グループディスカッション

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コンプレックスからくる魅力について

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「助かった……」


まさか朱莉からそんな言葉が返ってくるとは思わなくて、俺は驚いた。


「いつもコンプレックスは私にとって劣等感でしかなかった。その中に魅力があるなんて、思いもしなくて、何も浮かばなかった」


彼女にも何か深い過去があるのかもしれない。

俺は朱莉のこと、完璧で怖いヤツだと思っていたが、そんなんじゃなかった。


朱莉にだって苦手なことはあるし、点数に脅えることもあるんだ。


状況はみな同じ。

無理やり連れて来られて、死のゲームに参加させられている。


「いや、俺の方こそありがとう。じゃんけんの……」

すると、彼女は真剣な顔をして言った。


「ディスカッション中、じゃんけんで何かを決めようとすると、大きく減点されるの」


まじ……か。


「ジャンケンは公平性を保つものではあるけれど、こういう人を選出する場には向いてないわ」


「そっか」


下手すりゃ死んでたのかもしれないのか。

背筋が震える。


「これで貸し借り無しだから」

「ああ、そうだな」



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