病み彼

今年も宜しくな(r12)

俺は今来夢の家に居る。冬休みの間だけ来夢の家に泊まれる事になったのだ。父さんも母さんも快く許してくれた。


「先輩、もう少しで新年を迎えますね」

「カウントダウンが始まるな」


今は12/31の23:55だ。こうやって家族以外の人と年越しを迎えるのは初めてだ。


「俺先輩と年越せるの凄く嬉しいです」


テレビではどの番組もカウントダウンが始まる。1/1になる迄後3秒というところで来夢が俺に顔を近付けてくる。0時になったと同時に俺たちの唇が重なった。


「先輩、あけましておめでとうございます」

「おめでとう、今年も宜しくな」


俺たちは互いに見つめ合うとくすっと笑った。今物凄く幸せだ。


「初詣、一緒に行きたいです」

「そうだな。今度行くか」

「はい！」


こんなに楽しみな初詣なんて今迄あっただろうか。


「先輩、夜はまだまだこれからですよね」

「ん？うん」

「初エッチしますか？」

「は、はぁ？」


なんて事抜かしやがる。新年早々なんでそんな事…


「嫌….？」

「え…」


ズルい。こんな風に落ち込んだ顔と声色でそんな事言われたら断りきれない。其れを知ってて態と此奴はやってる。


「嫌じゃないけど…」

「ならヤりましょう先輩」


たちまち笑顔に変わる。待ってました、というように。


「……はぁ」

「先輩、油断は禁物です」


溜息を吐いている隙に来夢が俺を組み敷いた。抵抗しようにも腕をがっちり押さえられては抵抗出来ない。其れに嫌なわけじゃないから抵抗する気もあまりない。


「あれ、抵抗しないんですか？」

「して欲しい？」

「いいえ、抵抗されるともっとシたくなりますけど大人しい先輩を味わうのも最高だと思います」

「そういう小っ恥ずかしいことさらっと言うなよ」

「恥ずかしいんですか？」

「べ、別に」

「素直じゃないですね」


来夢の唇が俺の耳に触れる。俺はぴくりと肩を震わせた。

新年早々何やってんだか俺たちは。今日の夜は長くなりそう。