病み彼

ふわパカ

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望むところだよ(優空side)

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今日は愛空のバイト先の先輩である足立さんと会う事になっている。待ち合わせの10分前に着いたが既に彼は居た。

「遅くなってごめんね。待たせたかな」

「こんにちは!俺もさっき来たばっかですよ。それに待ち合わせの時刻はまだですし」

爽やかな人だな。そして優しい人なのだろう。


中に入ると店員に席へと案内された。僕は珈琲を頼み足立さんは紅茶を頼んだ。紅茶飲むんだ。見た目的には炭酸とか飲みそうだけど。

「それで、話って何かな」

「あ…其れは…」

目の前の男は口籠もった。言いにくい事なのだろう。まぁ予想はついてるけど。

「俺…愛空君が好きです。愛空君は恋人がいるみたいですけど…居るって分かってても諦めきれなくて…」

彼の表情は悲しそうで見ていて辛い。昔の僕と重なる部分があって胸がチクリと痛んだ。

「でも俺自分の気持ちに嘘はつきたくないんです。だから俺愛空君の恋人よりも良い人になろうって思ってて…恋人がどんな人か教えてもらえたりしませんか?」

まさか本人に聞いてくるとは。と言っても架空でしかないのが現実であり、今は僕しか知らない事実。

「僕だよ」

「え…?」

「愛空の恋人は僕だよ」

「え…だって兄弟じゃ…」

「でも好きな気持ちは君と同じだと思う。まぁ僕の方が上かもしれないけど」

足立さんは呆然としている。それも無理はないだろう。兄弟が付き合ってるなんて思いもしなかっただろうから。

「……そう…ですか。怒ってますか?俺が諦められないこと」

「いや怒ってない。その気持ちは痛いほど僕も分かるから」

「俺……愛空君のお兄さんよりも良い人になって愛空君の心を俺のモノにします。だから覚悟してください」

僕のライバルはハッキリと告げた。彼の目は本気だ。

「望むところだよ」

どうやら恋のライバルは多いようだ。来夢に足立さんに…僕はこの二人に勝てるだろうか。いや勝ってみせる。

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