「よし。こんなものか。よろしく頼むぞ」

「はい。ライル様のお力になれること、こちらとしても大変嬉しく思っております」

 頭取が頭を下げる。
 基本的には、俺ばかりに理がある話だ。
 シルバータイガーの討伐経験のある”シャオ・ブランシェ”とかいう冒険者を紹介してもらう。
 その上、その他の細々とした準備もしてくれるらしいからな。
 ただし、その見返りとして”白銀の大牙”以外の素材はこの商会に優先的に卸すことになる。

「うむ。何かあればすぐに連絡してくれ。では、そろそろ――」

「ちょ、ちょっとお待ちくださいませっ!」

「ん? 何だ? スピカ」

 頭取の娘、スピカが慌てながら割って入ってきた。
 そう言えば、彼女はずっと放置してしまっていたな。
 別に彼女の能力が不足しているというわけではないのだが、頭取が目の前にある以上、彼女と打ち合わせる意義は薄いのだ。

「あ、あの、その……」

「どうした? スピカ」

「わ、私にもできることがあれば、何でもいたします! 言って下さい!!」

 ほう。
 なんでもか。
 それならば、けつあな確定……と言いたいところだが。

「できること?」

「はい! 私、頑張りますから!!」

 スピカが真剣な眼差しを向けてくる。
 父親である頭取も、無言のまま俺を見つめていた。

「……わかった。なら、頼もうか。スピカにしかできないことだ」

「はい!! 私にお任せください!!」

「それにあたり、頭取は席を外してもらえるか? 隅に控えているメイドたちもだ」

「はぁ。それは構いませんが……。いったい、私の娘に何をさせるおつもりで?」

 頭取がほんの少しの警戒心をにじませる。

「なに、そう身構えるほどのことでもない。だが、機密性の高い事項というだけだ。お前の娘に害を与えることはないと誓おう」

「……わかりました。皆、下がれ。隣の部屋で待機していろ」

「「かしこまりました」」

 頭取たちが退室する。
 これで邪魔が入ることはないだろう。
 スピカが緊張気味に身体を固めていた。

「そう身構えるな。なにも、痛めつけようというわけではない。むしろ逆さ」

「逆、ですか?」

「ああ。スピカには天にも昇る心地を味わってもらうことになる。まずは――」

「んむっ!?」

 俺は彼女の唇を奪う。
 そしてそのまま舌を入れ込み、深い口づけを交わす。

「ん、ん、んんっ!」

 彼女は若干の抵抗を見せるが、俺の腕力に敵うはずもない。
 俺は彼女の口内を蹂躙する。
 そして、しばらくして――

「はふぅ……」

 スピカは目をハートマークにして、だらしない表情を浮かべていた。
 完全に心ここにあらずといった様子で、呆然と虚空を眺めているのだった。
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