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第1章
52話 行かせてください!
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その後、俺とミルカはアジト内に侵入した。
先導役として、男2人を歩かせている。
「さっさと歩け!」
俺はそう声を掛ける。
男たちはそれぞれ手足を失っており、かつ四つん這いで移動しているので遅いのだ。
「うぐ……」
「はあ、はあ……」
2人とも息も絶え絶えである。
1歩動くだけでもかなりの苦痛を伴うだろう。
当然だが、回復魔法やポーションは施さない。
慈悲をかけるほど、俺はお人好しではないからな。
それに……。
「もっと早く進みなさい! さもないと、酷い目に遭わせますよ!」
後ろからミルカが声を掛ける。
俺以上に、彼女の態度が苛烈だ。
彼女は盗賊たちに容赦するつもりはないらしい。
村に被害が出ているという話だしな。
先ほどからの態度を見るに、彼女と特に親しい者が犠牲になったようだ。
もしかすると、家族や恋人が死んだのかもな。
大切な者が死ぬのは辛い。
それは俺もよく知っている。
ミルカは俺のオモチャだが、もう少しだけ大切に扱ってやるか。
「ぜえ、ぜえ……。つ、着きました……」
「ひい、ひい……。あの突き当りを左に曲がったところに大部屋がありやす……」
ようやく目的地に到着したようだ。
俺が先頭に立ち、ゆっくりと進む。
「ここだな」
俺は立ち止まり、曲がり角から先を覗き見る。
そこには、確かに大部屋というべき広い空間があった。
大人数が一度に寝泊まりできそうな広さがある。
そこにいるのは30人ほどの盗賊らしき男たちであった。
奴らは全員、多少の戦闘の心得があるようだ。
見ただけでも、それぐらいはわかる。
「よし、突入するか」
俺はそう呟く。
その言葉に、ミルカは驚いた表情を見せる。
「えっ!? あの人数を相手に正面からですか!?」
「ああ、もちろんだ。ここまで来て怖気づいたのか? まあ、お前には無理強いせん。ここで待っていてもいいぞ」
こいつは俺のオモチャだが、使い捨てにする気はない。
ビビっているのであれば、後方で待機させておくのがいいだろう。
「いえ、そういうわけでは……! むしろ、村のみんなの敵を討たせていただきたいです!!」
ミルカの目に闘志が宿っていた。
ほう。
これは面白い。
「そうか。ならばお前にやってもらいたいことがある。きちんと果たせられれば、生け捕りにできた奴らのその後はお前の好きにしていいぞ」
俺はそう言う。
何の策もなしに突っ込んだとしても、S級スキル竜化を持つ俺ならどうとでもなる。
とはいえ、暴れすぎると洞窟の崩落やこの場の全員の皆殺しに繋がる可能性もある。
俺だけなら洞窟が崩落しようと余裕で助かるだろうが、ミルカや盗賊団の面々は生き埋めとなりやがて死ぬだろう。
それは避けたい。
「わ、私にできることでしたら何でもやります!」
ミルカがやる気を見せてくる。
よしよし。
「では、そうだな……。先ほどと同じように、全裸のままあの部屋に突っ込んでいけ」
「はい?」
ミルカが首を傾げる。
「聞こえなかったか? 裸のまま、あの部屋の中へ突撃しろと言ったんだ。当然、武器は無しだ。素手で敵意を見せずにな」
「そ、そんな……!」
「なんだ、できないのか? 俺の命令が聞けないのか? だったら……」
お留守番だな。
盗賊の生け捕りは少し難しくなるが、殲滅自体はどうとでもなる。
俺1人でこなすことにしよう。
……と思ったのだが。
「……分かりました!! 行きます。行かせてください!」
ミルカは意を決したようにそう叫ぶ。
ふむ。
「その意気や良し。さすがは俺のオモチャだ。褒美として、後でたっぷり可愛がってやる」
俺はそう言って、ニヤリと笑う。
初回とは違って、彼女自身の意思による志願だ。
「はい!」
嬉しそうに返事をするミルカ。
こいつもかなり訓練されてきたな。
彼女の協力のもと、盗賊団をできる限り生け捕りにしてやることにしよう。
その方が後で楽しめるからな。
先導役として、男2人を歩かせている。
「さっさと歩け!」
俺はそう声を掛ける。
男たちはそれぞれ手足を失っており、かつ四つん這いで移動しているので遅いのだ。
「うぐ……」
「はあ、はあ……」
2人とも息も絶え絶えである。
1歩動くだけでもかなりの苦痛を伴うだろう。
当然だが、回復魔法やポーションは施さない。
慈悲をかけるほど、俺はお人好しではないからな。
それに……。
「もっと早く進みなさい! さもないと、酷い目に遭わせますよ!」
後ろからミルカが声を掛ける。
俺以上に、彼女の態度が苛烈だ。
彼女は盗賊たちに容赦するつもりはないらしい。
村に被害が出ているという話だしな。
先ほどからの態度を見るに、彼女と特に親しい者が犠牲になったようだ。
もしかすると、家族や恋人が死んだのかもな。
大切な者が死ぬのは辛い。
それは俺もよく知っている。
ミルカは俺のオモチャだが、もう少しだけ大切に扱ってやるか。
「ぜえ、ぜえ……。つ、着きました……」
「ひい、ひい……。あの突き当りを左に曲がったところに大部屋がありやす……」
ようやく目的地に到着したようだ。
俺が先頭に立ち、ゆっくりと進む。
「ここだな」
俺は立ち止まり、曲がり角から先を覗き見る。
そこには、確かに大部屋というべき広い空間があった。
大人数が一度に寝泊まりできそうな広さがある。
そこにいるのは30人ほどの盗賊らしき男たちであった。
奴らは全員、多少の戦闘の心得があるようだ。
見ただけでも、それぐらいはわかる。
「よし、突入するか」
俺はそう呟く。
その言葉に、ミルカは驚いた表情を見せる。
「えっ!? あの人数を相手に正面からですか!?」
「ああ、もちろんだ。ここまで来て怖気づいたのか? まあ、お前には無理強いせん。ここで待っていてもいいぞ」
こいつは俺のオモチャだが、使い捨てにする気はない。
ビビっているのであれば、後方で待機させておくのがいいだろう。
「いえ、そういうわけでは……! むしろ、村のみんなの敵を討たせていただきたいです!!」
ミルカの目に闘志が宿っていた。
ほう。
これは面白い。
「そうか。ならばお前にやってもらいたいことがある。きちんと果たせられれば、生け捕りにできた奴らのその後はお前の好きにしていいぞ」
俺はそう言う。
何の策もなしに突っ込んだとしても、S級スキル竜化を持つ俺ならどうとでもなる。
とはいえ、暴れすぎると洞窟の崩落やこの場の全員の皆殺しに繋がる可能性もある。
俺だけなら洞窟が崩落しようと余裕で助かるだろうが、ミルカや盗賊団の面々は生き埋めとなりやがて死ぬだろう。
それは避けたい。
「わ、私にできることでしたら何でもやります!」
ミルカがやる気を見せてくる。
よしよし。
「では、そうだな……。先ほどと同じように、全裸のままあの部屋に突っ込んでいけ」
「はい?」
ミルカが首を傾げる。
「聞こえなかったか? 裸のまま、あの部屋の中へ突撃しろと言ったんだ。当然、武器は無しだ。素手で敵意を見せずにな」
「そ、そんな……!」
「なんだ、できないのか? 俺の命令が聞けないのか? だったら……」
お留守番だな。
盗賊の生け捕りは少し難しくなるが、殲滅自体はどうとでもなる。
俺1人でこなすことにしよう。
……と思ったのだが。
「……分かりました!! 行きます。行かせてください!」
ミルカは意を決したようにそう叫ぶ。
ふむ。
「その意気や良し。さすがは俺のオモチャだ。褒美として、後でたっぷり可愛がってやる」
俺はそう言って、ニヤリと笑う。
初回とは違って、彼女自身の意思による志願だ。
「はい!」
嬉しそうに返事をするミルカ。
こいつもかなり訓練されてきたな。
彼女の協力のもと、盗賊団をできる限り生け捕りにしてやることにしよう。
その方が後で楽しめるからな。
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