病み彼

ふわパカ

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気持ちの問題だろ

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「なぁ愛空…お前って付き合ってる奴居たんだな。前に居ないって言ってたけどいつの間に出来たんだよ?しかも後輩なんだろ?ちらっと顔見たけど可愛い奴だな。羨ましいぜ」

やっぱり嘘の噂は広まってたか…何て言うべきなんだ?ここはキッパリ違うって言うべきか…

「付き合ってなんかねぇよ。変な噂に騙されんなよ」

「またまた嘘言っちゃって…照れんなって」

「照れてねぇよ。彼奴と俺は唯の後輩と先輩の関係だから。それ以上でもそれ以下でもねぇよ」

「でも学校中其の噂で持ちきりだぜ?」

「ンな変な噂信じるなんて如何かしてるんじゃねぇの。本人の俺が違うって言ってんのに」

「でもな…其のお前の相手が公言してるし」

「彼奴が嘘言ってんだよ。俺の言ってる事が信じられないのかよ?」

「でも…どっちも違う事言ってたら正直どっち信用すれば良いか分かんねぇよ」

確かに其れは友人の言う通りかもしれない。両者の言っている事が全く違うのだから何方を信じれば良いのか混乱するのも当たり前だ。其れに何方を信じるかもみんな次第だ。


「おい愛空、お前の後輩が来てる」

言われてドアの方を見ると来夢が弁当を持って立っていた。そうだ、お昼は一緒に食べる事になっていたんだった。


「あの人って確か愛空の後輩だよな」

「そうそう。二人で飯食うのかな」

「愛空に恋人が居るのに何でだろうな?浮気?」

「まさか、愛空に限ってそんな事しねぇだろ」

俺の去り際にそんな事を話すクラスメイトの声が聞こえる。はぁ、如何やったら此の噂を消せるんだろうか…


席に着いてお弁当を食べ始めたは良いが俺たちの間には沈黙が流れる。気まずい。何を話そう…


「…俺のクラスでは先輩と彼奴の事で盛り上がってます。先輩のクラスでもそうみたいでしたね」

「ん…俺が否定しても簡単には信じてもらえなかった」

「みんな二人はお似合いだって言ってましたよ。きっと傍から見たら俺となんかより彼奴との方がお似合いなんでしょうね」

「何言ってんだよ…似合ってるとかそんなの関係ねぇんだよ。気持ちの問題だろ。本当に好きかどうかが一番大切なんじゃねぇの」

「そう…ですね」

来夢に元気がない。いつも明るく笑ってる奴なのに。

「来夢…言っておくけど俺が好きなのはお前だけだから」

「……そろそろ教室に戻りましょうか」

話を逸らした?そんな事滅多にしないのに…

なんか来夢に避けられてるように感じる。来夢が遠くに居るような気がする…
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