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第十章 緩やかな薬
完璧な美人がカフェでお茶をしている
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休日が来ると、輝たちはメルヴィンを誘って町場にあるカフェに行くことにした。近くにある公園で少し歩いて軽い会話を交わした後、カフェに行った。大人数だったので、輝と町子とメルヴィン、友子と朝美というメンバーで席を分けた。
「君達の間に入っちゃっていいのかい?」
メルヴィンは少し躊躇ったが、輝がいいと言うので、遠慮なく一緒に座った。
輝は、いつも屋敷でお茶とコーヒーばかりを飲んでいるので、たまには甘い物が飲みたくなって、生搾りのオレンジジュースを頼んだ。その代わりケーキを頼むのをやめて、軽めのビスケットがあったのでそれを注文した。町子は見栄があるのか、ポットのダージリンにサンドイッチを頼んでいた。メルヴィンは、何かにこだわる性格ではないし、英国人の割にはアフタヌーン・ティーの習慣がどうでもいいと思っていたので、チョコレート・ケーキにコーヒーを合わせていた。友子と朝美はいつまでもはしゃぎながらメニューを決められずにいた。
カフェは、落ち着いた雰囲気の店で、周りにはイングリッシュガーデンがあり、店内には乾燥させたラベンダーの花束がそこかしこに飾られていた。木造の建物で、古さはあったが、日本の古民家カフェのような良い雰囲気が漂っていた。このカフェでアフタヌーン・ティーを予約する客もいるようだ。
「一度来て見たかったんだよね、ここ」
注文した品が来るまでの間、町子がカフェの内観を眺めながらため息をついた。すると、そこに誰かを見つけて、町子はアッと声をあげた。
「ねえ、見て、輝! すっごい美人!」
そこにいたのは長い銀の髪の女性だった。クチャナと同じように少し下の位置で長い髪をポニーテールにしていた。この世のものとは思えないくらいに全く非の打ちどころのない美人だった。その女性が、アースに似た瑠璃色の瞳で町子の方をふと見て、微笑んだ。そこにいた誰もがため息をついて体の力を抜く。
女性はそのまま自分の目の前にあるケーキや飲み物に向き直り、優雅な仕草で食べ始めた。ほんの少し目があっただけなのに、その女性の完璧な美しさはそこにいた全ての人間の心を奪って行った。
「本当にいるものなんだね、ああいう完璧な美人」
町子がため息混じりにテーブルに肘をつく。友子と朝美はぼーっとして、手に持っているメニューブックを取り落としていた。
その美人は、町子たちに強い印象を残したまま、町子たちの注文したお茶が来る前に席を立ち、会計をして店から出ていってしまった。
そのうち町子たちの注文したものも届いたので、お茶会は始まったが、話題は先ほどの女性で持ちきりだった。
一方、そんな町子たちが話題に乗せている美人は、カフェから出ると、外で、二匹の猫を迎えていた。一匹は完全な白、もう一匹は完全な黒の猫だった。
「ジル、ユーグ、待たせてしまいましたね。このお店のお茶はとても美味しいので、ゆっくりしてしまいました」
女性は、そう言って優しく笑った。
そして、二匹の猫を肩に乗せ、小さな肩かけのバッグを肩にかけると、店の側道を東へ、町子たちの暮らす屋敷の方へと歩いていった。空からは、雪が舞い降りてきていた。
町子たちは、お茶を終えると、カフェから出て、もう一度公園へ向かった。この時期は寒く、歩く人もまばらだったが、何人かランニングをしている人がいたので寂しくはなかった。
「何だか、懐かしい感じがした」
輝は、先ほどの美しい女性を見て、美しいという感想の他に感じたことを、話してみた。
「美人なんだけど、どこかこう、大学の教授みたいな知的な感じで、凛としていて上品で、でも近づき難い感じじゃないんだよな」
すると、メルヴィンが真剣な顔で返してきた。
「僕もだよ。大学教授、それ、あながち間違っちゃいないよ。しかも、すごく綺麗な人なんだけど、すごく身近なんだ」
公園を歩いていると、チラホラと舞ってくる雪が地面にシミを作っていって、積もる様子がないのがうかがえた。しかし、それでも暗くなるのが早いので、そろそろ屋敷に帰ることにして、一行は公園を後にした。帰りの道中で、朝美が何かを考え込んでいて、友子がそれに気がついた。
「朝美、なに考え込んでいるの? さっきの女の人のこと?」
朝美は、頷いた。真剣な顔をしている。ふと、思い立ったように立ち止まって、ついでに皆も立ち止まらせた。
「ねえ、みんなあの女の人をみた時、こう思わなかった? この人、すごく頭が良さそうって」
そこにいた全員の顔が、驚きの色に変わった。メルヴィンは輝の、町子は友子の顔を見てびっくりしている。逆も然りだった。
「た、確かに。あの場で、この人はカフェですごい難しい本を読んでいたんだろうなとか考えていたよ」
メルヴィンは、目を丸くしたまま、胸に手を当てた。大きく息を吐くと、落ち着いた声で続けた。
「みんなもそうなんだね。これはどういうわけだろう。みんながみんな、同じ意見を持つなんて」
すると、町子が真剣な顔で考えてから、合点がいったという顔をした。
「惑星のシリンって、どんな価値観の人にも同じ印象を持たせるって言うよね。おじさんなら強さ。なら、あの人が惑星のシリンだってことで全てが説明つくんじゃないかな」
「確かにそれだと説明はつくけど」
輝は、少し納得がいかない様子で、町子のいうことを聞いていた。事実は受け入れることができるし、理解もできる。しかし、そう簡単に言い当てられるものだろうか。
輝は他の案を探そうと思い、考えを巡らせた。しかし、知識も経験も、シリンをめぐる人間との関わりの時間も、町子には到底敵わない。だが、先ほどの女性が必ずしも惑星のシリンとは限らないのだ。だから、それを証明する何かが欲しかった。
「あの人がシリンだと言う証拠がない」
輝がふと、そう口にすると、町子は腰に手を当てて胸を張った。
「シリンじゃないって言う証拠もないよ。輝、惑星のシリンは他のシリンと生成過程が違うから、他のシリンに正体をバラさないでいることもできるんだよ」
輝は、どうにも反論ができなくなってしまった。町子のいうことはいちいち理屈が通っているし説得力もある。確かに先ほどの女性が惑星のシリンでない証拠はないし、そうである根拠の方が強かった。
「とりあえず、今日は屋敷に帰ろうよ」
朝美が、町子の言っていることをどうにかしようと躍起になっている輝の考えを察して、そう言った。すると、他の皆もそれに同意した。
「メルヴィンは今日、輝のところに泊まるんでしょ?」
町子は、楽しそうにメルヴィンに問いかけた。問われたメルヴィンは少し照れた。
「誰かの家に泊まるなんて初めてなんだ。ドキドキするよ」
嬉しそうにしているメルヴィンを見ていると、輝は、さっきまで考えていたことがどうでも良くなってきた。町子の意見ばかり通るのが何だか嫌になっていた。町子の言動がいつも正しいことも何だか気になっていた。だから、あの時の輝はそのことが受け入れられなくなっていた。
その場から離れて屋敷に着き、メルヴィンと共に家に帰ると、母が午後のお茶を入れて待っていてくれた。
「エルさんのお義父さん、ええと、モリモトさんって言ったかしら」
母は、輝とメルヴィンがお茶の席に着くと、話を始めた。
「このあいだお仕事の帰りに会ったの。医師としての就労免許が取れたみたいで、この地区の診療所に勤めることになったみたいなの。ほんと、素敵な方よね。毎日スーツで出勤なさるでしょ。それがよく似合っていて、髪もロマンスグレーだし」
母は昔から惚れっぽい。それでも父との関係は、父が死んだ後でも続いているから、再婚の話は出ることがなかった。今回もきっとそうだろう。
輝はそのことをメルヴィンに説明しつつ、母のことは放ってお茶を啜った。今日は母も頑張ってキャロット・ケーキを焼いていたので、本格的なお茶の席に近かった。急須やポットでお茶を入れるのも慣れてきたようだ。
「そう言えば輝、この前近所の奥さんたちにね、最近はティーバッグが進化しているからいちいちポットで入れなくても美味しいお茶が飲めるわよって聞いたの。ティーバッグだと重さ測る必要ないし、十分美味しいじゃない。それでも良くない?」
そんなことを言い出すものだかあら、輝は呆れてしまった。
「茶葉の癖を理解して、それぞれのお茶によって入れ方を変えていく経験こそがお茶を旨くするんだ。そんなんじゃダメだよ。セオリー通りの味しか出ない」
輝は反論したが、母は納得できないようで、ティーバッグの入った袋を取り出してじっと見ていた。
母は、少し考えた後、少し残念そうにティーバッグを置いて、茶葉を測り始めた。近所の奥さんたちに感想を聞かせたかったのだろうが、キャロットケーキの茶席だ。仕方がない。
「今日のお茶会にはモリモトさんとエルさんも呼んであるのよ。これからお手製の羊羹を出そうと思うの。寒天を手に入れるのには手間取ったわ。この辺のスーパーには売っていないのね」
母は、真っ赤な顔をして、嬉しそうに輝の隣に空いている二つの椅子を指差した。
輝は、大きくため息をついた。母の惚れっぽさには呆れてものも言えない。輝は後になってモリモトとエルに母の癖の悪さを謝っている自分を想像した。
「母さん、モリモトさんとエルさんはいずれ暁の星に帰る人なんだから、恋したって苦しいだけだと思うよ」
輝が半ば呆れていると、母は輝の前に拳を出して人差し指を立て、左右に振った。
「恋するだけなら、誰もなにも言わないわよ。結ばれたいわけじゃないんだから」
「よくわかっておいでで」
輝は、再び大きくため息をついた。自分でわかって恋をして、恋をした相手にすぐ冷めては相手を惑わす。謝るのはいつも輝だ。母のこう言うところが、輝は嫌いだった。いや、嫌いというよりは辟易していた。
一連の会話を聞いていたメルヴィンが、何だか嬉しそうにお茶を啜っている。
「輝のお母さんは自由なんだなあ。僕もそういう性格だったら、メリッサの気持ちを受け取ることができたかも知れないなあ」
「それとこれとは別問題だよ」
輝は、母にメルヴィンが影響されないか、一瞬不安になった。しかし、その考えもすぐに吹き飛んだ。
部屋のドアをノックする音が聞こえてきたからだ。
母は、嬉々として来客を迎えに行った。輝が予想した通りに、母は嬉しそうにエルとモリモトを連れてきた。
「先日は失礼しました。エルがとんでもないことを」
席に着くと同時に、モリモトは輝に詫びた。エルは照れながらそっぽを向いていたが、モリモトに突かれて、小さい声で輝にこう言った。
「俺が悪かったよ。あの時は失礼した」
輝は、なるべくエルやモリモトに恥をかかせたくなかったので、それを快く受けた。二人が席につくのを確認すると、輝とメルヴィンは席につき、最後に芳江が席についた。
お茶はすでに入れてあって、ポットは二つ用意してあった。母は満足そうな顔をしている。
お茶会が始まると、エルがすました顔でお茶を飲み始めたので、輝とメルヴィンは何だかおかしくなってしまった。自分が見られていることを知ったエルが輝とメルヴィンを見て赤くなると、ますます二人はおかしくなってしまった。
「可愛いところもあるんですね、エルさんは。元々暗殺者だったなんて思えない」
何となく拗ねた風に見えるエルを尻目に、輝はモリモトに話しかけた。するとモリモトはこう答えた。
「この子は刷り込みによって暗殺者にされていたからね。先生に救われてからは常に付き従っていたんだよ。私のところに来たのも、先生に言われたからだったんだ」
すると、エルは少し、不満げな顔をした。
「父さんに魅力がなかったわけじゃない。きっかけは先生がくれたけど、俺は、その」
エルは、その先を言いかけて言葉を飲んだ。どうしてもその先が出てこない。言おうとしても、その言葉を恥じる心が、それを口にすることを阻んでいた。
「他人を親だと認めるのは、大変なことですもの」
母が、意外にも冷静にそう言うので、輝はびっくりしてしまった。母は昔何かがあったのだろうか? 少し影のある笑顔を輝たちにむけていた。
「エルさんは大したものだと思うわよ。もっと自分に自信をお持ちになって」
母はそう言って笑った。一瞬見せた影はどこかへ行ってしまったが、輝にとってそれはひどく気になる表情だった。
だが、そのことを輝は母に問いかけることはなかった。理由を知ったところで、今の状態が変わる訳ではないからだ。知っていても仕方がないこと、知らなくていいことならば知らない方がいい。それがわからないほど子供ではない。
「エルさん、今回だけに限らず、いつでもうちにお茶しにきてくれていいんですよ」
輝はそう言うと、お茶を飲みながら横目でエルを見た。隣でメルヴィンがびっくりしている。ついでに、エルもびっくりしていた。
「輝、お前は馬鹿なのか? 俺はお前を馬鹿にしたんだぞ。怒っていないのか?」
エルはそう訴えたが、それに対してはメルヴィンが返した。
「輝は馬鹿じゃない。人を許す余裕があるんだよ。自分が馬鹿にされたくらいで怒るやつじゃない」
輝は、それに大して何も言えなかった。入っていける状況でもなかった。ここで輝が何か言えば、エルもメルヴィンも輝を軽蔑するだろう。
「まあまあ、輝も高く見積もられているのね」
母が、そう言って楽しそうに笑った。この人は終始楽しそうだ。モリモトがいるからだろうか。
「モリモトさん」
輝は、嬉しそうにしている母を尻目に、先ほどから笑顔で見守っているモリモトに声をかけた。すると、モリモトは不思議そうに輝を見た。
「モリモトさんたちがここにいらした時に言っていた、ジョゼフの文書のことについて、俺にも教えてもらっていいですか? 他人事とは思えなくて。おじさんにはもう報告なさったんですよね」
輝の言葉を受けて、モリモトは少し難しい顔をした。エルとメルヴィンも互いに睨みを効かせるのをやめて、真剣な表情になっていた。
「陛下からは輝くんと町子さんにも教えるようにと命じられていてね。私も、ここでそれを伝えるタイミングを見ていたんだよ。話を振ってくれてありがたい」
輝にそう告げると、モリモトは少し笑って、真剣な顔をした。エルと目を合わせると、一つ、頷いて輝を見た。
「暁の星の惑星間渡航者によると、地球から不自然な方法でやってきた女性が二人いたそうだ。一人は派手ないでたちの背の低い女性、一人は地味ないでたちの背の高い女性でね。地球の惑星間渡航者であるドロシーさんや陛下の転移ではなかったのだという。惑星間渡航者はその性質上、渡航者の経路を辿ることができるんだが、おそらく彼女たちを暁の星に送り込んできたのは、ムーン・アークに命じられたワマンくんなのだろうという結論に落ち着いた。そして、彼女たちはしばらくマリンゴート以外の都市に滞在してから地球に帰るために、暁の星の惑星間渡航者に再び接触した。彼は、名をロイと言うが、その惑星間渡航者は、渡航元に疑問はあったものの、他に何の不自然さもなかったため、送り返してしまった。おそらくその二人のあべこべな女性たちが、ジョゼフの文書を何らかの方法でテルストラの警察にある保管庫から盗み出したのだろう。これは、ロイのみならず、テルストラにいて彼女らを見過ごしてしまった我々の責任でもある。だから、まず地球に来て陛下に指示を仰ぐとともに、罰を受けようと思っていたんだよ」
「なるほど。それで、おじさんの指示は?」
輝はそう聞きながらも考えた。もう盗まれてムーン・アークの手に落ちてしまったものは仕方がない。向こうはすでにジョゼフの文書を解析済みだろう。モリモトたちを責めるのも何だかおかしな気がする。おじさんなら、この局面でモリモトたちにどう言った指示を与えるだろう。
モリモトは、輝の問いかけに、少し困ったような笑いを浮かべた。
「陛下は、我々に、この地で働いて、少し地球の空気を吸ってから帰ったらどうかとおっしゃった。ジョゼフの文書のことについてはお咎めがなく、我々も困っているんだよ。だから、輝くんたちの力になれることがあれば、やれることはなるべくやるつもりだ」
輝は、その返答に少しホッとした。モリモトたちはすぐには暁の星に帰る訳ではなさそうだ。母のこともあるし、落ち着くまでしばらくは地球にいてほしいと思っていた。そうなると、輝の口からはこんな言葉が出るようになっていた。
「モリモトさん、できれば毎日、ここに来てくれませんか?」
その言葉に、母もメルヴィンも、そしてモリモト自身やエルもびっくりして飲もうとしたお茶を元に戻した。
「輝!」
母が、真っ赤な顔をして輝を見る。しかし、輝はずっとモリモトとエルを見ていた。
「暁の星のことを教えてほしいんです。それに、どうやら母は、今までと違う形でモリモトさんのことを見ているみたいですから」
母が、恥ずかしそうに下を向いた。顔は紅潮させたままだ。母も自分自身の気持ちがよくわかっているのだろう。
モリモトは、何となく輝のいうことを納得したようで、お茶会が終わると、次に会う約束をして帰っていった。エルは何だか少し楽しそうにしていた。
その夜、夕食の時まで、母は何も言わなかったが、夕食中に少しだけ、輝やメルヴィンと話をした。
「モリモトさんと家族になりたいわけじゃないの。片思いでいいから誰かを好きになっていることが幸せだから」
母は、そう言っていた。少し照れながらも楽しそうにしていたので、叱られることはなかったのだが、そう言った母の背中は少し寂しそうだった。
夕食が終わって、メルヴィンと一緒に自分の部屋に入ると、輝は大きくため息をついた。すると、少し、気が晴れたような気がした。
「気遣いばかりなんだな、輝は。疲れないかい?」
メルヴィンがそう言ってくるので、輝は笑って返した。
「そういうのが好きなのかもな」
輝は、そう言ってベッドに寝転んだ。メルヴィンが、メリッサにもらった薬を手に吹きかけている。彼の手は日に日に綺麗になってきていた。緩やかに効く薬は、メルヴィンだけに限らず、母にも必要なようだ。
その夜輝は、何時間か、メルヴィンと今日のことを話し合って寝た。
「君達の間に入っちゃっていいのかい?」
メルヴィンは少し躊躇ったが、輝がいいと言うので、遠慮なく一緒に座った。
輝は、いつも屋敷でお茶とコーヒーばかりを飲んでいるので、たまには甘い物が飲みたくなって、生搾りのオレンジジュースを頼んだ。その代わりケーキを頼むのをやめて、軽めのビスケットがあったのでそれを注文した。町子は見栄があるのか、ポットのダージリンにサンドイッチを頼んでいた。メルヴィンは、何かにこだわる性格ではないし、英国人の割にはアフタヌーン・ティーの習慣がどうでもいいと思っていたので、チョコレート・ケーキにコーヒーを合わせていた。友子と朝美はいつまでもはしゃぎながらメニューを決められずにいた。
カフェは、落ち着いた雰囲気の店で、周りにはイングリッシュガーデンがあり、店内には乾燥させたラベンダーの花束がそこかしこに飾られていた。木造の建物で、古さはあったが、日本の古民家カフェのような良い雰囲気が漂っていた。このカフェでアフタヌーン・ティーを予約する客もいるようだ。
「一度来て見たかったんだよね、ここ」
注文した品が来るまでの間、町子がカフェの内観を眺めながらため息をついた。すると、そこに誰かを見つけて、町子はアッと声をあげた。
「ねえ、見て、輝! すっごい美人!」
そこにいたのは長い銀の髪の女性だった。クチャナと同じように少し下の位置で長い髪をポニーテールにしていた。この世のものとは思えないくらいに全く非の打ちどころのない美人だった。その女性が、アースに似た瑠璃色の瞳で町子の方をふと見て、微笑んだ。そこにいた誰もがため息をついて体の力を抜く。
女性はそのまま自分の目の前にあるケーキや飲み物に向き直り、優雅な仕草で食べ始めた。ほんの少し目があっただけなのに、その女性の完璧な美しさはそこにいた全ての人間の心を奪って行った。
「本当にいるものなんだね、ああいう完璧な美人」
町子がため息混じりにテーブルに肘をつく。友子と朝美はぼーっとして、手に持っているメニューブックを取り落としていた。
その美人は、町子たちに強い印象を残したまま、町子たちの注文したお茶が来る前に席を立ち、会計をして店から出ていってしまった。
そのうち町子たちの注文したものも届いたので、お茶会は始まったが、話題は先ほどの女性で持ちきりだった。
一方、そんな町子たちが話題に乗せている美人は、カフェから出ると、外で、二匹の猫を迎えていた。一匹は完全な白、もう一匹は完全な黒の猫だった。
「ジル、ユーグ、待たせてしまいましたね。このお店のお茶はとても美味しいので、ゆっくりしてしまいました」
女性は、そう言って優しく笑った。
そして、二匹の猫を肩に乗せ、小さな肩かけのバッグを肩にかけると、店の側道を東へ、町子たちの暮らす屋敷の方へと歩いていった。空からは、雪が舞い降りてきていた。
町子たちは、お茶を終えると、カフェから出て、もう一度公園へ向かった。この時期は寒く、歩く人もまばらだったが、何人かランニングをしている人がいたので寂しくはなかった。
「何だか、懐かしい感じがした」
輝は、先ほどの美しい女性を見て、美しいという感想の他に感じたことを、話してみた。
「美人なんだけど、どこかこう、大学の教授みたいな知的な感じで、凛としていて上品で、でも近づき難い感じじゃないんだよな」
すると、メルヴィンが真剣な顔で返してきた。
「僕もだよ。大学教授、それ、あながち間違っちゃいないよ。しかも、すごく綺麗な人なんだけど、すごく身近なんだ」
公園を歩いていると、チラホラと舞ってくる雪が地面にシミを作っていって、積もる様子がないのがうかがえた。しかし、それでも暗くなるのが早いので、そろそろ屋敷に帰ることにして、一行は公園を後にした。帰りの道中で、朝美が何かを考え込んでいて、友子がそれに気がついた。
「朝美、なに考え込んでいるの? さっきの女の人のこと?」
朝美は、頷いた。真剣な顔をしている。ふと、思い立ったように立ち止まって、ついでに皆も立ち止まらせた。
「ねえ、みんなあの女の人をみた時、こう思わなかった? この人、すごく頭が良さそうって」
そこにいた全員の顔が、驚きの色に変わった。メルヴィンは輝の、町子は友子の顔を見てびっくりしている。逆も然りだった。
「た、確かに。あの場で、この人はカフェですごい難しい本を読んでいたんだろうなとか考えていたよ」
メルヴィンは、目を丸くしたまま、胸に手を当てた。大きく息を吐くと、落ち着いた声で続けた。
「みんなもそうなんだね。これはどういうわけだろう。みんながみんな、同じ意見を持つなんて」
すると、町子が真剣な顔で考えてから、合点がいったという顔をした。
「惑星のシリンって、どんな価値観の人にも同じ印象を持たせるって言うよね。おじさんなら強さ。なら、あの人が惑星のシリンだってことで全てが説明つくんじゃないかな」
「確かにそれだと説明はつくけど」
輝は、少し納得がいかない様子で、町子のいうことを聞いていた。事実は受け入れることができるし、理解もできる。しかし、そう簡単に言い当てられるものだろうか。
輝は他の案を探そうと思い、考えを巡らせた。しかし、知識も経験も、シリンをめぐる人間との関わりの時間も、町子には到底敵わない。だが、先ほどの女性が必ずしも惑星のシリンとは限らないのだ。だから、それを証明する何かが欲しかった。
「あの人がシリンだと言う証拠がない」
輝がふと、そう口にすると、町子は腰に手を当てて胸を張った。
「シリンじゃないって言う証拠もないよ。輝、惑星のシリンは他のシリンと生成過程が違うから、他のシリンに正体をバラさないでいることもできるんだよ」
輝は、どうにも反論ができなくなってしまった。町子のいうことはいちいち理屈が通っているし説得力もある。確かに先ほどの女性が惑星のシリンでない証拠はないし、そうである根拠の方が強かった。
「とりあえず、今日は屋敷に帰ろうよ」
朝美が、町子の言っていることをどうにかしようと躍起になっている輝の考えを察して、そう言った。すると、他の皆もそれに同意した。
「メルヴィンは今日、輝のところに泊まるんでしょ?」
町子は、楽しそうにメルヴィンに問いかけた。問われたメルヴィンは少し照れた。
「誰かの家に泊まるなんて初めてなんだ。ドキドキするよ」
嬉しそうにしているメルヴィンを見ていると、輝は、さっきまで考えていたことがどうでも良くなってきた。町子の意見ばかり通るのが何だか嫌になっていた。町子の言動がいつも正しいことも何だか気になっていた。だから、あの時の輝はそのことが受け入れられなくなっていた。
その場から離れて屋敷に着き、メルヴィンと共に家に帰ると、母が午後のお茶を入れて待っていてくれた。
「エルさんのお義父さん、ええと、モリモトさんって言ったかしら」
母は、輝とメルヴィンがお茶の席に着くと、話を始めた。
「このあいだお仕事の帰りに会ったの。医師としての就労免許が取れたみたいで、この地区の診療所に勤めることになったみたいなの。ほんと、素敵な方よね。毎日スーツで出勤なさるでしょ。それがよく似合っていて、髪もロマンスグレーだし」
母は昔から惚れっぽい。それでも父との関係は、父が死んだ後でも続いているから、再婚の話は出ることがなかった。今回もきっとそうだろう。
輝はそのことをメルヴィンに説明しつつ、母のことは放ってお茶を啜った。今日は母も頑張ってキャロット・ケーキを焼いていたので、本格的なお茶の席に近かった。急須やポットでお茶を入れるのも慣れてきたようだ。
「そう言えば輝、この前近所の奥さんたちにね、最近はティーバッグが進化しているからいちいちポットで入れなくても美味しいお茶が飲めるわよって聞いたの。ティーバッグだと重さ測る必要ないし、十分美味しいじゃない。それでも良くない?」
そんなことを言い出すものだかあら、輝は呆れてしまった。
「茶葉の癖を理解して、それぞれのお茶によって入れ方を変えていく経験こそがお茶を旨くするんだ。そんなんじゃダメだよ。セオリー通りの味しか出ない」
輝は反論したが、母は納得できないようで、ティーバッグの入った袋を取り出してじっと見ていた。
母は、少し考えた後、少し残念そうにティーバッグを置いて、茶葉を測り始めた。近所の奥さんたちに感想を聞かせたかったのだろうが、キャロットケーキの茶席だ。仕方がない。
「今日のお茶会にはモリモトさんとエルさんも呼んであるのよ。これからお手製の羊羹を出そうと思うの。寒天を手に入れるのには手間取ったわ。この辺のスーパーには売っていないのね」
母は、真っ赤な顔をして、嬉しそうに輝の隣に空いている二つの椅子を指差した。
輝は、大きくため息をついた。母の惚れっぽさには呆れてものも言えない。輝は後になってモリモトとエルに母の癖の悪さを謝っている自分を想像した。
「母さん、モリモトさんとエルさんはいずれ暁の星に帰る人なんだから、恋したって苦しいだけだと思うよ」
輝が半ば呆れていると、母は輝の前に拳を出して人差し指を立て、左右に振った。
「恋するだけなら、誰もなにも言わないわよ。結ばれたいわけじゃないんだから」
「よくわかっておいでで」
輝は、再び大きくため息をついた。自分でわかって恋をして、恋をした相手にすぐ冷めては相手を惑わす。謝るのはいつも輝だ。母のこう言うところが、輝は嫌いだった。いや、嫌いというよりは辟易していた。
一連の会話を聞いていたメルヴィンが、何だか嬉しそうにお茶を啜っている。
「輝のお母さんは自由なんだなあ。僕もそういう性格だったら、メリッサの気持ちを受け取ることができたかも知れないなあ」
「それとこれとは別問題だよ」
輝は、母にメルヴィンが影響されないか、一瞬不安になった。しかし、その考えもすぐに吹き飛んだ。
部屋のドアをノックする音が聞こえてきたからだ。
母は、嬉々として来客を迎えに行った。輝が予想した通りに、母は嬉しそうにエルとモリモトを連れてきた。
「先日は失礼しました。エルがとんでもないことを」
席に着くと同時に、モリモトは輝に詫びた。エルは照れながらそっぽを向いていたが、モリモトに突かれて、小さい声で輝にこう言った。
「俺が悪かったよ。あの時は失礼した」
輝は、なるべくエルやモリモトに恥をかかせたくなかったので、それを快く受けた。二人が席につくのを確認すると、輝とメルヴィンは席につき、最後に芳江が席についた。
お茶はすでに入れてあって、ポットは二つ用意してあった。母は満足そうな顔をしている。
お茶会が始まると、エルがすました顔でお茶を飲み始めたので、輝とメルヴィンは何だかおかしくなってしまった。自分が見られていることを知ったエルが輝とメルヴィンを見て赤くなると、ますます二人はおかしくなってしまった。
「可愛いところもあるんですね、エルさんは。元々暗殺者だったなんて思えない」
何となく拗ねた風に見えるエルを尻目に、輝はモリモトに話しかけた。するとモリモトはこう答えた。
「この子は刷り込みによって暗殺者にされていたからね。先生に救われてからは常に付き従っていたんだよ。私のところに来たのも、先生に言われたからだったんだ」
すると、エルは少し、不満げな顔をした。
「父さんに魅力がなかったわけじゃない。きっかけは先生がくれたけど、俺は、その」
エルは、その先を言いかけて言葉を飲んだ。どうしてもその先が出てこない。言おうとしても、その言葉を恥じる心が、それを口にすることを阻んでいた。
「他人を親だと認めるのは、大変なことですもの」
母が、意外にも冷静にそう言うので、輝はびっくりしてしまった。母は昔何かがあったのだろうか? 少し影のある笑顔を輝たちにむけていた。
「エルさんは大したものだと思うわよ。もっと自分に自信をお持ちになって」
母はそう言って笑った。一瞬見せた影はどこかへ行ってしまったが、輝にとってそれはひどく気になる表情だった。
だが、そのことを輝は母に問いかけることはなかった。理由を知ったところで、今の状態が変わる訳ではないからだ。知っていても仕方がないこと、知らなくていいことならば知らない方がいい。それがわからないほど子供ではない。
「エルさん、今回だけに限らず、いつでもうちにお茶しにきてくれていいんですよ」
輝はそう言うと、お茶を飲みながら横目でエルを見た。隣でメルヴィンがびっくりしている。ついでに、エルもびっくりしていた。
「輝、お前は馬鹿なのか? 俺はお前を馬鹿にしたんだぞ。怒っていないのか?」
エルはそう訴えたが、それに対してはメルヴィンが返した。
「輝は馬鹿じゃない。人を許す余裕があるんだよ。自分が馬鹿にされたくらいで怒るやつじゃない」
輝は、それに大して何も言えなかった。入っていける状況でもなかった。ここで輝が何か言えば、エルもメルヴィンも輝を軽蔑するだろう。
「まあまあ、輝も高く見積もられているのね」
母が、そう言って楽しそうに笑った。この人は終始楽しそうだ。モリモトがいるからだろうか。
「モリモトさん」
輝は、嬉しそうにしている母を尻目に、先ほどから笑顔で見守っているモリモトに声をかけた。すると、モリモトは不思議そうに輝を見た。
「モリモトさんたちがここにいらした時に言っていた、ジョゼフの文書のことについて、俺にも教えてもらっていいですか? 他人事とは思えなくて。おじさんにはもう報告なさったんですよね」
輝の言葉を受けて、モリモトは少し難しい顔をした。エルとメルヴィンも互いに睨みを効かせるのをやめて、真剣な表情になっていた。
「陛下からは輝くんと町子さんにも教えるようにと命じられていてね。私も、ここでそれを伝えるタイミングを見ていたんだよ。話を振ってくれてありがたい」
輝にそう告げると、モリモトは少し笑って、真剣な顔をした。エルと目を合わせると、一つ、頷いて輝を見た。
「暁の星の惑星間渡航者によると、地球から不自然な方法でやってきた女性が二人いたそうだ。一人は派手ないでたちの背の低い女性、一人は地味ないでたちの背の高い女性でね。地球の惑星間渡航者であるドロシーさんや陛下の転移ではなかったのだという。惑星間渡航者はその性質上、渡航者の経路を辿ることができるんだが、おそらく彼女たちを暁の星に送り込んできたのは、ムーン・アークに命じられたワマンくんなのだろうという結論に落ち着いた。そして、彼女たちはしばらくマリンゴート以外の都市に滞在してから地球に帰るために、暁の星の惑星間渡航者に再び接触した。彼は、名をロイと言うが、その惑星間渡航者は、渡航元に疑問はあったものの、他に何の不自然さもなかったため、送り返してしまった。おそらくその二人のあべこべな女性たちが、ジョゼフの文書を何らかの方法でテルストラの警察にある保管庫から盗み出したのだろう。これは、ロイのみならず、テルストラにいて彼女らを見過ごしてしまった我々の責任でもある。だから、まず地球に来て陛下に指示を仰ぐとともに、罰を受けようと思っていたんだよ」
「なるほど。それで、おじさんの指示は?」
輝はそう聞きながらも考えた。もう盗まれてムーン・アークの手に落ちてしまったものは仕方がない。向こうはすでにジョゼフの文書を解析済みだろう。モリモトたちを責めるのも何だかおかしな気がする。おじさんなら、この局面でモリモトたちにどう言った指示を与えるだろう。
モリモトは、輝の問いかけに、少し困ったような笑いを浮かべた。
「陛下は、我々に、この地で働いて、少し地球の空気を吸ってから帰ったらどうかとおっしゃった。ジョゼフの文書のことについてはお咎めがなく、我々も困っているんだよ。だから、輝くんたちの力になれることがあれば、やれることはなるべくやるつもりだ」
輝は、その返答に少しホッとした。モリモトたちはすぐには暁の星に帰る訳ではなさそうだ。母のこともあるし、落ち着くまでしばらくは地球にいてほしいと思っていた。そうなると、輝の口からはこんな言葉が出るようになっていた。
「モリモトさん、できれば毎日、ここに来てくれませんか?」
その言葉に、母もメルヴィンも、そしてモリモト自身やエルもびっくりして飲もうとしたお茶を元に戻した。
「輝!」
母が、真っ赤な顔をして輝を見る。しかし、輝はずっとモリモトとエルを見ていた。
「暁の星のことを教えてほしいんです。それに、どうやら母は、今までと違う形でモリモトさんのことを見ているみたいですから」
母が、恥ずかしそうに下を向いた。顔は紅潮させたままだ。母も自分自身の気持ちがよくわかっているのだろう。
モリモトは、何となく輝のいうことを納得したようで、お茶会が終わると、次に会う約束をして帰っていった。エルは何だか少し楽しそうにしていた。
その夜、夕食の時まで、母は何も言わなかったが、夕食中に少しだけ、輝やメルヴィンと話をした。
「モリモトさんと家族になりたいわけじゃないの。片思いでいいから誰かを好きになっていることが幸せだから」
母は、そう言っていた。少し照れながらも楽しそうにしていたので、叱られることはなかったのだが、そう言った母の背中は少し寂しそうだった。
夕食が終わって、メルヴィンと一緒に自分の部屋に入ると、輝は大きくため息をついた。すると、少し、気が晴れたような気がした。
「気遣いばかりなんだな、輝は。疲れないかい?」
メルヴィンがそう言ってくるので、輝は笑って返した。
「そういうのが好きなのかもな」
輝は、そう言ってベッドに寝転んだ。メルヴィンが、メリッサにもらった薬を手に吹きかけている。彼の手は日に日に綺麗になってきていた。緩やかに効く薬は、メルヴィンだけに限らず、母にも必要なようだ。
その夜輝は、何時間か、メルヴィンと今日のことを話し合って寝た。
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