病み彼

気まずい

来夢……来夢…思い出さなければいけない人だとは分かっている。だけど思い出そうとすると胸が苦しくなって思い出せない。


いつの間にか朝になっていた。今日から学校だ。兄さんや足立さんに何も言わずに寝ちゃった。失礼な事しちゃったかな。


リビングに行くとソファで寝てる足立さんが居た。台所ではエプロンをつけた兄さんの姿があった。

気まずい、おはようの一言が言えない。いつ言おうかとタイミングを伺っている時だった。足立さんが目を覚まし俺におはようと言ってきた。

ぎこちなく挨拶を返すと兄さんが振り返った。そして笑顔でおはようと言ってきた。

みんな普通に接してくれてる。俺が昨日拒んだり勝手に出て行ったりしたのに…

3人で朝食を食べている時に俺は謝った。昨日の事を。

「愛空君が気にする事じゃないよ。俺もいきなりあんな事してごめんね」

「僕も愛空の事を考えずにごめん、大人気なかった」

きっとそれぞれが反省してたのだろう。なんだか少しスッキリした。