病み彼

ふわパカ

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色々考えてただけだから

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轟の事で話があると顧問から呼ばれていた。だからお昼休みは今日も来夢と食べれそうにない。

「こんにちは。轟の事でお話があると伺いましたが何でしょうか」

「あぁ、最近来てないけど何か知ってるか?」

何か知ってるかって…先生の所に連絡来てないのか?いくら忙しいとはいえ普通は連絡する筈だ。

「轟から連絡は来てないんですか?」

「来ていない」

「直接轟から聞いたのではないのですが轟は引っ越す事になったそうです。なので今は引っ越しの準備で忙しいとの事です。学校は退学して家の事情で就職をすると聞いています」

「そうか…だけど退学届けが出てないな…」

俺の顧問の先生は教育指導部だ。だからそういう届けは担任を通して顧問の先生の手元にいく。

「まぁいい。また連絡をしてみる。ありがとな」

「はい、失礼します」

如何いう事だ?退学届けが出てない?退学するには届け出をする必要があるというのを知らないのだろうか。否、でも其れは流石に知っている筈だ。

届けを出すとか其れ以前に退学が決まった時点で部活の顧問や担任には連絡する筈だ。なのに顧問の先生にも連絡してないなんて…此れは直接会いに行くしかないか?


「先輩….先輩!」

俺は来夢の大きな声で我に返った。今は部活も終わって帰路へとついている。

「ごめん、考え事してた」

「大丈夫ですか?体調が悪いとかじゃないですよね?」

「大丈夫。色々考えてただけだから」


家に着くと来夢は俺を玄関で抱き締めた。これから来夢はバイトだ。

「先輩…俺バイトだから一人にしちゃいますけど…気を付けてくださいね?誰かが来ても出ないでくださいね?」

「馬鹿、何歳だと思ってんだよ」

「すみません。でもそれくらい心配なんです」

来夢は俺の頬に口付けるとバイトに行った。よし、居なくなった。行かなければ。轟の家に。


轟の家に着いたは良いがインターホンを押しても誰も出てこない。留守なのかな…俺が仕方なく引き返そうとするといきなり腕を掴まれた。

誰…だよ此の人。知らない人だ。何すんだ…怖い。
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