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第四章 パレスチナの月
白壁の屋敷
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二人の旅芸人の女の子は、シリウスを夜の支配者と呼んだ。それは、彼がシリンであるということを知っている証だった。
「高橋輝です」
輝が手を差し伸べると、ロングヘアーの方の女の子が手をとった。そして、かわいらしく笑った。
「戻すもの、高橋輝さん。よろしくね。私は悪魔サタンのシリンで、名はクローディア」
「サタン」
町子が、唾を飲んだ。こんなに可憐な少女がサタンを名乗るなんて。じゃあ、もう一人の女の子はどうなのだろう。町子は、もう一人の方に手を差し伸べてみた。
「森高町子です」
すると、もう一人の、ショートヘアの女の子は、躊躇いがちに手を差し出して、町子の手を握り返した。
「こんにちは、見るものの町子さん。私は悪魔ルシファーのシリンです。名はアイリーン。何ができるってわけじゃないけど、よろしくお願いします」
町子が恐々と手を引いたので、輝は彼女の考えていることがなんとなく分かった。だが、輝には、クローディアやアイリーンが悪魔のシリンだといったからといって、本当の悪魔であるとは思えなかった。
それを後押しするかのように、シリウスが輝と町子の背中を押す。
「シリンは媒体そのものじゃない。媒体のメッセージを宿して生まれてくることは確かだけどな」
二人が納得したような顔を見せると、安心したかのようにシリウスは次の話題に移った。
「クローディア、突然ですまないんだが、マフディの件で相談がある」
話を振られたクローディアは、肩をすくめた。
「そうくると思ったわ。あなたのことだから、浅はかな考えでしかないんでしょう。で、何をすればいいの?」
そう言われて、シリウスは少し残念そうに笑った。輝と町子を見て、二人が肩をすくめると、大きくため息をついた。
「俺はそんなふうに思われていたのか。まあいい。二人には、マフディのところに俺たちを案内してほしいんだ。クローディアは鷹の目を持っているだろう。あいつの位置を特定することくらい、訳ないはずだ。アイリーンは狼の鼻を持っているから、香りを嗅ぐだけで探し物の大体のありかが分かる。盗まれたパレスチナの月を取り戻すために必要なんだ。二人とも、町子や輝を迎えにきた、この近くの学校の生徒ってことにして、俺たちと一緒にマフディに会いに行ってほしい」
「マフディに会いにいく動機がないわ」
クローディアは呆れ返ったようにため息をついた。
「シリウス、あなた詰めが甘いのよ。何の理由をつけて会いにいくつもり?」
それには、輝も町子もびっくりした。シリウスはそこの部分を考えていなかったのか。
「心配するなって。ちゃんと、先方には連絡を入れてある。あんたの学校のあんたのクラスに転校する留学生を二人、紹介するからこれから会いにいくってな」
「場所もわからずに会いにいくって言ったの?」
「それは、お前らがいるから心配していなかった」
シリウスが胸を張って言うと、クローディアはまた、ため息をついた。
「行き当たりばったりで無計画だわ。よくそれで輝くんたちの引率ができたものね」
「悪いが、これが俺のやり方なんだよ。俺たちのところに会いにこいって言って怪しまれるよりマシだろ」
そう言われて、クローディアは少し考え込んだ。輝と町子が見守る中、あちらこちらを行き来しながら考えていた。そんなクローディアを見て、アイリーンが声をかけた。
「姉さん、行かない理由はないわ。シリウスはバカだけど善人だもの」
「随分とハッキリ言うんだな」
シリウスが絶句したので、輝が代わりに言いたいことを言った。すると、大人しそうだったアイリーンがふと笑った。
「私も、その鼻持ちならないマフディには一泡吹かせてあげたいわ。パレスチナの月は両国の友好の証。それを盗む暴挙に出た以上、許して置くわけには行かないわ。協力しましょうよ、姉さん」
クローディアは、それを聞いて立ち止まった。
「何か作戦はあるの?」
シリウスは、頷いた。
「ここに、大使館から受け取ってきた、パレスチナの月を入れてあった箱がある。この箱に、輝の力を使ってパレスチナの月を戻せばいい。ただ、これのありかがわからない限りはそれも不可能。その場所の特定を、クローディアとアイリーンにお願いしたいんだ。あとは、町子の見るものの目で、それがパレスチナの月であるかどうかを見極めればいい」
「作戦と言えるような代物ではないわね」
クローディアは呆れていたが、悪い気分ではなかったのだろう、シリウスのいう作戦を実行することを決めてくれた。ここで輝と町子の出番はなかったが、マフディの元へ行った時に何かしらやることがある。二人はそれが何となく嬉しかった。
クローディアは、作戦が定まると、すぐにその能力を解放した。
「鷹の眼。上空から獲物を見つけて離さない。空の狩人とは私のこと」
そう言いながら、目を閉じた。他の四人も静かにそれを見守っていた。すると、しばらくしてクローディアは目を開け、みんなに笑顔を向けた。
「この広場を南に歩いていくと三番目の交差点の右側に大きな屋敷があるわ。相当金持ちなんでしょうね。そこに住んでいるみたい。シリウスの連絡をうけて、ちゃんと自宅にいるようね。おそらくパレスチナの月はそこにある。どこに隠したかは屋敷じゅう探してみないとわからないけど」
「広い屋敷なのか?」
シリウスが訊ねると、クローディアは少し考えてから、答えた。
「この辺であの屋敷を知らないひとはいないでしょうね。大きいもの。もっとも、それはあくまでこの近辺の話。流れ者の私たちや外国人のあなたたちまで広がりを持った関係ではないみたいよ」
シリウスはそうか、とだけ言い、少し考えるそぶりを見せた。しかし、すぐに輝たちの方を向くと、その屋敷に行ってみようと言い、皆の準備が出来次第広場を出た。
シリウスはおじさんのように手回しがいいわけではない。おそらく、おじさんは恐ろしいくらい人の使い方が上手なのだろう。シリウスが南アフリカで上手く動けたのも、親友であるおじさんがうまくその場をセッティングしておいたからだ。しかし、今回はそれがない。これから何が起きるか分からない。輝はそれを思うと少し身震いがした。
広場から南へ、三つ目の交差点を過ぎると、右側に確かに屋敷があった。白壁の上品な屋敷で、広い庭園に囲まれていた。噴水まではなかったが、中央に大きな木があって、何かの黄色い果実が実っていた。
庭園を横切って屋敷に近づくと、最初にあった柵が自動で開き、輝たちを屋敷の中に誘った。さらに中に入って屋敷のドアをノックすると、すぐに開いて、広い廊下が見えた。そして、その中央に誰かが立っていた。
「マフディさんですか?」
シリウスが珍しく敬語を使っている。それが変で、町子がシリウスの後ろで吹き出す。それを見て、シリウスが咳払いをした。
「いかにも、私がマフディです。ご連絡いただいた時と子供達の人数が違うようですが」
すると、シリウスは何も問題なさそうに、こう言った。
「後ろの女の子たちは、最近まで教育を受けてこなかった孤児たちです。急遽来ることになりましたが、彼女たちにも教育の機会をと思いましてね」
「そうですか」
マフディは、笑顔でシリウスの意見を承諾した。クローディアは不満そうにしていたが、妹のアイリーンが姉の背中に手をやってなだめていた。
会談をする部屋に案内されると、そこは白を基調とした部屋に幾つもの金細工が置かれていて、見るからに豪華だった。壁には、何かの趣味に使うのだろう。いくつかの猟銃がかけてあった。部屋には大きなテーブルにふかふかのソファーがしつらえてあって、そこに座ると心地よかった。奥から品のある一人の少年が出てきて、人数分の紅茶を淹れていった。少年は、ちらりと輝を見て、その後シリウスを見た。
「この屋敷、人が少ないのかしら。今の今まで、あの男の子とマフディしか見ていないわ」
クローディアが紅茶を口に運んだ。すると、シリウスが少し焦りを見せた。
「あれは」
少し呟いて、すぐ言葉を飲み込む。何かを言おうとしてそれをやめた。そんな風だった。
そんなことをしているうちに、マフディが来て、書類を四セット、子供たちの前に置いていった。
「入学に必要な書類です。いま書けとは言いませんし、文字の書けないお嬢さんたちに記入は無理ですから、代理の方に書いてきてもらってください。その際、シリウスさんがきちんと内容を確認した上提出してくださいね。記入は英語でお願いします」
それを聞いて、クローディアが顔をしかめた。字が書けないという設定に憤りを感じたのか、または学校自体が嫌いなのか。隣で自分のカバンに書類をしまうアイリーンを横目に、大きくため息をついた。
「シリウス、私ちょっと、気分が悪いわ。外のお庭を散歩してきていいかしら?」
クローディアがそう言って席を立つと、アイリーンも一緒に席を立った。
「姉さんがいくなら私も行くわ。学校のことはもういいんでしょ?」
そう言って、シリウスが許可を出すまでもなく、外へ出ていってしまった。残ったのはシリウスと町子、輝の三人で、しばらくの沈黙の後、シリウスが咳払いをした。
「失礼しました、マフディさん。勝手な子達で申し訳ない。学校のことについての説明をお願いしたいんですが」
これはシリウスの時間稼ぎだった。クローディアとアイリーンはおそらく、庭に出ていくと偽って屋敷の中にあるはずのパレスチナの月を探すつもりだろう。輝たちもその意図が汲み取れないほど鈍感ではない。
輝は、シリウスのセリフの後に話されるマフディの説明を逐一聞いていた。そして、いくつかの質問をして時間を引き伸ばすことにした。
町子も、輝の意図を踏んでマフディを質問攻めにした。時間がどんどん経っていく。そうやって三人は、屋敷の中に去っていったはずのクローディアとアイリーンを待った。
「高橋輝です」
輝が手を差し伸べると、ロングヘアーの方の女の子が手をとった。そして、かわいらしく笑った。
「戻すもの、高橋輝さん。よろしくね。私は悪魔サタンのシリンで、名はクローディア」
「サタン」
町子が、唾を飲んだ。こんなに可憐な少女がサタンを名乗るなんて。じゃあ、もう一人の女の子はどうなのだろう。町子は、もう一人の方に手を差し伸べてみた。
「森高町子です」
すると、もう一人の、ショートヘアの女の子は、躊躇いがちに手を差し出して、町子の手を握り返した。
「こんにちは、見るものの町子さん。私は悪魔ルシファーのシリンです。名はアイリーン。何ができるってわけじゃないけど、よろしくお願いします」
町子が恐々と手を引いたので、輝は彼女の考えていることがなんとなく分かった。だが、輝には、クローディアやアイリーンが悪魔のシリンだといったからといって、本当の悪魔であるとは思えなかった。
それを後押しするかのように、シリウスが輝と町子の背中を押す。
「シリンは媒体そのものじゃない。媒体のメッセージを宿して生まれてくることは確かだけどな」
二人が納得したような顔を見せると、安心したかのようにシリウスは次の話題に移った。
「クローディア、突然ですまないんだが、マフディの件で相談がある」
話を振られたクローディアは、肩をすくめた。
「そうくると思ったわ。あなたのことだから、浅はかな考えでしかないんでしょう。で、何をすればいいの?」
そう言われて、シリウスは少し残念そうに笑った。輝と町子を見て、二人が肩をすくめると、大きくため息をついた。
「俺はそんなふうに思われていたのか。まあいい。二人には、マフディのところに俺たちを案内してほしいんだ。クローディアは鷹の目を持っているだろう。あいつの位置を特定することくらい、訳ないはずだ。アイリーンは狼の鼻を持っているから、香りを嗅ぐだけで探し物の大体のありかが分かる。盗まれたパレスチナの月を取り戻すために必要なんだ。二人とも、町子や輝を迎えにきた、この近くの学校の生徒ってことにして、俺たちと一緒にマフディに会いに行ってほしい」
「マフディに会いにいく動機がないわ」
クローディアは呆れ返ったようにため息をついた。
「シリウス、あなた詰めが甘いのよ。何の理由をつけて会いにいくつもり?」
それには、輝も町子もびっくりした。シリウスはそこの部分を考えていなかったのか。
「心配するなって。ちゃんと、先方には連絡を入れてある。あんたの学校のあんたのクラスに転校する留学生を二人、紹介するからこれから会いにいくってな」
「場所もわからずに会いにいくって言ったの?」
「それは、お前らがいるから心配していなかった」
シリウスが胸を張って言うと、クローディアはまた、ため息をついた。
「行き当たりばったりで無計画だわ。よくそれで輝くんたちの引率ができたものね」
「悪いが、これが俺のやり方なんだよ。俺たちのところに会いにこいって言って怪しまれるよりマシだろ」
そう言われて、クローディアは少し考え込んだ。輝と町子が見守る中、あちらこちらを行き来しながら考えていた。そんなクローディアを見て、アイリーンが声をかけた。
「姉さん、行かない理由はないわ。シリウスはバカだけど善人だもの」
「随分とハッキリ言うんだな」
シリウスが絶句したので、輝が代わりに言いたいことを言った。すると、大人しそうだったアイリーンがふと笑った。
「私も、その鼻持ちならないマフディには一泡吹かせてあげたいわ。パレスチナの月は両国の友好の証。それを盗む暴挙に出た以上、許して置くわけには行かないわ。協力しましょうよ、姉さん」
クローディアは、それを聞いて立ち止まった。
「何か作戦はあるの?」
シリウスは、頷いた。
「ここに、大使館から受け取ってきた、パレスチナの月を入れてあった箱がある。この箱に、輝の力を使ってパレスチナの月を戻せばいい。ただ、これのありかがわからない限りはそれも不可能。その場所の特定を、クローディアとアイリーンにお願いしたいんだ。あとは、町子の見るものの目で、それがパレスチナの月であるかどうかを見極めればいい」
「作戦と言えるような代物ではないわね」
クローディアは呆れていたが、悪い気分ではなかったのだろう、シリウスのいう作戦を実行することを決めてくれた。ここで輝と町子の出番はなかったが、マフディの元へ行った時に何かしらやることがある。二人はそれが何となく嬉しかった。
クローディアは、作戦が定まると、すぐにその能力を解放した。
「鷹の眼。上空から獲物を見つけて離さない。空の狩人とは私のこと」
そう言いながら、目を閉じた。他の四人も静かにそれを見守っていた。すると、しばらくしてクローディアは目を開け、みんなに笑顔を向けた。
「この広場を南に歩いていくと三番目の交差点の右側に大きな屋敷があるわ。相当金持ちなんでしょうね。そこに住んでいるみたい。シリウスの連絡をうけて、ちゃんと自宅にいるようね。おそらくパレスチナの月はそこにある。どこに隠したかは屋敷じゅう探してみないとわからないけど」
「広い屋敷なのか?」
シリウスが訊ねると、クローディアは少し考えてから、答えた。
「この辺であの屋敷を知らないひとはいないでしょうね。大きいもの。もっとも、それはあくまでこの近辺の話。流れ者の私たちや外国人のあなたたちまで広がりを持った関係ではないみたいよ」
シリウスはそうか、とだけ言い、少し考えるそぶりを見せた。しかし、すぐに輝たちの方を向くと、その屋敷に行ってみようと言い、皆の準備が出来次第広場を出た。
シリウスはおじさんのように手回しがいいわけではない。おそらく、おじさんは恐ろしいくらい人の使い方が上手なのだろう。シリウスが南アフリカで上手く動けたのも、親友であるおじさんがうまくその場をセッティングしておいたからだ。しかし、今回はそれがない。これから何が起きるか分からない。輝はそれを思うと少し身震いがした。
広場から南へ、三つ目の交差点を過ぎると、右側に確かに屋敷があった。白壁の上品な屋敷で、広い庭園に囲まれていた。噴水まではなかったが、中央に大きな木があって、何かの黄色い果実が実っていた。
庭園を横切って屋敷に近づくと、最初にあった柵が自動で開き、輝たちを屋敷の中に誘った。さらに中に入って屋敷のドアをノックすると、すぐに開いて、広い廊下が見えた。そして、その中央に誰かが立っていた。
「マフディさんですか?」
シリウスが珍しく敬語を使っている。それが変で、町子がシリウスの後ろで吹き出す。それを見て、シリウスが咳払いをした。
「いかにも、私がマフディです。ご連絡いただいた時と子供達の人数が違うようですが」
すると、シリウスは何も問題なさそうに、こう言った。
「後ろの女の子たちは、最近まで教育を受けてこなかった孤児たちです。急遽来ることになりましたが、彼女たちにも教育の機会をと思いましてね」
「そうですか」
マフディは、笑顔でシリウスの意見を承諾した。クローディアは不満そうにしていたが、妹のアイリーンが姉の背中に手をやってなだめていた。
会談をする部屋に案内されると、そこは白を基調とした部屋に幾つもの金細工が置かれていて、見るからに豪華だった。壁には、何かの趣味に使うのだろう。いくつかの猟銃がかけてあった。部屋には大きなテーブルにふかふかのソファーがしつらえてあって、そこに座ると心地よかった。奥から品のある一人の少年が出てきて、人数分の紅茶を淹れていった。少年は、ちらりと輝を見て、その後シリウスを見た。
「この屋敷、人が少ないのかしら。今の今まで、あの男の子とマフディしか見ていないわ」
クローディアが紅茶を口に運んだ。すると、シリウスが少し焦りを見せた。
「あれは」
少し呟いて、すぐ言葉を飲み込む。何かを言おうとしてそれをやめた。そんな風だった。
そんなことをしているうちに、マフディが来て、書類を四セット、子供たちの前に置いていった。
「入学に必要な書類です。いま書けとは言いませんし、文字の書けないお嬢さんたちに記入は無理ですから、代理の方に書いてきてもらってください。その際、シリウスさんがきちんと内容を確認した上提出してくださいね。記入は英語でお願いします」
それを聞いて、クローディアが顔をしかめた。字が書けないという設定に憤りを感じたのか、または学校自体が嫌いなのか。隣で自分のカバンに書類をしまうアイリーンを横目に、大きくため息をついた。
「シリウス、私ちょっと、気分が悪いわ。外のお庭を散歩してきていいかしら?」
クローディアがそう言って席を立つと、アイリーンも一緒に席を立った。
「姉さんがいくなら私も行くわ。学校のことはもういいんでしょ?」
そう言って、シリウスが許可を出すまでもなく、外へ出ていってしまった。残ったのはシリウスと町子、輝の三人で、しばらくの沈黙の後、シリウスが咳払いをした。
「失礼しました、マフディさん。勝手な子達で申し訳ない。学校のことについての説明をお願いしたいんですが」
これはシリウスの時間稼ぎだった。クローディアとアイリーンはおそらく、庭に出ていくと偽って屋敷の中にあるはずのパレスチナの月を探すつもりだろう。輝たちもその意図が汲み取れないほど鈍感ではない。
輝は、シリウスのセリフの後に話されるマフディの説明を逐一聞いていた。そして、いくつかの質問をして時間を引き伸ばすことにした。
町子も、輝の意図を踏んでマフディを質問攻めにした。時間がどんどん経っていく。そうやって三人は、屋敷の中に去っていったはずのクローディアとアイリーンを待った。
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