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村田瑛人side
しおりを挟むこの気持ちをどこにぶつけたらいいのか分からぬまま、必死に心の奥にしまいこみ、俺は母さんの前で笑顔を作った。
ひとりぼっち、感情を吐き出せる人は誰もいない。
勉強が出来たってついてくるのは、そこにあやかろうと思っている人たちだけだ。
こうして親身に話しを出来る人が出来るわけもなく、やがて限界はやって来た。
ついにひとりでは抱え込めなくなり、俺は父さんに相談しに行った。
父さんの研究室に足を運ぶ。
見たこともない大きな機械の周りで白衣を着ている人がたくさん慌ただしく動いていた。
『あの……俺、村田義彦の息子です。父さんはどこに……』
『ああ、今呼んでくるよ』
厄介がられながらも、研究員のひとりが父さんを呼びに行ってくれると、父さんは10分くらいでこっちにやって来た。
『どうした瑛人』
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