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第四章 パレスチナの月
蒸発
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クローディアとアイリーンは、屋敷を手分けして探すことにした。何十もあるこの屋敷の部屋の中を探すのは時間がかかる。だから、アイリーンの狼の鼻を使うことにした。シリウスの持っていた、パレスチナの月が入っていたという箱に残っている香りから辿ることにしたのだ。
アイリーンは、この屋敷に着く前に嗅いだその香りを思い出して、そこらじゅうを歩き回った。すると、庭の方に香りのもとを突き止めた。
「まさか外に隠すなんてね」
クローディアは、庭を散歩するふりをして、アイリーンとは離れた所を探すことにした。
「地下室や、隠し部屋なんかがあるのかしら」
そこらじゅうを見て回っていると、庭の芝生の中に踏み込んだクローディアの足が何かを踏んだ。木の板のようなものだ。中央にある大きな木と茂みとの間にあった。地下室があるかもしれない、その予想が当たっていた。
クローディアは、屈んで地下室へと続く扉の取手を探した。まさか、こんなにわかりやすい場所に地下室があるなんて。盗んだ宝を隠すにはお粗末すぎる。おそらく、急ごしらえのものなのだろう。クローディアが屈んでいると、アイリーンがこちらに走ってきた。その時だった。
「そこまでだ、悪魔」
クローディアの後ろから、声がかかった。
見ると、先ほど紅茶を持ってきた少年が、クローディアに拳銃を向けているではないか。
クローディアは、手を上げて立ち上がった。
「私たちが悪魔? 悪魔はあのマフディって男なのではなくて?」
クローディアは、ここまできて拳銃を怖がることはなかった。今まで何度となく危険な目に遭ってきた。こんな状況はごまんとあったのだ。
拳銃に怯えることのないクローディアに、脅しは無駄だと思ったのか、少年は拳銃を下ろした。
「悪魔は悪魔だ、サタン。俺にはわかるんだよ、そっちのはルシファーだろ」
言い当てられて、クローディアは舌打ちをした。
「だったらこちらも言いたいことを言わせてもらうわ。あなたは大天使ガブリエルのシリン。それがどうしてあんな男のところで働いているのかしら?」
今度は、少年が舌打ちをした。
「チッ、しょうがないな」
そう言うと、少年は茂みを超えてクローディアの方へ入ってきた。そして、地下室への扉の取手を簡単に探し当てると、首からぶら下げていた鍵を差し込んだ。
「夜の支配者がいた。あの人と一緒のところを見ると、このパレスチナの月をきちんと戻してくれるんだろうな。俺の名はカリム。あんたは?」
地下室の扉が開くと、カリムはクローディアとアイリーンの方へ手を伸ばした。
「クローディア。あの子は双子の妹で、アイリーンよ」
カリムは、頷いた。そして、二人を地下室へ誘った。
地下室は深かったが、そんなに広くはなかった。急ごしらえだけあって、作りは乱雑で、壁の土が剥き出しだった。地下室の底に着くと、そこには木の箱があって、その上には銀色に輝く金属があった。
「パレスチナの月た。イスラエルの銀とパレスチナのプラチナを合わせて、長い年月の間、アフリカの鉱山遺跡で保管されていたものだ。これと一緒に保管されていた石板には、主ヤハウェの言葉が記されていた。相互に憎しみの連鎖が続くが、いずれそれを乗り越えて、約束の地に、いずれ二つの民族が共存するだろう、と」
カリムは、そう言いながら、パレスチナの月を持ち上げた。
「俺が、マフディのやつを出し抜いて取り戻すつもりでいた。だが、夜の支配者が出てきた以上、俺の出番はない。あの日本人は見るものと戻すものだろう?」
クローディアは、何も言わずに頷いた。
「お前らを信じよう」
カリムは、そう言って、パレスチナの月と呼ばれる鉱物を、クローディアに手渡した。そして、三人は地下室から出た。
すると、そこには何十匹もの大きな番犬がいて、囲まれてしまっていた。
「しまった、マフディの奴、全部知って!」
カリムは、双子の姉妹を庇うような形で、周りを囲む番犬の前に立ち塞がった。遠くから、マフディの高笑いが聞こえてくる。マフディは二階にいて、隣にはシリウスがいた。町子と輝は一階にいて、同じように猟犬に囲まれている。
「さあ、シリウスさん、狩りの時間ですよ。誰から殺しますか? あなたが殺さなければ、あのものたちはどのみち番犬に食われます」
シリウスは、手に猟銃を持っていた。だが、焦った様子もなければ困った顔もしていない。シリウスは、猟銃を構えると、何の躊躇いもなく撃ち、番犬を一匹撃った。足を狙ったので動きを封じることができた。
「俺としたことが、狙いが狂っちまった」
それを見て、マフディは怒った。
「番犬を撃てば、他の番犬が子供たちを殺す。それでもいいのかね? 私が命令すれば、好きな子供を殺して見せることができるが」
シリウスは、それを聞いて、もう一度、猟銃を構えた。それを見て、マフディが口の端を少し上げた。
「ひとつ聞いていいか、マフディ」
猟銃を構えたまま、シリウスはマフディに訊いた。マフディが、なんだ、と答えると、シリウスは猟銃の引き金に手を置いた。
「輝と町子の故郷、糸魚川を襲い、住民を操って内山牧師を襲ったのはなぜだ? なぜあの街であんなことをした?」
マフディは、高笑いをした。
「我々の組織である、ムーン・アークの障害になる男だ。内山牧師は危険な力を持っている。それを殺すのは当然のことだと思うが?」
「ムーン・アーク、それがお前たちの組織の名か」
シリウスは、そう言うと、引き金にグッと力をこめて、もう一匹、番犬の足を撃った。
それを見て、マフディが声を上げた。怒り、全ての番犬を輝やクローディアたちにけしかけるために指を鳴らそうとした。
その時だった。
マフディが恐ろしい声を上げて、鳴らそうとしていた自分の指を押さえた。すると、指は消え、マフディの身体から、白い煙が出てきた。いや、蒸気だろうか。それは彼を苦しめ、天に掲げた手を下ろさせた。彼の体は赤みを増していき、恐ろしいうめき声と共にどんどん痩せ細っていった。
マフディがそのまま蒸発して消えていってしまうまで、時間はかからなかった。
「人が、蒸発した?」
一階からマフディの様子を見ていた町子が、番犬が引いていくのを見送りながら、震えた。
「遠隔操作で人間を蒸発させ、空気に帰す。地球のシリンにならできるはずだが」
カリムが、クローディアとアイリーンを連れて町子たちと合流した。二階にはシリウスの姿はなかった。
「じゃあ、地球のシリンはシリウスさんなのか?」
輝が聞くと、カリムは首を横に振った。
「遠隔操作って言っただろ。地球のシリンなら例え地球の裏側にいても、人を蒸発させることができる。シリウスさんは夜空のシリンだ。地球のシリンじゃない」
話し合っていると、シリウスが上階から降りてきた。
そのシリウスに、なぜ、マフディが消えるタイミングがわかったのか尋ねた。すると、こう返ってきた。
「すべてのシリンは地球のシリンと繋がっている。そのつながりが俺の場合は少し、他より強かっただけだ」
そう言って、笑った。
パレスチナの月は、シリウスの持っていた箱に戻された。輝たちはそのままパレスチナのイスラエル大使館へ行き、そのパレスチナの月を返しに行った。ひどく感謝されたが、礼を受け取ることなく大使館を後にした。そして、パレスチナのホテルに一泊して、帰途についた。
空港で双子の悪魔と一人の天使に別れを告げ、シリウスと共に英国行きの飛行機に乗った輝と町子は、何だかすごく疲れてしまっていた。
「結局、私たち何にもできなかったね」
町子が、窓から空を見ながらそう言ったので、輝は苦笑いをすることしかできなかった。
「力のコントロールができない以上、俺は、生きて帰れただけでも良かったと思ってる。でも、これで少し地球のシリンが怖くなったよ」
町子は、それを聞いて、驚いた顔をした。
「あれ、輝って地球のシリンが誰なのか知らなかったっけ?」
「知らないよ。すべてのシリンは地球のシリンと繋がっているって言ったって、俺、まだ覚醒していないんだろ? 戻すものの力だって、急須を元に戻すくらいだったし、コントロールできてないしさ」
それを聞いて、町子は輝を見る目を変えた。
「そんなんでよく、ここまできたよね、輝。びっくりだよ」
「町子は、地球のシリンが誰なのか、分ってんのかよ?」
輝の問いかけに、町子は、少し暗い顔をして、頷いた。そして、何かを言おうとして、口をつぐんだ。
「輝、地球のシリンはそんなに怖くない」
町子は、少し、明るい顔を取り戻して、輝に告げた。寂しそうにもしている。町子からは、地球のシリンはどう見えているのだろうか。本当に、怖くないのだろうか。
地球の裏側からでもピンポイントで人間を蒸発させてしまう。そんな力を持った人間を怒らせてしまったら、どんなに恐ろしいだろう。
輝は、それから英国に着くまで、町子と無難な話をしながら過ごした。ただ一人、日本から一緒に来た母が待つ英国。そこはなんだか少し、懐かしい場所に思えて、早く帰りたいと思えてきていた。
アイリーンは、この屋敷に着く前に嗅いだその香りを思い出して、そこらじゅうを歩き回った。すると、庭の方に香りのもとを突き止めた。
「まさか外に隠すなんてね」
クローディアは、庭を散歩するふりをして、アイリーンとは離れた所を探すことにした。
「地下室や、隠し部屋なんかがあるのかしら」
そこらじゅうを見て回っていると、庭の芝生の中に踏み込んだクローディアの足が何かを踏んだ。木の板のようなものだ。中央にある大きな木と茂みとの間にあった。地下室があるかもしれない、その予想が当たっていた。
クローディアは、屈んで地下室へと続く扉の取手を探した。まさか、こんなにわかりやすい場所に地下室があるなんて。盗んだ宝を隠すにはお粗末すぎる。おそらく、急ごしらえのものなのだろう。クローディアが屈んでいると、アイリーンがこちらに走ってきた。その時だった。
「そこまでだ、悪魔」
クローディアの後ろから、声がかかった。
見ると、先ほど紅茶を持ってきた少年が、クローディアに拳銃を向けているではないか。
クローディアは、手を上げて立ち上がった。
「私たちが悪魔? 悪魔はあのマフディって男なのではなくて?」
クローディアは、ここまできて拳銃を怖がることはなかった。今まで何度となく危険な目に遭ってきた。こんな状況はごまんとあったのだ。
拳銃に怯えることのないクローディアに、脅しは無駄だと思ったのか、少年は拳銃を下ろした。
「悪魔は悪魔だ、サタン。俺にはわかるんだよ、そっちのはルシファーだろ」
言い当てられて、クローディアは舌打ちをした。
「だったらこちらも言いたいことを言わせてもらうわ。あなたは大天使ガブリエルのシリン。それがどうしてあんな男のところで働いているのかしら?」
今度は、少年が舌打ちをした。
「チッ、しょうがないな」
そう言うと、少年は茂みを超えてクローディアの方へ入ってきた。そして、地下室への扉の取手を簡単に探し当てると、首からぶら下げていた鍵を差し込んだ。
「夜の支配者がいた。あの人と一緒のところを見ると、このパレスチナの月をきちんと戻してくれるんだろうな。俺の名はカリム。あんたは?」
地下室の扉が開くと、カリムはクローディアとアイリーンの方へ手を伸ばした。
「クローディア。あの子は双子の妹で、アイリーンよ」
カリムは、頷いた。そして、二人を地下室へ誘った。
地下室は深かったが、そんなに広くはなかった。急ごしらえだけあって、作りは乱雑で、壁の土が剥き出しだった。地下室の底に着くと、そこには木の箱があって、その上には銀色に輝く金属があった。
「パレスチナの月た。イスラエルの銀とパレスチナのプラチナを合わせて、長い年月の間、アフリカの鉱山遺跡で保管されていたものだ。これと一緒に保管されていた石板には、主ヤハウェの言葉が記されていた。相互に憎しみの連鎖が続くが、いずれそれを乗り越えて、約束の地に、いずれ二つの民族が共存するだろう、と」
カリムは、そう言いながら、パレスチナの月を持ち上げた。
「俺が、マフディのやつを出し抜いて取り戻すつもりでいた。だが、夜の支配者が出てきた以上、俺の出番はない。あの日本人は見るものと戻すものだろう?」
クローディアは、何も言わずに頷いた。
「お前らを信じよう」
カリムは、そう言って、パレスチナの月と呼ばれる鉱物を、クローディアに手渡した。そして、三人は地下室から出た。
すると、そこには何十匹もの大きな番犬がいて、囲まれてしまっていた。
「しまった、マフディの奴、全部知って!」
カリムは、双子の姉妹を庇うような形で、周りを囲む番犬の前に立ち塞がった。遠くから、マフディの高笑いが聞こえてくる。マフディは二階にいて、隣にはシリウスがいた。町子と輝は一階にいて、同じように猟犬に囲まれている。
「さあ、シリウスさん、狩りの時間ですよ。誰から殺しますか? あなたが殺さなければ、あのものたちはどのみち番犬に食われます」
シリウスは、手に猟銃を持っていた。だが、焦った様子もなければ困った顔もしていない。シリウスは、猟銃を構えると、何の躊躇いもなく撃ち、番犬を一匹撃った。足を狙ったので動きを封じることができた。
「俺としたことが、狙いが狂っちまった」
それを見て、マフディは怒った。
「番犬を撃てば、他の番犬が子供たちを殺す。それでもいいのかね? 私が命令すれば、好きな子供を殺して見せることができるが」
シリウスは、それを聞いて、もう一度、猟銃を構えた。それを見て、マフディが口の端を少し上げた。
「ひとつ聞いていいか、マフディ」
猟銃を構えたまま、シリウスはマフディに訊いた。マフディが、なんだ、と答えると、シリウスは猟銃の引き金に手を置いた。
「輝と町子の故郷、糸魚川を襲い、住民を操って内山牧師を襲ったのはなぜだ? なぜあの街であんなことをした?」
マフディは、高笑いをした。
「我々の組織である、ムーン・アークの障害になる男だ。内山牧師は危険な力を持っている。それを殺すのは当然のことだと思うが?」
「ムーン・アーク、それがお前たちの組織の名か」
シリウスは、そう言うと、引き金にグッと力をこめて、もう一匹、番犬の足を撃った。
それを見て、マフディが声を上げた。怒り、全ての番犬を輝やクローディアたちにけしかけるために指を鳴らそうとした。
その時だった。
マフディが恐ろしい声を上げて、鳴らそうとしていた自分の指を押さえた。すると、指は消え、マフディの身体から、白い煙が出てきた。いや、蒸気だろうか。それは彼を苦しめ、天に掲げた手を下ろさせた。彼の体は赤みを増していき、恐ろしいうめき声と共にどんどん痩せ細っていった。
マフディがそのまま蒸発して消えていってしまうまで、時間はかからなかった。
「人が、蒸発した?」
一階からマフディの様子を見ていた町子が、番犬が引いていくのを見送りながら、震えた。
「遠隔操作で人間を蒸発させ、空気に帰す。地球のシリンにならできるはずだが」
カリムが、クローディアとアイリーンを連れて町子たちと合流した。二階にはシリウスの姿はなかった。
「じゃあ、地球のシリンはシリウスさんなのか?」
輝が聞くと、カリムは首を横に振った。
「遠隔操作って言っただろ。地球のシリンなら例え地球の裏側にいても、人を蒸発させることができる。シリウスさんは夜空のシリンだ。地球のシリンじゃない」
話し合っていると、シリウスが上階から降りてきた。
そのシリウスに、なぜ、マフディが消えるタイミングがわかったのか尋ねた。すると、こう返ってきた。
「すべてのシリンは地球のシリンと繋がっている。そのつながりが俺の場合は少し、他より強かっただけだ」
そう言って、笑った。
パレスチナの月は、シリウスの持っていた箱に戻された。輝たちはそのままパレスチナのイスラエル大使館へ行き、そのパレスチナの月を返しに行った。ひどく感謝されたが、礼を受け取ることなく大使館を後にした。そして、パレスチナのホテルに一泊して、帰途についた。
空港で双子の悪魔と一人の天使に別れを告げ、シリウスと共に英国行きの飛行機に乗った輝と町子は、何だかすごく疲れてしまっていた。
「結局、私たち何にもできなかったね」
町子が、窓から空を見ながらそう言ったので、輝は苦笑いをすることしかできなかった。
「力のコントロールができない以上、俺は、生きて帰れただけでも良かったと思ってる。でも、これで少し地球のシリンが怖くなったよ」
町子は、それを聞いて、驚いた顔をした。
「あれ、輝って地球のシリンが誰なのか知らなかったっけ?」
「知らないよ。すべてのシリンは地球のシリンと繋がっているって言ったって、俺、まだ覚醒していないんだろ? 戻すものの力だって、急須を元に戻すくらいだったし、コントロールできてないしさ」
それを聞いて、町子は輝を見る目を変えた。
「そんなんでよく、ここまできたよね、輝。びっくりだよ」
「町子は、地球のシリンが誰なのか、分ってんのかよ?」
輝の問いかけに、町子は、少し暗い顔をして、頷いた。そして、何かを言おうとして、口をつぐんだ。
「輝、地球のシリンはそんなに怖くない」
町子は、少し、明るい顔を取り戻して、輝に告げた。寂しそうにもしている。町子からは、地球のシリンはどう見えているのだろうか。本当に、怖くないのだろうか。
地球の裏側からでもピンポイントで人間を蒸発させてしまう。そんな力を持った人間を怒らせてしまったら、どんなに恐ろしいだろう。
輝は、それから英国に着くまで、町子と無難な話をしながら過ごした。ただ一人、日本から一緒に来た母が待つ英国。そこはなんだか少し、懐かしい場所に思えて、早く帰りたいと思えてきていた。
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