病み彼

ふわパカ

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ならない

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何でだろうか…最近部活の皆が俺に対して好奇の目を向けてくる。俺何かしたか?訳が分からない。

部活の奴らは妙に俺と轟を2人きりにしようとする。何でだ?いい迷惑なんだけど。


「…あのさ、最近お前ら変だよな。俺何かしたか?何で轟と俺を2人きりにしたりとかすんだよ」

俺はここ最近ずっと疑問に思ってた事を副キャプに聞いてみた。其奴は何て言っていいか分からないというような表情をしている。

「其れは…」

「何だよ。其れは…?其れは何?」

「気を遣ってんだよ。爽太と愛空って付き合ってんだろ?」

「…は?」

何を勘違いしてんだよ。俺は轟と付き合ってなんかいない。俺にはちゃんと相手がいる。

「俺付き合ってないけど」

「隠さなくても良いだろ。いつもラブラブだって聞いたけど。其れに仲良いじゃん。爽太の方がお前にゾッコンなんたろ?」

「いやいやいやいや、ないから。其れ誰から聞いたんだよ」

「誰って…爽太から」

何だって?轟が言ったのか?

「其れ本当かよ」

「嘘は吐かない」

轟は周りの奴らにホラを吹いてるってわけか。何が目的だ。周りに変な勘違いされちゃ困る。

「あのさ、其れ嘘だから。俺たちそんな関係じゃないから」

「……何でそういう事言うんですか」

いきなり背後から声がしてびくりとなる。其処に居たのは轟だ。轟は暗く沈み俯いている。

「いや何でって…お前嘘吐くなよ」

「っ…愛空先輩酷い」

そう言って顔を覆いながら走って何処かに行ってしまった。え、何でこうなった?

「お前いくら何でも酷いだろ。爽太が可哀想」

「でも俺らは本当に付き合ってなんかないから」

「早く追い掛けて来いよ。照れ隠しでさっきみたいな事言ったんだろ?ほら早く」

背中を押される。別に照れ隠しとかじゃない。本当の事を言っただけだ。彼奴は何考えてんだ。俺を困らせたいのか?兎に角話はする必要がある。追い掛けるか。


結構走り回った。すっかり息が上がっていた。最終的に辿り着いたのは校舎裏。其処には轟がいた。

「愛空先輩….追い掛けて来てくれたんですね」

俺の大嫌いな笑みを浮かべている。腹が立つ。

「お前さ、何で皆に嘘吐いたわけ?何で勘違いされる事を言うんだよ」

「でも間違った事は言ってないですよ。何れ貴方は俺の恋人になるから」

「ならない」

「…こんなにも好きなのに…分かってくれないんですね」

「俺はお前の事好きじゃないし。俺の恋人もただ1人だけだし」

暫しの沈黙が訪れた。俺たちは何を言うわけでもなく見つめ合う。此奴の目からは何を考えているのかは読み取れない。腹の底が読めない。

するといきなり抱き寄せられた。俺は咄嗟の事で抵抗出来ずにいた。そして顔を近付けられる。ヤバイ…
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