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第1章
42話 vsミルカ
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村長の孫娘ミルカと交戦中だ。
俺は回避に専念して穏便に済ませてやろうとしているのだが、彼女はまだまだやる気だ。
実力の差がわからないのかね。
「なんだと!」
ミルカがまたも激高する。
彼女が怒涛の連撃を放ってくるが、全て回避する。
「くそっ! 当たりさえすりゃ一発なのに!」
どうやら彼女は攻撃力に自信があるようだ。
ならば……。
「ふん。当ててみろよ」
俺はそう言って、仁王立ちする。
どうぞ攻撃してくださいと言わんばかりの体勢だ。
「馬鹿にしやがってぇえええ!!!」
ドガッ!
彼女のパンチが俺の顔面にヒットする。
「手応えあり! どうだ!?」
「大したことないな。どんどん来い!」
「やせ我慢しやがって! なら、再起不能になるまで殴り続けてやるぜ!!」
ミルカの攻撃のギアが上がる。
なかなか悪くない連撃だ。
こんな田舎の山村にも、有望な者がいるものなんだな。
よしよし……。
この調子でどんどん上げていけ……と思ったところで、彼女の動きがピタリと止まった。
「お、お前……。なんで倒れないんだよ……」
見ると、先ほどまでの勢いはどこへやら、真っ青になって震えている。
「ん? もう終わりか? なかなか悪くない攻撃だったぞ。かゆみを覚える程度の威力はあった」
俺はそう言う。
S級スキル竜化の副次的な恩恵により、人間形態における防御力もずいぶんと増している。
低威力の攻撃などでは、もはやほとんど何も感じない。
かゆみを覚えるだけ、この少女の攻撃は悪くないレベルだと言えるだろう。
「バケモノだ! コイツ、人間じゃねぇ!!」
失礼な奴だ。
だが、俺はあえて何も言わない。
ギロッ!
俺は少女をにらみつける。
「ひ、ひぃいいいっ!」
情けない声を上げながら、彼女は一目散に逃げていこうとする。
しかし……。
「どこへ行こうというのだ?」
俺は超速で彼女の前に回り込み、そう言う。
「ああああっ!! どけ、バケモノ!!!」
少女が俺の顔面に渾身のパンチを叩き込む。
俺が一瞬でも怯めば、そのスキに逃げようという意図だろう。
しかしもちろん、俺がこの程度の攻撃で怯むことはない。
「だから言っているだろう? 無駄だと」
俺はそう言いつつ、ミルカの頭を鷲掴みにする。
「うわぁああ! 放せっ!」
「うるさいな……。少し黙れ」
俺は手のひらに少し魔力を込めて、彼女に流し込んだ。
「あ、ああああぁっ!!」
彼女が悲鳴を上げる。
「く、くそっ! やめろぉ!!」
なおも抵抗しようというのか。
その気概だけは認めよう。
だが、そろそろ俺たちに協力的な態度を取ってほしいのだがな。
何か、彼女の心を折る手段はないものか。
俺は回避に専念して穏便に済ませてやろうとしているのだが、彼女はまだまだやる気だ。
実力の差がわからないのかね。
「なんだと!」
ミルカがまたも激高する。
彼女が怒涛の連撃を放ってくるが、全て回避する。
「くそっ! 当たりさえすりゃ一発なのに!」
どうやら彼女は攻撃力に自信があるようだ。
ならば……。
「ふん。当ててみろよ」
俺はそう言って、仁王立ちする。
どうぞ攻撃してくださいと言わんばかりの体勢だ。
「馬鹿にしやがってぇえええ!!!」
ドガッ!
彼女のパンチが俺の顔面にヒットする。
「手応えあり! どうだ!?」
「大したことないな。どんどん来い!」
「やせ我慢しやがって! なら、再起不能になるまで殴り続けてやるぜ!!」
ミルカの攻撃のギアが上がる。
なかなか悪くない連撃だ。
こんな田舎の山村にも、有望な者がいるものなんだな。
よしよし……。
この調子でどんどん上げていけ……と思ったところで、彼女の動きがピタリと止まった。
「お、お前……。なんで倒れないんだよ……」
見ると、先ほどまでの勢いはどこへやら、真っ青になって震えている。
「ん? もう終わりか? なかなか悪くない攻撃だったぞ。かゆみを覚える程度の威力はあった」
俺はそう言う。
S級スキル竜化の副次的な恩恵により、人間形態における防御力もずいぶんと増している。
低威力の攻撃などでは、もはやほとんど何も感じない。
かゆみを覚えるだけ、この少女の攻撃は悪くないレベルだと言えるだろう。
「バケモノだ! コイツ、人間じゃねぇ!!」
失礼な奴だ。
だが、俺はあえて何も言わない。
ギロッ!
俺は少女をにらみつける。
「ひ、ひぃいいいっ!」
情けない声を上げながら、彼女は一目散に逃げていこうとする。
しかし……。
「どこへ行こうというのだ?」
俺は超速で彼女の前に回り込み、そう言う。
「ああああっ!! どけ、バケモノ!!!」
少女が俺の顔面に渾身のパンチを叩き込む。
俺が一瞬でも怯めば、そのスキに逃げようという意図だろう。
しかしもちろん、俺がこの程度の攻撃で怯むことはない。
「だから言っているだろう? 無駄だと」
俺はそう言いつつ、ミルカの頭を鷲掴みにする。
「うわぁああ! 放せっ!」
「うるさいな……。少し黙れ」
俺は手のひらに少し魔力を込めて、彼女に流し込んだ。
「あ、ああああぁっ!!」
彼女が悲鳴を上げる。
「く、くそっ! やめろぉ!!」
なおも抵抗しようというのか。
その気概だけは認めよう。
だが、そろそろ俺たちに協力的な態度を取ってほしいのだがな。
何か、彼女の心を折る手段はないものか。
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