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村田瑛人side
しおりを挟む『あの、母さんが危篤だって……連絡したんだけど、なかなか返事が返って来ないから……』
父さんは無表情で俺を見下ろしていた。
『母さんも会いたがってるんだ。だから早く行ってあげて欲しくて……』
俺がそこまで言った時、父さんは俺を睨みつけて言った。
『何を言ってるんだ、瑛人』
『え……』
『父さんが今、どれだけ重要なことをしているのか分かっているのか?
忙しいというのに、呼び出して来たかと思ったら、そんなくだらない事を言い出して……』
『下らないって母さんのことじゃないか!なんでそんなこと……ずっと父さんのこと、待ってるのに』
『あの女の力が借りたくて俺たちは結婚したんだ。そこに愛などない。それは向こうも気づいているはずだが……』
『なっ……』
『瑛人、お前も将来有望な遺伝子だ。
こんなことで狼狽えていないで、もっと賢い選択を出来るようになりなさい
ほら、さっさと帰った』
父さんは俺を手で追い払うと、さっさと自分の研究室に戻っていった。
『父、さん……っ、なんで……』
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