長編「地球の子」

るりさん

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第十八章 暁光

疲れた人

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 学校では輝と悠太は同じクラスだったが、修学コースは違っていたので別行動をすることとなった。輝と同じ修学コースなのは、メルヴィンと朝美だったので、メルヴィンはいつもより嬉しそうにしていた。
 学校から帰ると、輝は悠太と一緒にお菓子を作るというので、メルヴィンは渋い顔をした。
 部屋につくと、早速輝は冷蔵庫から昨日作ったコーヒー寒天を出した。ミルクとガムシロップ、それにミントの葉を添えて、カップのまま出す。お茶は、寒天に合わせて爽やかな香りの台湾茶を淹れることにした。ケーキは、よく膨らんだりんご入りのカップケーキで、生地にはさつまいものペーストを練り込んだ。時間はかかったが、出来は上々で、皆に自慢したくなったので携帯で写真を撮っておいた。
 輝は、なんとなく、もう一人くらい増えてもいいように、ティーセットとケーキ、それに椅子をひとつ余計に用意した。その考えには悠太も賛成してくれた。
「誰も来なかったら、写真用にすればいいんだ。寒天ゼリーも綺麗に決まったんだから、ぜんぶセットにしてさ」
 そう言ってくれたので、輝は安心して招待客が来るのを待った。今日の課題は、もう終わっていた。
 まず最初に来たのは町子だった。彼女は緊張した面持ちでやってきたが、輝の顔を見ると、いつもの人懐っこい笑顔を見せてくれた。輝の右隣に座ると、ちらりと悠太を見て、赤くなった。
「高杉くんって、輝よりずっとイケメン」
 そんなことを言い出すものだから、輝は少し、悠太に嫉妬した。
「地球上で無敵のイケメンをいつも見てたんだろ、町子は」
 輝が口を尖らせると、町子は嬉しそうにくすくすと笑った。
「おじさんには嫉妬しないのに、高杉くんには嫉妬するんだ。なんか嬉しいな。私のこと、独占欲で縛ってくれてるの」
「普通、そういうの迷惑なんじゃないのか?」
 町子は、それを聞いてさらに楽しそうに笑った。輝はその空気の変わりように、少し、引きずられて機嫌を直した。
 次に来たのは、ナリアだった。
 ナリアは、手土産を持ってきてくれた。少し小さめの巾着袋で、一人一袋あった。しかし、ナリアは数を間違えたのか、一袋多く持って来ていた。そのことを指摘すると、彼女はこう言った。
「満身創痍の方が一人いましたので、栄養を取っていただこうと思って、呼んだのです。ご迷惑でなければご一緒させてあげたいのですが」
 ああ、もう一つの席をあけておかなければと思ったのは、そのせいだったのか。輝はどこかで納得しながら、ナリアの話を聞き、快く迎えることにした。
「満身創痍って、どういう状況なんですか? ここのお菓子が必要だってことは、お腹を空かせているんだろうけど」
 悠太がナリアに聞くと、彼女は少し心配そうに部屋の入り口を見た。
「何日も寝ていなくて、コーヒー以外はろくに口にしない上ずっと働き詰めで。周りはそれがわかっていてもその人を頼らないわけにはいかないのです。ですから、私とメティスが強制的にその場から離脱させました」
 輝と町子は、その人が一体誰なのか、なんとなくわかったので、肩を落とした。悠太もそれを見て状況を察して、ため息をついた。
「コーヒーゼリーにミントは、よくなかったかな。お茶のカフェインも強いし」
 輝が肩を落としているので、ナリアは座っていた椅子から立ち上がり、椅子を優雅な仕草でテーブルの下にしまった。
 ナリアはいつもいい香りがする。香水のそれではない。まるで遠くから香ってくる金木犀のようなほのかな、自然の香りだった。
 ナリアはそのまま輝の部屋のキッチンへ行き、優雅な手つきでお茶を淹れ始めた。それはカモミールとレモングラスをブレンドしたハーブティーで、非常にいい香りがした。熱湯で淹れたそれをゆっくりと冷ましている間に、ナリアは、輝にこう告げた。
「いつしか、あなたに渡した小瓶を使ってあげてください。このお茶に一滴さすもよし、本人の口に入るようであればどんな形でも構いません」
 それを聞いて、輝はアッと声を上げた。どんな病気も疲れも傷も、たちどころに治す魔法の水の入った小瓶。忘れていた。忘れてはいけない物なのに。輝はどこかで自分の力だけでどうにかしようと考えていたのだ。
 輝は、急いで小瓶を持ってきた。出かける時に常に持ち歩けるように、外出用のカバンの中に入れてある。探ると、すぐに見つかった。
 それはとてもおしゃれな小瓶で、陽の光に当てるとキラキラと虹色の光の雫が輝いて見えた。やはりどこからかいい香りがする。
「朝露に、香りなんてあるのかな」
 そう言って、輝は小瓶を開けて、中の滴を一滴だけ、ナリアの淹れたハーブティーの中に落とした。
 雫は、すぐにお茶に混ざって消えていってしまった。
「ナリアさんは、魔法が使えるんですね」
 町子が目を輝かせてナリアを見る。すると、ナリアは優雅な動きでテーブルの空いた席にティーポットを置いて、自分は悠太の横に腰掛けた。
 最後に来たのはメティスで、相当なオシャレをしていたが、肩に疲れ切ったアースの腕を絡めていて、とても優雅には見えなかった。メティスは、優雅に挨拶を終え、ナリアに導かれてアースをハーブティーのある席につかせたあと、自分はナリアの隣に座った。
「少し遅れてしまったね。彼を連れてくるのには手間がかかったよ」
 アースは半分ほど眠っていたが、なんとか意識を繋ぎ止めていて、輝や町子の顔を見るとため息をついた。
「お前たちに心配をかけるつもりはなかったんだが」
 アースがテーブルに肘をついて頭を抱えると、メティスがその背をさすった。
「心配をかけてもいいんだ。君はしっかりと休まなければ。でなければ余計に子供達に心配をかけることになる。せっかく輝くんが席をあけてくれたんだ」
「しかし、それでは」
 アースが引き下がらないので、見かねた町子がアースを叱った。
「おじさんはあたしたちが心配してるの見て楽しいの? 全く困ったもんだわ。そんなに無神経な人だなんて思わなかった。輝のお母さんだって、もういい大人なんだからモリモトさん頼ってなんとかするよ。いつまでも保護者風吹かせてないで、いい加減わたしたちを頼ったらどうなの?」
 町子がそう言い終わってすっきりとした顔をしていると、アースは目を丸くして彼女を見た。そして、右隣にいたメティスの顔を見て、自分の目の前にあるティーポットを指差した。
「飲んでも?」
 メティスは、頷いた。
「輝くん、早速だが、これでティーパーティーの始まりにしてもらっていいだろうか。私も一応、ここの作法は身につけてきているつもりだ」
 輝は、わかりました、と言い、皆を見渡してから、台湾茶をいくつかに分けて淹れてあるティーポットを持ってきた。それをテーブルの上に配置して、ケーキと寒天ゼリーの説明をした。お茶の好みを聞いて注ぎ分けると、簡単なティーパーティーが始まった。
「メティスさんは、暁の星と地球の違いに戸惑いませんでしたか?」
 町子は、そう聞いてみた。誰もが気になっていたことだ。
 メティスは、笑って答えた。
「気候も環境も似ているから、そんなに気にはならないよ。でも、地球の朝焼けや夕焼けがあまりに薄くて、それは今でも気になるかな」
「薄い」
 輝は、その表現は確かに的を得ていると感じた。暁の星で見た、あの強烈な炎のような朝焼けは確かに濃い。
「そういえば輝くん、昨日の質問のことだが」
 輝と悠太は揃って声を上げた。
 そうだった。ここに惑星のシリンを呼んだのはそのためだった。輝が戻す者として、輝の父親を一時的にでも戻すことは可能なのか、それを聞きたかった。
 すると、二人の反応を見たメティスは、微笑んでこう返してくれた。
「彼はもう知っていると思うよ。君たちのやろうとしていることなど、とうに見抜いている。今日、私たちをここに呼んだ理由もね。だから、彼に構わずやるといい。地球のシリンが許可できないことをやろうとすれば、地球のシリン自身が全力で止めに入るだろうからね」
 メティスはそう言って、隣でテーブルに突っ伏して眠っているアースを見た。そして、彼の目の前に置かれたティーポットからお茶がなくなっているのを確認して、その体を起こして自分の体にもたせかけた。
「テーブルの上では、きちんと休めない。椅子でも。君のベッドを一時的に借りることはできるかい?」
 メティスは、輝と悠太にそう聞いたので、輝も悠太も頷いた。すると、悠太が先に立ち上がってメティスをベッドに案内した。
「出そびれちゃったね」
 町子が輝の方を見ないで、紅茶を啜りながら呟いた。
「でも、いろんな人の中に、おじさんって大きい存在として居座っているんだなあって、実感するんだよね、こういう時」
 町子は、そう言って、輝に笑いかけた。
「だからかな、嫉妬しないんだよ。おじさんが良ければそれでいいんだな、なんて、簡単に納得しちゃって。地球のシリンって、面白いよね」
 そんなことを言っているうちに、メティスと悠太が帰ってきたので、お茶会が再開されることになった。
 最初に盛り上がったのはナリアのことだった。
「ナリアにはシリンがいないんだ」
 メティスがそう言うものだから、町子も輝もびっくりして、ナリアの顔を見た。すると、ナリアもびっくりしてこちらを見返してきた。
「あ、ああ、シリンのことですね。その代わり、花小人さんがいますよ。それも、皆同じ、一律の、練術という術を使います。温度のない、明るいだけの炎を灯したり、窒息することのない水を出したりできます。全ての練術使いには免許が必要なので、もちろん試験も学校もあります。花小人さんの寿命は約二百年です。背が低くて、歌や楽器の演奏が得意なんですよ」
 それを聞いて、悠太が腕組みをした。
「俺には縁のない世界だなあ。ロマンチックで、可愛らしい感じだ」
 悠太は、そう言いながらチラリとメティスを見た。ナリアと同じく動きも所作もマナーも優雅で完璧だ。とても悠太には追いつけないレベルで。
 そんな二人と楽しい会話を交わしながら、お茶会は夜まで続いた。始まったのが学校を終えたあとだったから仕方がないが、輝たちはそのまま夕食を食べることにした。
 夕食はみんなで食べることになり、ワイワイ言いながら作った。ナリアやメティスは料理上手だったが、町子が下手くそで、キッチンナイフを扱うことすらままならなかった。その上、チャーハンを作ると言って息巻いていた五人が誰一人としてうまくパラパラチャーハンが作れなかったので、全員で残念な気持ちになっていた。
「こんなことで、料理の神様を起こすのもなあ」
 テーブルに置かれたさまざまなチャーハンを見つめて、輝はため息をついた。だが、ちょうどその時、悠太が大きな声を上げてこう叫んだので、輝はそちらに意識を向けないわけにはいかなかった。
「薬が効いたんだ、やったぜ! これでまともな炒飯が食える!」
 そこには、寝巻き姿のアースがいて、大きなあくびをしていた。だが、悠太の叫びを受けて走っていった輝のハイタッチを受けてくれたので、きちんと目を覚ましていたことは確かだった。
「悠太、これならまともどころじゃない、サイッコーなチャーハンにありつけるぞ!」
 喜んでいるのは輝だけではなかった。町子もはしゃいでいたし、ナリアやメティスもほっとしている様子だった。
「ここまで、よく頑張ったな。炒飯以外は及第点だ」
 アースは、そう言って笑った。そして、すぐにチャーハンの用意をすると、手際よく作り始めて、あっという間に作り終えてしまった。
 いい香りが、部屋に満ちていく。
 幸せな時間も、部屋に満ちていく。
 六人は、そのまま夕食を共にして、楽しい会話を交わしながら楽しい時間を過ごした。そして、それぞれがそれぞれの部屋に帰っていくと、輝と悠太は、自分の家に帰ろうとするアースを引き留めた。
「ダメです。今自宅に帰ればまた無理します。きちんと回復して、おじさんが無理をしなくてもいい環境が整うまでは、ここにいてもらいます」
 輝は、少し厳しく言い放った。アースには、「でも」や「しかし」を言わせる気はなかった。彼を守っていくと決めた以上は、やれることはやりたかった。
「輝」
 アースは、困ったような表情をしたが、輝も悠太も譲らなかった。
「鎖に繋いででも引き留めますからね」
 輝の強い口調は変わらなかった。アースは困惑しながらも、窓から見える空の暗い色を実感した。
 このところ病院から出ていなかった。少し休もうとして窓を開けると、いつも夜だった。疲れて倒れても無理はない。輝も心配するだろう。
「ごめんな、心配をかけて」
 最近、こんなことで謝ってばかりだ。アースの言葉にびっくりした輝は、強い口調で諌めるのをやめた。少し戸惑って、咳払いをする。
「し、しばらくは外出禁止ですからね。ちゃんと、地球のシリンの気配を追うように、クローディアさんとアイリーンさんに託けておきますから」
 アースは、それをきいて肩を落とした。
「街中くらいはいいんじゃないか?」
 すると、輝は獣を追う狩人のような目をして、アースを見た。
「鎖につなぎますよ」
 そこで、ヒッと言って後ずさったのは、悠太だった。輝のこんな表情は滅多に見ない。本気で怒っている時くらいだ。昔、ガチの喧嘩をした時に二、三度見たが、あれは怖かった。
「だ、ダメですよ先生、輝のあの顔を見たら世界の終わりです。従いましょう」
 本気で震えて、悠太がアースの腕を引っ張った。アースも少し気圧されていたので、輝には大人しく従うことにした。
「わ、分かった。俺が悪かった。きちんとこの家で療養する」
 輝は、獣を追うような目をやめた。
「よろしい」
 そう言って、にこりと笑った。そして、何もなかったように食事の後片付けに戻っていった。アースは、もう休んでくれと悠太が懇願するので、台所の端にあるソファーで横になった。すると輝が例の目をしてきたので、輝のベッドで寝てくれと悠太は頼んだ。
 その夜、輝は、いつもメルヴィンが泊まるときに寝ているソファーで眠ることにした。しばらくはこれを、悠太と交代でやることだろう。
 輝は、なんだか少し胸が高鳴った。嬉しかった。自分にも何かできることがあった。無力なのではないのだと、そう感じた。
 そして、ようやくそれを身近に感じていた頃、輝の周りでは、ムーン・アークの足音がひた、ひたと近づいてきていた。
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