病み彼

ふわパカ

文字の大きさ
上 下
93 / 117

お疲れ様です

しおりを挟む
今日からバイトが始まる。バイト先は家から徒歩10分ほどで結構近い。俺はハンバーガーのファストフード店で働く事になった。

俺は作ったりするわけではなく注文を聞く担当…いわば接客担当になった。店長いわく俺の顔が良いから。どこが良いのか分かんないけど。

同じ職場仲間はみんな優しくて丁寧に一から教えてくれた。やっていけるか不安だったけどこれならやっていけそう。


「お疲れ様。帰るとこ?」

「あ、お疲れ様です。今上がったので支度を終えたら帰ります」

俺に話し掛けてきたのは大学二年生の足立 魂。(あだち そうる)
最初名前が読めなくて焦った。キラキラネームってやつだよな。

この人は面倒見が良くて俺に色んな事を教えてくれた。話しやすくて良い人そうだからこれからちゃんとやっていけそう。

「連絡先交換しない?」

「あ、はい」

シフトが同じだからきっと連絡をとる事も多いだろう。連絡先は交換しても損はない。

「下の名前で呼んで良いかな」

「全然構いませんよ。好きに呼んでください」

「バイト中は一応苗字で呼ぶけど仕事が終わったら下の名前で呼ばせてもらうよ」

きっとこの人は直ぐに友達を作れるタイプだと思う。人と話すのが上手い。

「家は近くなの?」

「はい。歩いて10分くらいで着きます」

「そうなんだ。俺は自転車で10分くらいかな」

話しながら店を出た。駐輪場に自転車が置いてあるらしい。俺は足立さんが戻ってくるのを待った。

「ごめんね、少し待たせちゃった。家はどっち?」

「いえ、大丈夫ですよ。家はあっちの方です」

俺が帰る方向を指さすと足立さんは笑顔になった。どうやら同じ方向らしい。という事で一緒に帰る事になった。

「自転車なのに歩かせてしまってすみません」

「こんなの気にしなくていいよ」

ケラケラと足立さんは笑う。つられて俺も笑みを浮かべた。初対面だから少し緊張してたけど少し緊張の糸が解けた気がする。

「良かった、やっと笑ってくれた」

「え、俺笑ってませんでした?」

「怖い顔してたよ」

「すみません…」

やっぱり駄目だな俺。緊張してたのが顔に出てたみたいだ。

「謝る事ないよ。でも笑ってくれて良かった。愛空君はやっぱり笑ってた方が可愛いよ。会った時から思ってたんだよね、可愛いなって」

この人は何をさらっと言ってるんだ。可愛いとか…俺男だし。如何いう反応したら良いか分からない。

「可愛いって…俺男です」

「勿論知ってるよ。でも可愛いよ」

足立さんは俺をじっと見つめた。瞳の奥まで見られてるようなこの感じが少し怖い。目を逸らす事なんて出来なかった。


話してる内に家に着いた。兄さん帰って来てるかな。


「今日はありがとうございました。これからよろしくお願いします」

「うん、これから頑張ろうね」

俺たちはそこで別れた。これからバイト生活スタートだ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

処理中です...