23 / 307
第1章
23話 ゴブリンの群れを一蹴
しおりを挟む
男女がゴブリンに追われている。
俺は彼らの代わりにゴブリンと戦ってやることにした。
「揺蕩う炎の精霊よ。契約によりて我が指示に従え。火の弾丸を生み出し、我が眼前の敵を滅せよ。ファイアーバレット!」
俺は中級の火魔法を発動させる。
もっと上級の火魔法も使えるし、格闘や剣で倒すこともできる。
だが、ゴブリン程度であれば中級の火魔法が最適だろう。
上級の火魔法は森林火災が心配だ。
ならば格闘や剣で戦うのも候補に挙がるが、その場合はゴブリンの汚れが体や剣に付着する。
ゴブリンという汚物は燃やして消毒するに限るぜ。
「「ぎゃおおぉっ!」」
ゴブリンたちが焼け死んでいく。
火力もほどほどに抑えておいた。
瞬時に灰になるほどではない。
討伐証明部位の回収も可能だろう。
「す、すげえ……!」
「ゴブリンたちを一撃で……。あの年齢で中級の火魔法を使えるなんて……!」
途中まで逃げていた男女が振り向き、そう言う。
自分たちは逃げながらも、戦いの行末を気にしていたのだろう。
「ふん。この程度、造作もない」
俺はそう言う。
S級スキル『竜化』を持つ俺にとっては、赤子の手をひねるようなものだ。
これで、脅威は去った。
しかし、男女の顔はまだ晴れない。
今にも、再び逃げ出しそうだ。
「だ、だがよう。あいつらのボスが来たら、さすがに……」
「そうね。君も、今の魔法で魔力が尽きたでしょう? いっしょに逃げるわよ!」
男女がそう言う。
普通の魔法使いであれば、そもそもあの威力の火魔法を使えない。
多少優秀で使える者がいたとしても、1発で魔力が空になるぐらいの威力だ。
通常の感覚であれば、この者の言っていることは一理ある。
しかしもちろん、俺の魔力は尽きてなどいない。
「ふむ。ゴブリンの群れは壊滅させたが、まだ後続がいるようだな」
俺はそう言う。
先ほどの一団の後方から、援軍がやってきている。
そしてーー。
ドシン、ドシン!
大きな足音が聞こえる。
「ごあああぁっ!」
一際大きなゴブリンが、叫び声を上げる。
「み、見ろ! あいつはゴブリンキングだ!」
「ゴブリンキングはB級の魔物……。私たちDランク冒険者では厳しい相手だわ……」
男女がそう言う。
こいつらはDランク冒険者だったか。
冒険者ギルドで俺が一蹴したチンピラたちより、さらに下のランクである。
ゴブリンキングはもちろん、通常のゴブリンの群れですら厳しいのも頷けるな。
「ふん。何かと思えば、ゴブリンキングか」
俺はS級スキルを持つ。
『雪原の霊峰』では、A級のギガント・ボアを始め、多数の高ランクの魔物を撃破した。
今さらB級の魔物ごときに臆する俺ではない。
ささっと蹴散らしてやることにしよう。
俺は彼らの代わりにゴブリンと戦ってやることにした。
「揺蕩う炎の精霊よ。契約によりて我が指示に従え。火の弾丸を生み出し、我が眼前の敵を滅せよ。ファイアーバレット!」
俺は中級の火魔法を発動させる。
もっと上級の火魔法も使えるし、格闘や剣で倒すこともできる。
だが、ゴブリン程度であれば中級の火魔法が最適だろう。
上級の火魔法は森林火災が心配だ。
ならば格闘や剣で戦うのも候補に挙がるが、その場合はゴブリンの汚れが体や剣に付着する。
ゴブリンという汚物は燃やして消毒するに限るぜ。
「「ぎゃおおぉっ!」」
ゴブリンたちが焼け死んでいく。
火力もほどほどに抑えておいた。
瞬時に灰になるほどではない。
討伐証明部位の回収も可能だろう。
「す、すげえ……!」
「ゴブリンたちを一撃で……。あの年齢で中級の火魔法を使えるなんて……!」
途中まで逃げていた男女が振り向き、そう言う。
自分たちは逃げながらも、戦いの行末を気にしていたのだろう。
「ふん。この程度、造作もない」
俺はそう言う。
S級スキル『竜化』を持つ俺にとっては、赤子の手をひねるようなものだ。
これで、脅威は去った。
しかし、男女の顔はまだ晴れない。
今にも、再び逃げ出しそうだ。
「だ、だがよう。あいつらのボスが来たら、さすがに……」
「そうね。君も、今の魔法で魔力が尽きたでしょう? いっしょに逃げるわよ!」
男女がそう言う。
普通の魔法使いであれば、そもそもあの威力の火魔法を使えない。
多少優秀で使える者がいたとしても、1発で魔力が空になるぐらいの威力だ。
通常の感覚であれば、この者の言っていることは一理ある。
しかしもちろん、俺の魔力は尽きてなどいない。
「ふむ。ゴブリンの群れは壊滅させたが、まだ後続がいるようだな」
俺はそう言う。
先ほどの一団の後方から、援軍がやってきている。
そしてーー。
ドシン、ドシン!
大きな足音が聞こえる。
「ごあああぁっ!」
一際大きなゴブリンが、叫び声を上げる。
「み、見ろ! あいつはゴブリンキングだ!」
「ゴブリンキングはB級の魔物……。私たちDランク冒険者では厳しい相手だわ……」
男女がそう言う。
こいつらはDランク冒険者だったか。
冒険者ギルドで俺が一蹴したチンピラたちより、さらに下のランクである。
ゴブリンキングはもちろん、通常のゴブリンの群れですら厳しいのも頷けるな。
「ふん。何かと思えば、ゴブリンキングか」
俺はS級スキルを持つ。
『雪原の霊峰』では、A級のギガント・ボアを始め、多数の高ランクの魔物を撃破した。
今さらB級の魔物ごときに臆する俺ではない。
ささっと蹴散らしてやることにしよう。
3
お気に入りに追加
1,246
あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる